記憶のための殺人 (ロマンノワール)

  • 草思社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794206237

感想・レビュー・書評

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  • <あらすじ>
    1961年パリ、アルジェリア人デモと機動隊の騒乱の中、フランス人高校教師ロジェ・ティロが機動隊員の姿をした男に撃たれて死んだ。が、その事件はほとんど捜査されることはなかった。1982年トゥールーズ、今度はその息子ベルナールが何者かに撃たれて死んだ。ベルナールの事件を捜査していたカダン刑事はロジェ・ティロ事件との関わりを疑い、過去の真実を掘り起こしていく。

    <ひとことコメント>
    表紙の写真を見てどこだかわかる人は、事件の根が何にあるのかおおよそ予測できるでしょう。1961年10月17日の事件(アルジェリア人デモに対する機動隊の一方的な弾圧)は実際にあったことで、訳者註記に詳しく説明されています。モーリス・パポンという人物についても。訳者あとがきにはデナンクスの著作が網羅されており、とても役に立ちます。

    翻訳:堀茂樹、原題:Meurtres pour mémoire

  • ロマン・ノワールと巻末の訳者あとがきにあるようにフランスのハードボイルドミステリーなのですが社会派ミステリーに近いです。

    青年が殺害された事件が二十年前のその父親が殺害された事件と結び付けられ、さらにそれらは第二次世界大戦中のナチス絡みの出来事に結び付く筋立て。
    主人公の刑事が殺人事件を追ううちに過去の忌まわしい出来事に辿り着くまでは良かったのだけれど…最後に殺された青年の恋人と結ばれるのは何だか納得がいかなかったです。
    恋愛抜きで過去の追及で良かったのでは?と思ってしまいました。
    夫と息子を同じ原因によって殺されたティロ夫人には現在の有力官僚の過去の対独協力と言う社会的には黙殺されてしまう部分も含めて真実が報告されるのかが気になります。

  • さしずめ日本でならば社会派小説と分類されるんだろう、というあとがきで納得。かたそうな物を、それでもどうにかかみ砕いていったら後味がかなり苦かった、そんな感じ。
    ある歴史の暗部を隠すために行われた殺人が、別の歴史の暗部を隠すために解明されずに終わる。
    20年後、(おそらくはそれ故に)再び暴かれそうになった歴史の暗部を秘すために行われた殺人の捜査の段階で、2つの歴史の暗部が次々と暴かれていく。
    ただ、例え暗部が暴かれても、それが大々的に公表されることはないんだろう・・・ということがあるんだよ、と言うことを暴いているっていう事ね、まさしく歴史と虚構の狭間。これ自体は物語(的虚構)だけど、ある現実的な真実を言い当てているという。
    主人公の刑事は、基本的に歴史に興味が無さそう。ヒロイン…と言い切って良いかどうか?に、歴史学専門の学生を持ってくることで、そこに興味を抱かない者と抱く者の、歴史への考え方やとらえ方の差を会話中に盛り込んでる(んだろうな)そこ、物凄く面白い。

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