パパはビリー・ズ・キックを捕まえられない (ロマンノワール)

  • 草思社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794206251

感想・レビュー・書評

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  • ものすごく変な話ですし、主人公が誰なのかわからなくなるくらい群像劇的ですし、逆にすがすがしくなるくらい登場人物が性に対して奔放であけすけですが、傑作だと思います。

    ロマン・ポリシエではなく、ロマン・ノワールだなぁ、と思います。
    解説の「ネオ・ポラールの奇蹟」はあながち間違いではないかもしれませんね(個人的にはジャン=パトリック・マンシェットのほうがそちらにふさわしい気もしますが、それは置いておくとして)。

    日本の読者が感じるフレンチミステリの「変さ」を詰め込んだような作品で、好きな方は大好きでしょうね。
    この読み味の「変さ」をなんとか言語化しようとするのが、個人的な課題だったりします。

    最高でした!

  • チョット歪んだ性癖を持つ登場人物達ばかりで、この先どうなるんだ、と読み始めは思ったけど、後半はしっかりミステリーとなってました。

  • 別に子どもは皆天使なのです、などと主張するわけでもないんだけども、子どもが悪者になるって話はなかなかに作りづらい気がして、特に10歳未満くらいの無垢な子どもと言えば必ず被害者側なんだから、こいつらが悪者役になるというとなんだかドキドキするというか背徳感があって好きなのね。まぁ今回は別に悪者ってわけじゃないんだけどもね。
    あと、このエロいシーンをくだらない表現で埋めていくのは大好き。マジでくだん表現が多くて、もう、おっさんか。後で使えるように覚えておかないと。

    というわけで、今回学んだフランス事情としては。
    ・フランス人はやっぱりバカンス第一。あー、いいなぁ、ここだけはフランス人に生まれればって思うわ。
    ・フランスと言えばデモ。そしてストライキ。
    しかしバカンスもするしストもするしで、フランスってのはやっぱ恐ろしいところだわ。

  • フランスのとある団地に集まる、主に性的に拘りすぎの感じがある人たち。
    あやうい均衡の上で成り立っていた彼らの人生が「ビリー・ズ・キック」の出現で崩壊していきます。
    伏線はそれなりに回収されて最後はきれいにまとまったとも言えるし「ビリー・ズ・キック」が事件を転がしてく様子は非常に面白かったものの、ユーモアと皮肉と諦観がごちゃまぜになったような描写に、面白さより不快が少しだけ勝りました。
    1971年作品、1995年翻訳。原著から受ける印象は分かりませんが翻訳に限っていえばブックデザインもあいまって古く感じました。

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