- Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794206381
感想・レビュー・書評
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子ども時代のトラウマに関する記憶を実際の事件などを元に解説している本。
抑圧と乖離の違いや抑圧されていた記憶がどのように蘇り、その記憶はどの程度正しいのかなど、興味深い内容ではあるんだけど、翻訳が読みにくいため、理解するのに時間がかかってしまい、途中離脱。
本当は経験していないことを、周りに吹き込まれて信じ込んでしまい、自分の記憶に置き換えられている場合は、それがどんなにつらい内容でもPTSDのような症状は全く現れないが、本当につらい経験をしたが、その記憶が抑圧されてしまい、本人は覚えていない場合では、その経験に関与するようなPTSDの症状がでるという話が最も興味深かった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
脳の自衛能力にある意味、唖然とした。そんな唖然とする脳を持ちながら生きているという現実に、不可思議さも覚えてしまう。
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こども時代に遭った様々な事件から心理と記憶の深部に触れるノンフィクション。いくつかのケースに沿って解説等が展開されますが、最も興味深かったのは封じ込められていた記憶がいつどのような時、場合によってよみがえったかということでした。読んだあと、自分にも隠された記憶があるかもしれないと思ってみたり、遠いようで身に迫るものがあります。
記憶のメカニズムや心理学などに興味が無い方も興味深く読める気がします。 -
十数年前、何かのきっかけで本書を知って、読んでみたいと思いつつ手にするチャンスを逃していたのだが、今回たまたま図書館で見つけさっそく借りてみた。
被虐待や殺人の目撃など、ショッキングな体験をした子どもが、どのようにその事柄を記憶し処理され、その後の彼らに影響を与えているか、7つの事例をあげて考察している。
事実は小説よりも奇なりとはまさにこのこと。
悲惨な体験をしてきた子どもたちを思うと胸が痛むが、人間の記憶や脳のしくみ、心のはたらきの奥深さを改めて強く感じさせられた。 -
とにかく読むのがしんどかった。
少し読んではやめ、少し読んではやめ。
それはひとえに中身が重すぎるから。
幼い頃にトラウマ(特に近親者からの虐待)を受けた子供が、
どのようにして自分の身を守るのか、
そしてそもそも記憶というものはどのように形成されるのか、
を書いた本。
しんどいです。
でも全て事実(もちろん、プライバシーへの配慮はしてある)。
幼い頃、あまりにお腹が痛くて、
「痛みって言うのは実体がある訳じゃないから、
痛みを感じないようにすれば痛くない」
ってわたしでも思ってしまったことがある。
そのくらい子供の脳みそは心を守ろうとする。
わたしは痛みを感じないように努力しただけで済んだけど、
(だってただの腹痛だしねぇ)
ひどいトラウマを持った子供たちは、
痛みを感じる自分を、自分とは別のものだと認識する。
(人格を分裂させる、忘れる、etc)
そうやって、まともに受けていては生きていかれない痛みを
やりすごし、
そして生き抜こうとするのだ。
でもいつか、抑圧した記憶が安心したときに溢れ出す。
その記憶は幸せな状態を壊していく。
やはり、人間は、その場その場でインプットされる情報を
処理していかないといきていけないのだ。
バグがいつか発生する。
とにかく、重い。 -
ある日突然、恐怖体験の記憶がよみがえる。7つの実話をもとに、精神科医がトラウマ体験と記憶のメカニズムを分析している。何十年も閉じ込めていた記憶が急に目の前に甦ってくるのだからパニックになるのは当然。
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虐待、主に性的虐待を受けた子供たちが
記憶を抑圧する現象においての考察。
主婦のアイリーンがある日見た娘の姿が
子供のころ親友で殺されたスーザンの記憶と重なり、
抑圧されていた記憶が徐々に取り戻されていく。
其れは幼い日に見た父親のレイプだった。
そして彼女はスーザンを父親が殺す場面を目撃していたことをも思い出す。 -
PTSD トラウマ体験と甦る記憶
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私自身も記憶に多少の問題があるので、タイトルに惹かれて手に取った。が、とにかくおもしろい!記憶の抑制や抑圧についての臨床例が、わかりやすく解説されている。V.ウルフやS.キングなど著名な作家たちの抱えたトラウマの研究でも有名なレノア・テア女史の語り口には、ミステリー小説のような面白さがある。心理学に興味のある人はもちろん、文学好きの人も楽しめるハズだ。
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トラウマとなるような記憶を封じこめた人々の症例を集めた本。人は思い出したくない悪夢のような記憶を抑圧するのだ、と心理学の理論は述べいるらしいです。で、退行催眠などで過去を蘇らせてみると記憶の底にはおぞましい性的虐待の記憶が…!と、本当だったら怖い話です。事実ならば。が、この本で取り上げられている虐待者である父親は、裁判で一時は有罪となるも後に無罪となったそうです。娘がありもしない記憶を思い出して父を告発する…<虚偽記憶症候群>というものが存在するのも事実らしいです。