銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

制作 : 倉骨 彰 
  • 草思社
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レビュー : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210050

感想・レビュー・書評

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  • 非常に興味深い内容であった。しかし、毎回疑問形で入り、いや⚪️⚪️だから。というように入る形式には慣れなかった。同じ文章が何度も入るのもストレスで書き方には改良が必要と感じた。しかしながら日本列島の奇跡には驚かされる。ユーラシア大陸の東の島国でありながらここまで発展したのは、ユーラシア大陸の東の島国だからであるのだろう。本州が北海道や沖縄の位置にあったならば世界は変わっていたと思うと面白い。

  • 今僕は洋風の椅子に机、流れているのはジャズ、広々とした店内、そして客はその全員が洋服を身にまとっている。そんなよくあるシアトル系カフェにいる。こうしてみると我々の周りはほとんどが西洋の文化で占められているようにみえる。食生活すらハンバーグにスパゲティで日本にいることを感じさせているのは人種、言語、文字、そして僅かな和食とブランド化した伝統工芸位だろうか。

    どうして現在の世の中がここまで西洋文化中心になったのか。ヨーロッパ人が人種として優れているからだろうか、アングロサクソン人が長期的な計画をたてることに優れているからだろうか。

    本書はこの問いに対して否ということを豊富なデータとわかりやすい解説とともに説いている。物語の初めは1532年、スペイン人がインカ帝国を征服したところから始まる。この出来事は分断されていた二大陸の文化、文明が初めて衝突した出来事だ。スペイン人が勝てた直接的な原因はスペイン人が銃を持っていたこと、優れた鉄製武器を持っていたこと、そしてスペイン人が持ち込んだ病原菌に新大陸の人々が免疫を持ち合わせていなかったことだ。しかし筆者はさらに根源的な原因は何かを考察する。つまりそもそもここまで文化、文明度の差が出来た究極の原因は何かということだ。


    本書は数年前に書店の店頭にたくさん並べてあって気になっていたのだが、その厚さと値段に手が出ず忘れていたところ…先日ある方に貸して頂けることになり読み始めた。ところこれがとても面白いもので幾分科学的、専門的ではあるが教養書として十分読むことが出来るものだった。著者のジャレド・ダイヤモンド氏は医学、進化生物学、分子生物学、生物地理学、考古学、人類学、言語学などにとても精通しているようで、多彩なそして多岐に渡る視点から考察を加えている。


    本書の上巻は主に自然的要因によって人間集団にどんな差が出来たかを検証する。著者の言う最も究極の要因は大陸が東西に長いか、南北に長いかである。さらにこの要因により古代人が食用として得られた植物種や家畜の差が生まれた。さらに食料の生産能力が人口の増加に大きな影響を及ぼしたことを示している。

    下巻では文化的要因に言及する。人類がどうやって文字を作ることができたのか、多くの発明がどうやって生まれてきたのかだ。そしてこれらの創造には多くの人口を持つ社会形態である”国家”が誕生する必要があったことを示す。国家ができるためには多くの人を養わなければならず食料生産能力が重要だった。

    このように地理的、自然的要因が発明の発生、発達の可能性を上げ、これらのファクターに関してヨーロッパが他の地域に比べて一歩リードすることが出来たことを示す。我々の現在の地域差、文化差は決して人種の優劣で決まっているわけではないのだ。

    本書は人類13000年の歴史を駆け足で、そしてわかりやすく紐解いた良書である。多くの人の知的好奇心を満たすこと請負である。古代から近世の人類の試行錯誤や苦難に想いを馳せ、現在の生活に息づいているその片鱗を知ることで世界がより鮮やかに見えてくることだろう。

  • 現代の世界を西欧世界が実質支配している理由をタイトルのとおり考察していく本。
    上巻は「病原菌」。ただ、読むと「栽培可能植物」「家畜」もタイトルに入れなきゃアカンのではと思う。

     銃と鉄が出てくる(だろう)下巻を読むのが楽しみですが、この巻で飽きてしまう人が出るのもしょうがないかなとは思います。くどいっちゃあクドイ。それは半分論文みたいなもんだからしょうがないので、流し読みすればいいと思います。普通論文なんて流し読みで、必要な部分だけ抽出して読むものだから。
     この本はとても読みやすく感じた。論理がすっきりしていたから。長々と修飾に修飾を重ねるような表現も少なくてよい。ただ、だからか学生の上手くまとめた論文を読んでいるかのようにも感じた。それが欠点かと言われればそうでないけれど、率直な感想として。物足りなさを感じる人がいるかもと思う。


