沈黙 (集団読書テキスト (第2期B112))

著者 :
  • 全国学校図書館協議会
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レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (35ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784793381126

感想・レビュー・書評

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  • 小作品だけれど、なんだかとても身につまされる思いがした反面、ほのかに希望も見えたような気がした。

  • 人生に負けない。私もそんな人間になりたい。
    あと青木は最低。

  • 2015/01/07 読了

  • 村上春樹の短編
    『レキシントンの幽霊』収蔵

    僕が大沢さんと空港のレストランでコーヒーを飲みながら話したことが書かれている。
    大沢さんが一度だけ人を殴った話とその後の話。

    中学の初めからボクシングを習い始めた大沢さんは、中学のとき、同級生青木を殴ってしまった


    P7僕がボクシングを気に入った理由のひとつは、そこに深みがあるからです。その深みが僕を捉えたんだと思います。それに比べたら殴ったり殴られたりなんて本当にどうでもいいいことなんです。そういうのはただの結果にすぎないんです。人は勝つこともあるし、負けることもあります。でもその深みを理解できていれば、人はたとえ負けたとしても、傷つはしません。人はあらゆるものに勝わけにはいかないんです。人はいつか必ず負けます。大事なのはその深みを理解することなのです。
    ボクシングというのは、-少なくとも僕にとってはということですが、そういう行為でした。

    一言で孤独と言ってもそこにはいろんな種類の孤独があります。神経を切り裂く辛く悲しい孤独もあります。でもそうじゃない孤独もあります。そういうものを得るためには自分の肉を削らなくてはなりません。でも努力をすれば、それだけのものはきちんと返ってきます。それは僕がボクシングというスポーツから学んだことのひとつでした。

    P11僕はその頃から僕自身の世界というものを持っていました。

  • これで勉強したかった

  • 読む人自身に、それぞれの立ち位置を確認させる、
    みごとな作品だと思う。
    自分は少なくともそういったリテラシーはあるつもりだ、
    他者を傷つける可能性のある意見には、
    とりあえず慎重になってみる作法を持ち合わせているはずだ、
    しかし、その自己認識にたしかな根拠はあるのか?
    大沢いうところの人間の「深み」というものの存在を、考えさせられた。

    大沢は自分を陥れた青木と、言葉ではなく視線のみで交戦し、
    ついには「勝つ」。青木への感情は、その数分間で憎しみから憐れみに
    変化し、自身の苦悩から解放される。
    高校生にして生涯最大の苦境を味わい、
    自己との対話のみで乗り越える。
    自分の人生に「負け」なかった大沢は立派だと思う。
    (・・なんだか中学生の読書感想文みたいだな。。)

    そして村上作品には、大沢のような寡黙なペシミストがしばしば登場する。

    まわりのやつらは、無批判で、理解が浅くて、
    安易な意見に集団で踊らされる、くだらない連中。そして彼は、そんなくだらないやつらに言い訳などせず、
    沈黙をもって戦う潔い賢者なのでしょう。

    でも、賢者のクールを気取った態度がなんだかハナにつく。
    みっともなくもなれないカッコ悪さ、みたいなものを感じてしまう。
    いいじゃん、「バカ」を相手に真剣に怒っても。
    自分だってバカの集団のひとりかもしれないんだから。
    ・・・そうか!あたしは、「賢者」が一方的に設定する「境界」に、
    苛立っていたんだよね。

    (2006年12月作成レビュー)

  • (1999.01.04読了)(拝借)

    ☆村上春樹さんの本(既読)
    「ノルウェイの森(上)」村上春樹著、講談社、1987.09.10
    「ノルウェイの森(下)」村上春樹著、講談社、1987.09.10

  • 村上春樹の中でも特に現実的で印象深い作品。

  • 長崎、横浜、フランス、リヨンなどを舞台とした作品です。

  • 【青木】、【大沢】、【連中】…私は多分【連中】の一人だろう。顔を持たない有象無象の一人だろう。

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著者プロフィール

1949年京都府生まれ、早稲田大学第一文学部演劇科卒。大学在学中にジャズ喫茶「ピーターキャット」を国分寺に開店していた。
1979年にデビュー作の「風の歌を聴け」で群像新人文学賞を受賞。谷崎潤一郎賞、読売文学賞、朝日賞など数々の受賞歴があるが、芥川賞は候補に留まっただけで受賞しておらず、賞に対する批判材料となっている。2006年にフランツ・カフカ賞、2009年にイスラエルのエルサレム賞受賞。ノーベル文学賞に最も近い作家の一人と言われており、毎年の発表時期は日本国内でニュースになっている。事実、村上春樹作品は全世界で翻訳されており、アメリカ・アジアでの評価がとりわけ高い。
翻訳家としての仕事も高い評価を受け、フィッツジェラルドやレイモンド・カーヴァーなどの作品の翻訳も手がけてきた。翻訳と創作活動を交互に行うことで、作風を変化させ、いまなお作家として成長を続けている。
代表作に『風の歌を聴け』『羊をめぐる冒険』『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』『ノルウェイの森』『ねじまき鳥クロニクル』『海辺のカフカ』『1Q84』『騎士団長殺し』。

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