- Amazon.co.jp ・マンガ (160ページ)
- / ISBN・EAN: 9784792603601
感想・レビュー・書評
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素晴らしい。
大傑作だと思う。
耽美で切なく幻想的で現実的。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人間の弱さや感情の揺れが丹念に描かれた良作。著者お得意の猟奇、エロ、グロがないではないが、それらが前面に出ているわけではない。
大正12(1923)年8月、東京。宇佐美家の虹彦とののこは腰部で身体がつながった結合双生児(シャム双生児)。世間体を憚った両親は、虹彦とののこを座敷牢で育て、生まれてから6年間ずっと家の外に出さなかった。特にののこは生後一度も意識を持ったことがなく、昏睡状態にある。9月1日、関東を未曽有の大震災が襲い、一家は離散。虹彦とののこはそこで初めて外の世界に飛び出たのだった。そしてそんな最中、ののこが目を覚ます。町の人々に襲われかけたところに、偶然居合わせた見世物小屋「寿一座」のハクダミによって救け出され、双子は一座に引き取られることとなったが…。
深いテーマ性、魅力的な人物たち、確かな画力が読者を作品に引き込む。「個」であることが当たり前とされる現代において、二人であって一人である虹彦とののこの存在は、その「常識」に強烈な疑問符を突きつける。
作中、双子は「普通」の生活を送ることが叶わず、見世物となることでどうにか糧を得る。そしてあからさまな差別は、さらなる弱者への差別となり、差別の連鎖を生む。社会の暗部を晒し、人間の弱さに正面から向き合う作品は稀有。第二部に入ってから休載して久しく、続刊を望むのが困難なのが残念。 -
丸尾末広・江戸川乱歩の香りがぷんぷん…腰で繋がったののこと虹彦のシャム双生児の話。出版社を営む父親と優しい母親、姉との富裕層の暮らしだったが、不具者(片輪者)であると言う事で人の目に触れないよう、人から差別や暴力を受けないよう、座敷牢の中で暮らしていた二人。虹彦は利発だったが、ののこは誕生以来意識を持ったことがない。虹彦の腰にくっついた生きた人形の様だった。そんな世界の中から関東大震災で焼け出され、家族とは会えず、見世物小屋の主人に拾われる事になりーーーーー
これが1巻、表紙裏の「彼らは二人であって一人だ。同じ日に生まれ、同じ日に死ぬ。」の結末を見届けたいが、続刊の発行はされてない様だ…残念至極。シャム双生児は同性の双子にしか生まれないと言う作中の解説を含め、二人の出生には劇的なものがあるに違いない。 -
やっと買えたわ。
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「よそ者には上か下かしかない。自分たちより上なら遜り下ならとことん踏み潰す」
「強い者から弱い奴へ 差別はまるでゲロのように上から下へ垂れ流される」
関東大震災で混乱する日本を舞台に、シャム双生児である虹彦とののこが体験する数奇で壮絶なお話、第二部が連載開始直後に休載に入ってから・・・・何年経ちましたっけ・・・・・。
単行本になってるのは第一部だけですが、これはこれでしっかりと読み応えがあり、差別の物語としてちゃんと完結しています。
amazonに、あの美しい表紙の画像が上がってないのが悲しい。 -
画像がないけども。大好きです、これ。続き無理なのかなあ…
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数奇な運命をたどる双子の兄妹のお話です。
裏表紙の「彼らは二人であって一人だ。同じ日に生まれ、同じ日に死ぬ」はすごいフレーズですね。
もう二巻がでることはないようなので、残念です。
最近知りました。
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この本が大越先生との出会いの始まりです
どうしても読んでみたくって高2の時に初版を3000円で購入しました。
漫画本を3000円で買うなんて!と思ったけど今では家宝。
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腰のあたりで繋がっている兄妹を中心にして、見世物小屋でしか生きれない人たちの苦しみとか悲しみとか現実とかを凄惨に描いた漫画ですよ。
大越先生の漫画、ぶっちゃけ怖いんだけど、この話だけは好きだった。ていうか続きはいつ・・・ -
傑作ですよね〜...
つづきが読みたい。 -
生きるも死ぬも
左右いっしょ
どちらかが死ねば
もう片っぽも助からない
シャムの宿命さー
あたしは、小さい頃から
もうひとり自分がいたらと思ってて。
双子、しかもシャム双生児なんて、
存在を知った時から憧れで
(きっとそう生まれたら生まれたで
個体で生まれたかったと強く望むんだろうけど
ないものねだり)
一蓮托生、一心同体、運命共同体。
お互い居ないと生きられない相手が
生まれた時から隣で(前や後ろかもしれないけど)
しかもぴたりとくっついてるなんて、
なんて素敵!!
(↑実際の労苦とか、差別とか、悲しい話は
とっぱらってほんと無責任で個人的な
趣味の妄想としてとらえて下さいませ。)
とそういう想いを
この人も抱いている人なのだろうな
と勝手に解釈。
男女のシャム双生児は
現実にはありえないらしいから
この物語はファンタジイであるのだけど。
とてつもない画力と
徹底した背景描写で
とてつもなくリアル。
あたし自身、大正なんて時代に
生きていたわけじゃないので
リアルといっても、聞いたり読んだりした
その時代像なのだけれど。
大越先生は実際この時代を
視てきた人なのではないかと思ってしまう説得力。
ありえないくらいにロマンチックで
でも現実の厳しさとか悲しさとかも
表現している作品。
続きが激しく気になっている状態で
止まっているので、
是非見たいなあという気持ちも込めてレビュー。。 -
シャム双生児の男の子と女の子が主人公の漫画。続きが気になる。
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─彼らは二人であって一人だ。同じ日に生まれ、同じ日に死ぬ─大正末期、融合双体児の虹彦とののこは関東大震災によって家族とはぐれ、見世物小屋「寿一座」の一員となるが…
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男女のシャム双生児のお話。ガロ系の漫画家さんはぶっちゃけ当たり外れが激しいですが、大越さんの絵は綺麗で、少し怖い。これって続編出るんでしょうか…密かに凄い待ってるんだけど…。
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男女のシャム双生児の行く末は…?グロテスクだけど、幻想的。