マルコ・ポーロは本当に中国へ行ったのか

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794207890

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  • ・『東方見聞録』は「旅行記」にあらず。地誌、ガイドブックのようなもの。

    ・マルコ・ポーロがホラ吹いたか、ルスティケロ(共同執筆者)が話を膨らませ過ぎたか、のちの何人かの写本者が誤ったか、そしてその全てか。

    ・マルコは黒海とコンスタンティノープル以東へはまったく行っていない。すなわち中国入りしていない。勿論インドや東南アジアにも。

    ・父と叔父はカラコルム(モンゴル)までは間違いなく行っている。

    ・万里の長城、纏足、茶、箸への言及が無いのはかなり不自然。

    ・マルコ自身が主張する中国での実績に対し、中国史側にマルコらの存在を示す記述が全くない。

    ・マルコらの足跡を実際に辿ろうとしても物理的に不可能、色々とおかしい。

    ・ヴェネツィア帰国後、重要な任務や功績があったと述べるマルコらに公式な栄誉が一切ない。

  • マルコポーロは、中国に行ってないのではという話。
    仮説の内容はともかく、自分は東方見聞録について何も知らなかったので、歴史の勉強になった。

  • 1997年刊。東方見聞録の著者マルコ・ポーロは、元のクビライ・カーンと面識があるなどの主張をしていたが、その主張・記述内容の欺瞞性を暴こうとするもの。個人的には、マルコの中国訪問の信憑性には興味がない。その記載事項が、どの程度真実を照射しているかに主たる関心があり、その限度でマルコの実見した内容に関心があるだけ。もっとも、本書からは、明・清朝期で多数の遺物が破壊され、具体的な信憑性ある事実の特定は至難であることがわかる。むしろ、東方見聞録が当時の西洋社会に与えたインパクトこそ意識すべしとの認識に至った。
    西洋の中世史、西アジア史の理解を必要とする感があり、再読すれば印象が変わるかもしれない。
    その他、東方見聞録のゴーストライターの存在、ないしは共著の視点は新奇で興味深いところ。

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