     感染症について出てきて思ったことは、この過密都市「東京」は大丈夫なのかという懸念。
     これから来るであろう大震災でもっとも恐れなければいけないのは、「感染症」ではないだろうか?これだけの人口が集中している場所で、公衆衛生が維持できるわけがない。また、昨今の除菌ブームで免疫力の落ちているだろう都会人はどうなってしまうだろうか?
     この本で出てきた「病原菌」による新世界の先住民の絶滅は、現代の東京に住む人々にとって看過できない歴史的事実だと思いました。
     だからどうすればいいのかって言われると、、、教師になったら生徒に教えようと思います。あと、非常袋に感染症予防の何かを入れられるように勉強しようと思います。

  • 13,000 年前に最終氷河期が終わった時点で、
    世界各地に分散していた人類がよーいドンで展開する、
    各大陸ごとの人類史。
    関連分野は多岐にわたるが、
    ダイアモンドさんは上手く読ませるものにまとめておられる。
    すごい人だ。
    次は下巻を読む。

    1998 年 ピューリッツァー賞一般ノンフィクション部門受賞作品。

  • なぜヨーロッパがアメリカを侵略し、アメリカがヨーロッパを侵略しなかったのか。歴史上生まれた文明の差を、農業の始まりから考える本。作物や家畜の違いや大陸の形から、格差が生まれた理由を浮き上がらせていく。

  • 「何故世界は、富と権力が現在のような不均衡な状態になったのか?」という質問に答えるために書かれた本。
    ユーラシア大陸で何故、野生動物の家畜化、農耕向きの穀物改良が進んだのか、それが周辺国に広がったのか、疫病への抗体が作られたのか、人口が増えたのか、科学的に検証している。

    例えば狩猟採集民族より農耕民族の方が子供を産んで育てるスピードが早く、後者が人口面で前者を圧倒していったという解釈は面白い。

    そして、冒頭の問いに対しての帰結として、銃、病原菌、鉄が回答になっている。

    著者プロフィールを見たら、生物進化学、生物地理学まで広く扱う医学部の先生。確かに疫病のメカニズムと農作物の遺伝改良の説明が歴史本にしては細かかった。。。笑

  • ピューリッツア賞受賞の名著とされているのだが、あまりに冗長で読みにくい。繰り返しが多いため、どんどんスキップして読むことになる。これを普通に読んでいらいらしないというのはどういう読者だろう。毎日少しずつ読むことが想定されているのだろうか。
    肝心の主張も、ちゃんと論証されているのか、ただ繰り返されてるだけなのかわからなくなってきかねない。
    ユーラシア大陸では農耕の伝播が速く、それが文明の発展の差になっていったが、それは東西方向に広がる大陸の形のためだとする説にもそのためか説得力が感じられない。
    彼のフィールドであるポリネシアの話は説得力もあり面白い。
    それぞれの島がほぼ孤立して発展してきたポリネシアでは、比較研究により、歴史(文明史)にも科学的な論証をもちこめるかもしれないが、人類史全体にそれを行うのは、比較するものもなく、再現実験もできないのだから無理なことである。

  • 本著は1998年度のピュリッツァ賞を一般ノンフィクション部門で受賞。さらに、ゼロ年代に発行された本の中から識者151人が選んだ、もっともすぐれた本ベスト50冊に入っているそうです。

    世界の各大陸でいかに文明が発達し、なぜ消滅することになったのかを膨大な知見で解き明かします。

    世界各地で似たり寄ったりの狩猟採集生活からいろいろな経路をたどって栄えていく。結果大陸ごとに差異が生じ、文明の衝突時にその格差が明確な差を生んだ。タイトルでもある「銃・病原菌・鉄」の有無が大きな分けれ道になったことを様々なケースで説明。

    知的好奇心をくすぐる、なかなか面白い書でした。

  • 人類史について興味深く読み進めることができる本でした。
    ただ、ちょっと長かったです。

  • 2013.10.06 M氏よりレンタル)

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著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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