銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

制作 : 倉骨 彰 
  • 草思社
4.03
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本棚登録 : 3360
レビュー : 343
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210050

感想・レビュー・書評

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  • ゼロ年代の最重要歴史書。

    西洋人がニューギニア人を征服し、ピサロがインカを征服したのに、なぜその逆は起こらなかったのか、について地理的な要因から考察した本。この本の新しさは、人間の技術的な進展の背景にある条件について語られているところにあると思う。作者が語る要因は、そのどれもが非常に納得できるもので、「世界史」という構築が難しくなった分野を新しく生まれ変わらせることにも繋がった。

    小説を書いている身としては、ファンタジー小説の世界観を作る場合、この本を読んでいるときと読んでいないときとでは、天と地ほどの開きが出てくると思う。普段何気なく生きている世界にも条件があって、その条件下で栄枯盛衰があるのだと気付く。面白いエピソードも満載だし、単純に読み物としても面白い。

  • 今年読んだ中ではナンバー1。
    かなりくどいけど、中身は素晴らしい。

  • 教科書からの通り一遍の知識しかなかった私にとっては、目から鱗が落ちる経験だった
    征服って言うのかな、これって
    9割以上の先住民を殺してしまって

  • 面白かったです。世界史の勉強もここまで掘り下げて教えてくれたら、もっと好きになれたかもしれないと思います。内容は125ページの表にコンパクトにまとまってます。
    以下備忘録。

    現代社会の不均衡を生んだ各大陸間の格差➡紀元前1万5,000年〜西暦1500年の発展の違いの差

    植物の品種改良➡農耕生活➡人口増加➡非農民の出現、軍人、役人、職人

    家畜できる動物の有無
    家畜➡伝染病

  • 人類史、とひとことで括れない壮大な内容。
    この感動を伝えたいのに、言葉足らずで伝えられないのがもどかしい・・・

  • ある人にススメめられて、堅そうな内容だなぁとか思いながら読んだら、すっごく興味深くて楽しかった!上巻では、人類史を人類の大陸移動経路や食料という観点から説明しています。
    私は特に農耕と狩猟について書いてあるところが好き。日本史だと、縄文=狩猟で、弥生=稲作(農耕)なので、弥生時代の方が進んでいてスゴい、という説明になりがち。けれど、世界には狩猟→農耕→やっぱ狩猟と戻った民族もいて、農耕が全世界を通じて優れているわけではないということに目からウロコ。

  • 推薦理由:
    科学技術や生活の豊かさ、文明の進歩の度合いが国や民族によって異なるのはなぜなのか。
    氷河期の終わりから現代までの1万3千年の人類史を、分子生物学、進化生物学、生物地理学、言語学、考古学、文化人類学などの広範囲な研究結果から考察することによって、人類社会の歴史が異なる場所で異なる発展をとげてきた謎を解き明かしていく。1998年度ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞作、また、朝日新聞社ゼロ年代の50冊ランキングでも1位となり、多くの大学で学生たちへの推薦書として取り上げられているという。

    内容の紹介、感想など
    現代の世界では、ユーラシア大陸系の民族やユーラシア大陸から北アメリカへの移民の子孫たちが世界の富と権力のほとんどを独占し、豊かな暮らしをしている。アメリカ先住民やオーストラリアのアボリジニ、アフリカの人々などは、なぜ文明に立ち遅れたのだろうか。欧米の白人や我々日本人が好んで考えがちな、「先進国の人々は、文明が進んでいない民族より生物学的に優れた人種だから」という答えは、しかしその証明に成功した研究者は未だいない。著者は、この人種差別的な考えを真っ向から否定し、進化生物学や地理学などの様々な分野からのアプローチで、「異なる民族がたどった歴史の多様性は、民族のおかれた環境の差異によるものであり、人々の生物学的な差異によるものではない」と結論付ける。
    ヨーロッパ人がアメリカ大陸やオーストラリアの先住民を征服して入植し、ユーラシア大陸や新大陸で豊かな文明を築いたのは、先住民が持っていなかった「銃・病原菌・鉄の武器」を持っていたからである。特に、ユーラシア大陸から運ばれてきた病原菌は家畜由来のものであり、免疫が無い先住民の人口を入植先の世界各地で激減させたという。病原菌で命を落とした先住民は、ヨーロッパ人の銃や剣の犠牲になった者よりはるかに多かったとは驚きだ。
    では、「銃・病原菌・鉄」を持つ民族と持たない民族の差異は何なのか。著者は、それこそ人々が置かれた環境の差異であるとして、約700万年前にアフリカで誕生し、異なる時期に異なる大陸へと住み始めた人類がどのような歴史をたどったかを様々な面から詳しく述べながら、環境の差異が文明の発展や伝播にどのように影響したのかを検証していく。
    環境の差異として、家畜化や栽培化が可能な動植物の分布状況や、それらを入手すれば稠密な大規模集団が形成され、技術面、政治面、軍事面での有利につながる事、また、農作物、家畜、技術、言語などの伝播の容易さ(ユーラシア大陸などの東西には伝播しやすいが、アメリカ大陸やアフリカなどの南北に伝播するのは難しい)などの様々な考察に目を見張る思いで読み進めてしまう。上下巻で読みごたえがあるが、是非薦めたい作品である。

  • 大作。人類史の謎ってほどじゃないかもしれないが
    そのロジックに感銘

  • 現代社会の不均衡、富と権力の格差の究極的な原因は、自然環境にある。

    これだけ聞くとよくある環境決定論のように思うが、人類誕生から眺めやる巨視的な視点、多岐に渡る学問の知見を集約する学際性、膨大な事例とデータの紹介によって論を展開する本書は、凡百の主張とは説得力が違う。

    何より読者の好奇心をくすぐる問いかけの仕掛けが見事で、まるでミステリー小説のようにあっという間に読ませてしまう点もこの本の魅力。

    感想詳細→http://takatakataka1210.blog71.fc2.com/blog-entry-28.html#more

  • 現在の富の偏りはなぜ?という疑問が氷解。人種的なものは関係無いんだと説得力ある論証。アフリカはもともと黒人だけが多く住む大陸ではなかったことも驚き。

著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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