心のおもむくままに

  • 草思社
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本棚登録 : 93
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794206480

感想・レビュー・書評

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  • 続編の「わたしの声を聞いて」は先に読んで自伝か自身の告白なのかと勘違いしたまま、あとがきを読んで自身の経験を元でのフィクションとようやくわかっての読了。最初にでたこの本を後で読んだが読書順としてこれで良しかと思う。

    相手の立場、自分の立場、関わる人々の立場で「汝自身を知れ」という言葉に動かされて書いたのだろうが自分のことのみならず、両親や祖父母に至る真実をえぐるのは書きながら過酷だったろうな。

    母としても祖母としても愛する肉親に心が伝わっていないし、無口で趣味に没頭する夫の真実も闇の中。前後篇を通して母(祖母には娘)は核がなく愚かでさまざまな思想や男性にふらふらしていたと言い切るあたり読みながらショック。
    宗教や思想が混乱してながら生きるってこんなに大変なものになるのだろうと思う。
    ビートルズにもインドの思想に傾倒した人もいるし、キリストの国にいて別な思想に取りつかれるって大変だと思いつつ、なるほどなぁ・・・

  • 老女が孫娘へ向けて書いた日記という体裁をとり、彼女の人生をたどる。苦しい生を生きた末の悔恨と思いやりと箴言に満ちている。が、自分にはあまりしっくりこなかった。

  • NHK朝の連ドラ「あまちゃん」を見て、この本を思い出した。母と娘の愛憎と葛藤。娘の子供(孫娘)との生活。この本の母と娘には悲劇的な別れと悔恨が残ってしまったけど、連ドラのほうは、まだ取り返しがつくのがうれしい。
    連ドラのセリフだが、「おかあさん、なぜ私の時は○○してくれなかったのに、孫には○○してあげるのよ!!」「・・・歳だな。」・・・開き直りと少々の後ろめたさと。今思えば娘にもそうしてやればよかったのにその時はできなかった。そういうことってある。

  • 「自分をもつ」ということ。
    木のようにしっかりと根を張って生きるということの大切さを、
    孫に語ろうとする、彼女の語りは、説教地味てなどおらず、
    ただひたすら愛情が感じられて、愛しいのです。

  • 「人生で一番大切なのは、自分らしくいること。それは、教えられてできることではないんだよ」
    これ、どこで読んだっけ。

  • 孫娘に何通もの手紙で祖母がかたりかける形式のこの本は
    孫娘の母親(すなわち祖母の娘)がどういう人物であったのかが
    読み進むにつれて明らかになる。
    日本でもそうだがイタリアでも祖母の時代と、今の時代は大きく異なる。
    何に気を配り、どのように生きていくかというときに心も持ちようというものはとても大切なことだ。
     世界中の女性が涙した と草思社のホームページにあるが、ちょっと言い過ぎ。女性が書いた女性向きの本であるかもしれないが、男性も読んでもよし。
    日本の作家でタマーロに似た作家が誰かがすぐには思い浮かばないが
    吉本ばななあたりがあと10年くらいしたらこういう作品を書くかもしれない。

  • タイトルにひきつけられた。内容はおぼろげ、女性の生き方を書いてあったように思う。
    中学生だったかな。窮屈にしか生きられなかった私を解放してくれた。
    「心のおもむくままに」生きたらいいんだ。

  • 母子の葛藤を延々と書いた小説。
    作家が精神性を重視する人で、深く掘り下げてるので重い。
    でも内容が詰まっている。

  • ずっと前から自宅にあったが、なかなか読み進めていなかった本。少し哲学的な内容も含まれた本であったが、読み始めてみるとなかなか面白く、先が知りたくてどんどん読んだ。うつなどという状態は、本当に健康な人間にもいつでも起こうる紙一重の状態だと以前から思っているが、それは日本に限らず世界でも共通なのかなと思った。育つ環境の大切さも、子供の感性の鋭さもなるほどと思った。

  • スザンナ・タマーロを初めて知った作品だった。祖母が孫に語りかける手紙口調ですべて書かれていた。あんまりいい感じの文体だったので、最初の5ページくらいを自分のノートに書き写した記憶がある。
    祖母と孫の間にある「母」の存在についてが中心なのだが、女であること、人間であること、生きることをしんしんと考えさせられた。

    違う国でも、感性は一緒なんだ、と思った。できれば原文を読みたいが、敵わぬ夢。

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