豹女

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794205926

感想・レビュー・書評

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  • 973モ

  • ローマに住む夫婦。30歳位。仕事でアフリカに行くことになった。会社の株主の夫婦と共に四人で。最初は行きたくないと言ってきた妻は、以前会った時に既にそのよその旦那との間にただならぬ物をお互いに感じてしまっていたのだ。最終的にそのよその旦那に妻はプロポーズされる。が、それよりも旅行前に四人で食事をした際の二人の目配せが、激しい嫉妬となっていて、以後何度も思い出しては主人公は苦しむ。その瞬間、自分の存在がないがしろにされたことに憤っており、他に二人がこっそり過ごしている事実よりも、深く突き刺さっている。

  • ❖辛気臭い作品・・と一蹴されても不思議ではない。モラヴィアらしい作というか繰り返されてきた主題というか自作のコピー作品というか(失礼)。そんな新味のない本作(遺作)だが、著者のファンである自分は惹きこまれた。この作家(著作)の本質というか特質は、「嫉妬」という負の感情(懊悩)に苛まれつつも実は相手から受けたそんな仕打ちに対して淫している風な、ある種マゾヒズムが隠されていているように思う。感情を鎮めようといろいろ思考分析するも情欲(本能)に振りまわされ裏切られる始末。谷崎文学と通底するようにも思われる。

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著者プロフィール

1907年ローマ生まれ。29年最初の小説『無関心な人びと』で脚光を浴びる。戦時中は活動を制約されるが、戦後は復活。主な著書に『めざめ』『ローマの女』『倦怠』『豹女』など。国際ペンクラブ会長としても活躍。

「2010年 『マイトレイ/軽蔑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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