借りのある人、貸しのある人

  • 草思社
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本棚登録 : 95
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794208163

作品紹介・あらすじ

どんな人を信頼し、どんな人を警戒すべきなのか?不安の時代を生きぬくすべを教えてくれる、現代人のバイブル第2弾。

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに自己啓発(?)系を手に取ってみる。

    社会人になって学生の時とは読みたい所が少しずつ変わってきたので、こういう少し古いくらいの自己啓発でも、感心して為になるなと思うところがあります。

    周りは競争心があり、友好的ならそれでいいと
    のらりくらい生きてきた私は凹んで、
    学生の時から、困ったら書物に助けてもらうの癖から本書をとりました。
    やっぱり書いてあるから、私の凹みは浅くて、よくあることなのだなぁと安心しました。

    本はいいなと改めて感じさせてくれる一冊でした。
    人に悩みを打ち明けると広まったり、いらぬ心配を持たれるけど本なら一人で静かに解決するから安心、安全。

  •   古本屋の100円コーナーにビニールで封がしてある状態で売っていたので、小説かと思って買ったらちょっと違った。
      “押し付けがまし人”“悪に染まりやすい人”“ねたむ人”など人間の持つあらゆる特徴によって章が分かれていて、それぞれの行動の裏に隠されている心理状態などが丁寧に掘り下げられている。 最初はこれを解説されても意味がないと思いながら読んでいたけど、筆者が人間の心理をつくことにかなり長けていることに驚き、中にはん?それは考えすぎなんじゃない?と思うこともあったがおもしろく読めた。
     さらっと読んだだけなので、内容を忘れているから、もう一度パラパラめくって気づいた部分をメモしてみようと思う。

    “人を選ぶ目のある人”
     「以上のことを総合すれば、選ぶ目のない人すべてがもっている欠点は見栄であり、目のある人に共通した長所は警戒心であるということがわかる」

    “仮面をかぶる人”
     「学んで覚えた行動は、自分自身の一部になりきれていない場合が多い。その人の人柄とうまく調和がとれていないのである。そうすると、ただの外皮とか、衝動を隠す仮面とか、元来の人格を守るための鎧の役目しか果たさない。仮面はときとして、内面とはまさに正反対の人間を演出することさえある。貪欲な人が、よくの深さを隠しながら、気前よくふるまってしまうのは、本当は相手に自分を売り込みたいからで、感謝されないと気がすまない」

    “すべてを明日に延ばす人”
    「要するに大事なのは、やっかいごとや心配ごとも引き受けながら、目の前の現在を精一杯生きるということだ。そうしながら、自分の中に瞑想し自省するゆとりも残しておく必要がある。つまり、社会の内にいながら外にいるということである(★)。内にいるのは、考えたり闘ったり模索したりする刺激を受け取るためである。外にいるのは、社会にからめとられてしまわずに、むしろ能動的にはたらきかけるためである」

    “偏見にとらわれる人”
    「属していた仲間のもつ偏見から解放されてみると、味気なく頭も空っぽなでくの坊だと思っていた著述家が、じつは完成も経験も豊かな人間だったと、再認識する場合もある。すると、。視野がひろがり、気分も軽くなり、呼吸まで楽になったような気がする。それは、私たちがより自由になったからである」

    “破れて本性をあらわす人”
    「恋をしている二人は、まるで別人のようである。どちらも相手の注意をひき、気に入られ、評価されたい。だからすすんで自分を変えようとする。中略  愛はものごとを変化させる革新的な力ではあるが、それにも限界がある。「変換不可能点」ともいうべき限界である。熱烈だったころはかいま見える程度であった、人格の決定的な一面、奥深くからの欲求が、安定期に入ったとたんにむくむくと頭をもたげてくる」

    “和解がしにくい人”
     「彼らはこちらからの友好のサインを弱さのしるしだと解釈する。にこやかに微笑みを返してはくれても、攻撃性はしっかり隠しもっている。こっちが腰抜けだと確信しているから、次にはなおさら強く出る。こういう連中とはうわべだけの和解しかできない。 こっちが下手に出れば出るほど、押しの強さをむきだしにする」

