情報戦の教科書 日本を建て直すため『某諜講演資料』を読む

  • 青林堂 (2024年2月10日発売)
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  • 本 ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784792607548

作品紹介・あらすじ

戦前の日本人に読まれていた『防諜講演資料』を、参政党党首・参議院議員の神谷宗幣がわかりやすく 現代語に書き記し、今の日本社会と照らし合わせて解説と提言を加えました。
情報、経済、メディア工作、スパイの実態など、目に見えない戦いは今も昔 も変わっていないことに驚きを隠せません!

感想・レビュー・書評

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  • 『防諜講演資料』という1941年に日本の内務省が発行し、日本国民に向けて発表された書物を、国政政党「参政党」代表である著者が書き記し、今の日本社会と照らし合わせて解説と提言を加えた著書になります。

    『防諜講演資料』では"戦争の入り口は秘密戦=情報戦"と定義されています。いわゆる私達が一般的に想像する戦争は"武力”のイメージがありますが、武力戦の前段階に燃料や食糧を止める"経済戦”、さらにその前段階として"情報戦"があるとこの本では定義しています。

     戦前『防諜講演資料』により防諜の重要性が啓蒙されていた筈の日本でしたが、先の大東亜戦争では情報戦の段階で米国に敗れており、ソ連側のスパイと思われる人物が大本営内にも入りこんでいたと言われております。日本敗戦の原因は情報戦で敗れていたことが大きいのではないかと個人的にも思っております。(そもそも、防諜がしっかり機能していれば、米国との全面戦争は回避できていたという見方もありますが...)

     そして国民に『防諜』という教育がされていない、今の日本の現状はどうでしょうか。戦後80年近く経ちますが、日本は未だにGHQが行ったウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムの洗脳から抜け出せず、政府は米国に言われるがまま、日本を売り渡すような政策を推し進めています。また、情報戦という観点で見れば今まさに土地や不動産の買収など、中国からの静かなる侵略を受けている状況です。しかも、多くの日本人がその状況に気が付いていません。筆者が提言するように、国民の心構えこそが最大の防衛であると思いますが、「危機意識」「防衛意識」「愛国心」すべてが今の日本人には欠如しているのです。

     ひとりでも多くの日本国民がこの本を手に取り、今の日本の現状に気づき、情報の取り方を変え、次の世代へこの日本という素晴らしい国を繋いで行くために、行動を変えて行くことを切に願います。

  •  Be careful about your “Frenemy”.

     親しきふりをする敵に気をつけよ



     本書の防諜公演資料集にも記されていますように「私はスパイだが、仲良くしておくれ」などと言ってくる人はいるはずがないのです。笑
     なので、それと知らず、自分自身がスパイに加担していることが、私たち日本人にとってはほとんどであり、悲しいかな、そうした例は数えるとキリがないほどに多かろうと思われます。


     私自身は親しみを持ち、ご本人の専門性においては学び、為になるなぁと思えるお二人が、倉山満さんと吉野敏明さんです。けれどもお二人もまた、本書で紹介されている例の通り、「みんなのためにもっとこうすればいいのにね」と、よかれと吹聴するような体で、リーダーとして神谷さんが孤立するような、あるいはそう取られても仕方のない発言をいくばくかされているようでした。


     ピンと来るのは、倉山さんは自民党は批判しても、再エネとその背後の利権に依存している、維新や小泉一族の批判はしないことです。その裏にある利権からある程度の関係があるのだろうかと鑑みることもできます。
     維新はむしろ自民では物足りないとばかりにグローバリズム全振りと言えそうなほど、SDGsや再エネ事業に加担しています。一番ひどいのが、奈良の山下知事が、住民の同意を得ることなく、勝手にメガソーラー巨大施設を作ろうとしたことでした。あの自民党ですら、公明党と手を組んでこの案には反対したというのですから皮肉なものです。
     そんな維新の批判をついぞされない倉山さんの様子を見ると、なんとも不思議なのです。事実、ユダヤ勢力(というよりカバールorハザールマフィア?)は存在するのに、それらも概ね陰謀論としてしまうのも不思議なもので……とはいえ、「尊敬する人の意見」として、名前は挙げずに、馬渕睦夫さんの解釈を紹介はされていました。支持はしなくても、理解はされているのかもしれません。彼ほど大東亜戦争を研究しているのなら、知らないはずはないのですから。ヘンリースティムソンやゾルゲあたりからでも、いくらでも国際金融の存在には辿り着けます。
     あるいは杉田水脈さんのような、義に厚い議員さんとの個人的な交友により、維新に若干同情的なのかもしれませんね。ただ、彼が政敵と認めたものに対しては全く手加減なく戦う姿を繰り返し見てきましたので、維新にはずいぶん易しい様は、やはり、不思議なのです。


     吉野敏明さんも、自著の中で、医療業界と北朝鮮との金銭の流れを知ってしまったと書かれていました。そして彼の助手がチョーさんであることを鑑みると、これもまた、不思議な感覚です。
     けれど私は彼がまだ参政党のゴレンジャーであった頃、地元の駅に演説に来てくれました。その後の講演会にも通いました。そこで、私は彼と政治的な約束はしませんでした。けれど、たった半年で、肝機能がDマイナスであったところが、あっという間にAプラスに戻りましたので、「これからも和食を続けます」「どうぞ続けてください。よろしくお願いします」と、握手を交わしながら約束したのです。
     私自身、病気がちだったところがあり、それらの思い当たる原因をひとつずつ、自らの健康への勉強と努力と実践で克服してきました。少なくともその私が厚く効果を実感できましたので、吉野さんの語る健康への提案は、およそ間違いないと思っております。全ての人に通じる健康法などこの世界には存在しません。結局は自分でひとつひとつ確かめるしかないのです。自分に合うからといって、家族に合うとも限らないのですし、家族がやっているからといって自分に合うとも限らないのです。


     なので、これからも救国シンクタンクの文書管理官として、そして食と健康のプロとして、私は倉山満さんと吉野敏明さんを信頼しています。しかし、それと、政治的にお二人を信頼するかは別な話なのです。そうやって、その人はこの事柄において頼もしいと、信頼することを分けて考えれば、自然と、frenemyに、政治的に騙されたりすることは無くなるのではないでしょうか。初めから彼らがfrenemyとしての使命があったとしても、そう振る舞わせないよう、私たちが彼らの知識・Informationを学び、知恵・Intelligenceとして扱えばいいのです。冷たい話、スパイは無能な味方より有能なので、スパイを利用するぐらいの賢さと強さを身につけられたら、最強です。


     無敵です。
     実際、無敵とは、敵対者に、敵対行為を取らせないほどに、強く、賢く、隙を見せないことによって、信頼を勝ち取り、どちらの元に着くべきなのか、相手に選ばせることを指します。
     あらゆるスパイが「日本は最高だ!」と心の友として選んでくれるようになれば、あらゆる国のシンクタンクをこちらが利用できるのです。こんなに頼もしいことはありません。


     本書で紹介された「真の日本人」になれば、
     全く騙されないどころか、
     敵はいなくなるという説は、
     まさに———私が前述した結論なのです。

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