タスマニア最後の女王トルカニニ

著者 :
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210043

作品紹介・あらすじ

19世紀初め、一攫千金の野望を胸に、オーストラリア・タスマニア島に渡ったロンドンの貧しい煉瓦職人ロビンソン。タスマニア人のなかに難なく溶け込んだ彼は、高額の報奨金を得るべく、「フレンドリー・ミッション」を組織し、「融和」の名のもとに原住民の囲い込みに励む。旺盛な好奇心ゆえに彼のミッションの水先案内をつとめた島の少女トルカニニは、はからずもタスマニア人絶滅に加担し、みずから最後のタスマニア人として、波瀾の生涯を終えた。運命的に出会った二人の足跡をたどり、大英帝国に未曾有の繁栄をもたらした植民地政策が引き起こした「楽園の島」の悲劇の全貌を明らかにした異色の歴史読み物である。

感想・レビュー・書評

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  • 今からほんのわずか145年前の1876年5月8日に、今のオーストラリア・タスマニア島の最後の原住民の女性トルカニニさんが亡くなり、この地球上の一つの「人種」が滅びました。

    とても残酷、非情、無情な、とても気分が悪くなり、怒り、憤る内容の話の本です。

    ただこうした本は日本や世界中で出版されているのでしょうか?
    ジョージ・オーガスタス・ロビンソン - ウィキペディア(1791 年 3 月 22 日 – 1866 年 10 月 18 日) は、英国生まれの植民地役人
    先頭になったこのロビンソンをはじめとした白人の連中共たちのことを告発するためにも、日本や世界中で出版されるべき内容の本です。

    つくづくと外国人たちなんかは全く信用ができなくて、警戒しなくてはいけないなと強く人間不信になってしまいました。

    歴史は勝者の歴史ともよく言われます。
    そしてたとえその人がどんな運命の人生を生きようとも、全てが自己責任だとも言われます。

    ですがイギリス人たちは一体何様のつもりなのか?
    タスマニア人の最後の男性が亡くなり、その遺体をバラバラに切り刻んだりとかの、タスマニア人の人間性を完全に否定する、タスマニア人のことを同じ人間として尊重しないイギリス人の異常な人間性の話も知りました。

    ロビンソンをはじめとする白人たちの、原住民たちのことを同じ人間として接しない、とても差別的な、白人の白人のためだけの一方的な都合の良い、調子の良い自己正当化の残虐、狡猾、悪逆非道な行動の数々。

    この本のお話は日本人にとっても他人事ではないと思います。

    われわれ日本人も縄文時代から続いてきている、こうした世界中の原住民・土人達の一つにしか過ぎないのではないのかとも思わざるを得ませんでしたし、そうしたアジアの一つの原住民・土人の民族、国民だという謙虚な意識、危機感を持ったほうがいいとも思いました。
    少なくとも欧米人やオーストラリア、ニュージーランド、周辺国の連中共たちからはそう思われて、見られているのだと思います。

    そしてこの本を読んで、欧米、特にイギリス人、オーストラリア人、ニュージーランド人のことがとても大嫌いに、嫌悪感を持つようになりました。

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著者プロフィール

1942年生まれ。上智大学卒。海外ガイドブックなどの取材、編集歴30年、訪問国と地域は100以上。『ケルト紀行』(JTB)、『ショショニ族の魂』(筑摩書房)、『鎖国をはみ出た漂流者』(筑摩書房 )、『タスマニア最後の女王トルカニニ』(草思社)、『異国船漂着物語』(JTB)『探険と冒険の物語―世界をどう変えたのか (岩波ジュニア新書 650) 『女たち。まっしぐら!』( 冨山房インターナショナル)など著書多数。

「2012年 『ケルト物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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