    “敵意をもつ人”
     「敵意のサインのひとつは、けっしてほめないことである。友だちが有能な人ならみんなの前でもちあげる。よく知っていてしばしばあったり、友だちのつもりでいる人でも、そうしたことをただの一度もしないとすれば、怨恨を隠し持っている証拠である。」
     「友だちの悪口を言ったり、親しいものの陰口をわざわざつげにきたりするやからは、警戒したほうがいい」


    “ダイナミックな人”
    「ダイナミックな人はだれでも、過去は捨てて自分を変え、自分の夢を実現できると思っている。これは、やってやるぞ、という精神の姿勢にもかかっている。受身の姿勢で社会と向き合い、過去を捨てて前向きに生きることもせず、全力で向かっていこいうともしない人は、軽蔑すべき怠けものでもある。そんな人は何ひとつ手にできず、ひたすら嘆くばかりである。ダイナミックな人は意志と行動の人である。スタティックな人は無気力で要求だけがやたらに多い。前者を動かすのは野心であるが、後者のほうは怨恨に支配される。前者は成功への道を進むが、後者には敗退と破滅への道しかない」

    “自己を実現できる人”
    「行くべき道を教える目に見えない指針をとらえるには、もうひとつのサインにも注意する必要がある。われわれの内的世界が発する、航空機の無線標識のようなサインである。それから遠ざかりすぎると、航路を見失ってしまう。それでは、そのサインとはどんなものだろう。私たちは、なりたい、あるいは、なれるかもしれないと尾p持っているような人に出会ったときには、ねたみなどは感じない。、それどころか、魂を奪われるような賛嘆の念に満たされる」

    “失敗してもくじけない人”
     「どんな失敗も挫折も、私たちのすべてにかかわるものではない。それはあくまでも計画のひとつ、恋愛のひとつ、夢のひとつの挫折にすぎない。そして私たちは、たとえ自覚していなくても、計画だの希望だの以上の何かなのである。
    中略
    癒すのは時ではない。私たちを解放するのは失敗そのものなのだ。これは恐ろしくも不思議な現象である。深淵の底で自我が解体しながら、それまでなくてはならないものと考え、全力を注いできたものごとの呪縛から開放される。ほかの生き方もあるのだと気づかされる。何もかも失った状態が、こうして再生への扉となるのである」

    “再出発できる人”
    「起こりうる困難はおおげさなほどに見越しながら、けっして恐れずに切り抜けることだけを考えるのだと自分に誓わねばならない」
    「柔軟性。使うべき手段やとるべき道は、現実に合わせて少しずつ変えていく必要がある」

    “何でも忘れてしまう人”
    「いくつもの役割を後から後から、あるいは同時に引き受けるすべを身につけ、過去などはきれいさっぱり忘れている。慢性健忘症である。
    中略
    現代人のそれも超多忙な活動家のもつ危険は何もかも忘れてしまうことにある。しまいには自分がだれなのかも、自分の歴史もはたすべき責任も忘れてしまう」

  • <本文より>
    大事なのは、やっかいことや心配ごとも引き受けながら、目の前の現在を精いっぱい生きることだ。そうしながら、自分のなかに、瞑想し自省するゆとりも残しておく必要がある。
    真の意味での老化とは、希望も自信もなくしてしまうことだからだ。本当の老化は、夢も見ず、自分の可能性にも見切りをつけたところからはじまる。人生は、情熱であり欲望であり、かいま見えるだけで手に入れていないことへの、渇望であるはずだ。無に向かって走り、自分の創造力でそこを満たすことである。予測できず、変化に富み、絶えず新たに生まれ変わるものなのである。
    ――
    抜粋した部分は、前向きな部分であるが、この本は、基本的に事実を突き付けてくる怖い本である。世の中には、借りのある人と貸しのある人があり、借りのある人とは、他人のためにもてる力を惜しみなく使っても、それでもまだまだ足りなくて、十分やったという気がしない人である。一方、貸しのある人とは、他人が何かしてくれてもそれは当然のことで、それどころかまだ足りないくらいだ。貸しはいつまでたっても無くならない人である。
    さて、あなたは、いつまでも貢ぎ続ける 借りのある人だろうか? それとも、いつまでも貰いつつける 貸しのある人であろうか? 損なのは、借りのある人で、得なのは、貸しのある人であるが、あなたは、それで良いのですか?

  • いろんなタイプの人がいるよという本です。そこから、何を?という感じでした。

  • いろんな人がね。

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