銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

制作 : 倉骨 彰 
  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210050

感想・レビュー・書評

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  • 今現在、この世界では富が偏在していることは明らかである。
    なぜヨーロッパ(ユーラシア大陸)で文明が発展し、その他の地域を植民地にすることができたのか。
    その理由として各地域に住んでいる人の生まれ持った能力の差ではなく、その住んでいる地域の環境的要因が大きいと著者は主張する。
    つまりユーラシア大陸が世界で最も発展した(18、19世紀において)理由として
    ①食用として栽培可能な植物、家畜化可能な動物が多かった。
    ②東西に長い大陸のため、それらが家畜化栽培化されたものが伝播しやすかった。(他の大陸では南北に長く環境の変化が大きかった)
    ③上の二つの理由により人口が他の地域に比べて多くなり、家畜から人への病原菌が生まれる。そしてそれらに対する抗体を手に入れる事ができた。

  • 推薦理由:
    科学技術や生活の豊かさ、文明の進歩の度合いが国や民族によって異なるのはなぜなのか。
    氷河期の終わりから現代までの1万3千年の人類史を、分子生物学、進化生物学、生物地理学、言語学、考古学、文化人類学などの広範囲な研究結果から考察することによって、人類社会の歴史が異なる場所で異なる発展をとげてきた謎を解き明かしていく。1998年度ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作、また、朝日新聞社ゼロ年代の50冊ランキングでも1位となり、多くの大学で学生たちへの推薦書として取り上げられているという。

    内容の紹介、感想など
    現代の世界では、ユーラシア大陸系の民族やユーラシア大陸から北アメリカへの移民の子孫たちが世界の富と権力のほとんどを独占し、豊かな暮らしをしている。アメリカ先住民やオーストラリアのアボリジニ、アフリカの人々などは、なぜ文明に立ち遅れたのだろうか。欧米の白人や我々日本人が好んで考えがちな、「先進国の人々は、文明が進んでいない民族より生物学的に優れた人種だから」という答えは、しかしその証明に成功した研究者は未だいない。著者は、この人種差別的な考えを真っ向から否定し、進化生物学や地理学などの様々な分野からのアプローチで、「異なる民族がたどった歴史の多様性は、民族のおかれた環境の差異によるものであり、人々の生物学的な差異によるものではない」と結論付ける。
    ヨーロッパ人がアメリカ大陸やオーストラリアの先住民を征服して入植し、ユーラシア大陸や新大陸で豊かな文明を築いたのは、先住民が持っていなかった「銃・病原菌・鉄の武器」を持っていたからである。特に、ユーラシア大陸から運ばれてきた病原菌は家畜由来のものであり、免疫が無い先住民の人口を入植先の世界各地で激減させたという。病原菌で命を落とした先住民は、ヨーロッパ人の銃や剣の犠牲になった者よりはるかに多かったとは驚きだ。
    では、「銃・病原菌・鉄」を持つ民族と持たない民族の差異は何なのか。著者は、それこそ人々が置かれた環境の差異であるとして、約700万年前にアフリカで誕生し、異なる時期に異なる大陸へと住み始めた人類がどのような歴史をたどったかを様々な面から詳しく述べながら、環境の差異が文明の発展や伝播にどのように影響したのかを検証していく。
    環境の差異として、家畜化や栽培化が可能な動植物の分布状況や、それらを入手すれば稠密な大規模集団が形成され、技術面、政治面、軍事面での有利につながる事、また、農作物、家畜、技術、言語などの伝播の容易さ(ユーラシア大陸などの東西には伝播しやすいが、アメリカ大陸やアフリカなどの南北に伝播するのは難しい)などの様々な考察に目を見張る思いで読み進めてしまう。上下巻で読みごたえがあるが、是非薦めたい作品である。

  • 大作。人類史の謎ってほどじゃないかもしれないが
    そのロジックに感銘

  • 現代社会の不均衡、富と権力の格差の究極的な原因は、自然環境にある。

    これだけ聞くとよくある環境決定論のように思うが、人類誕生から眺めやる巨視的な視点、多岐に渡る学問の知見を集約する学際性、膨大な事例とデータの紹介によって論を展開する本書は、凡百の主張とは説得力が違う。

    何より読者の好奇心をくすぐる問いかけの仕掛けが見事で、まるでミステリー小説のようにあっという間に読ませてしまう点もこの本の魅力。

    感想詳細→http://takatakataka1210.blog71.fc2.com/blog-entry-28.html#more

  • ビジネス書では学べない自社の競争優位が欲しい
    POINT
    競争力は、人種の優劣ではなく、環境が左右する
    自分にあって、競争相手にない“銃・病原菌・鉄”うぃ探す
    いくら環境に恵まれても、大きな判断ミスは致命的

  • ツイッターで勧められたので購入。ゲーム「シヴィライゼーション」を思い出さずにはいられない。科学的な手段で調査して書かれた比較?人類学の本。人類が文字などで残そうとした歴史以外にも、あらゆる調査手法を使うと、残す気のなかった歴史っていうのも見えてくるものなんだな、と思った。

  • あまりの読みやすさに、逆に不安を感じて放置してしまっていた本。改めて読み直してみると大人気が示すように非常に面白い本。

    論考はすべて詳細にわたっていて、その分冗長に感じる人もいるかもしれないけれど、読み終わった後にまた資料としても楽しめるという意味で何度でも楽しめそう。

    尚、125ページの図は本書全体での主張をまとめた図としてわかりやすい。

  • 訳の都合なのか、原文がそうなのか、とても回りくどい言い方をしている場合がある。内容はためになる。

  • より正確を帰そうとして、さまざまな事例を詳しく挙げて説明しようとする筆者の意図はわからないでもないが、読み物としては、時にそれが煩わしく感じられる部分もある。
    インカ帝国がスペインに征服されるシーンなど、まるで映画を見ているような部分もあるのだが、全体的に学術論文を読んでいるような印象で、優れた知見に思わずアンダーラインを引きたくなるようなところは、残念ながらあまりなかった。もちろん、読み手の短慮も手伝ってのことである。

  • e・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

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著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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