銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210067

感想・レビュー・書評

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  • ジャレド・ダイアモンド博士第二弾。

    先の「銃・病原菌・鉄」が示唆に富み、知的好奇心をくすぐる内容であったため、長編発表論文の第二弾の本著をすぐさま読んでみました。

    本著は文明が崩壊していくメカニズムに焦点を絞り、様々な時代・場所・環境で様々なプロセスを経てゆく滅亡を多角的に詳述しています。

    最盛期には滅びなど誰しも気づかないですが、勃興さの由にこそ衰退の理由が潜みます。

    また明白に衰退しつつあるにもかかわらず、人は文化的要因に束縛されてしまい滅亡を止められない。
    イースター島でモアイを部族ごとで競ったから森林伐採に歯止めが係らなかったにもかかわらず作り続けた。
    グリーンランドに植民したノルウェー人は頑なに漁食を拒み、イヌイットを蔑視したためその優れたカヤックや漁法を模倣せず、キリスト文化を保持したまま滅びたと喝破されています。

    「ギリギリの段階になれば人はなんでもする」は間違いで、そういったときでも正常性バイアスがかかって、抜本的解決から逃げるんだということが本著でよく理解できました。

    翻って、現在の人類のもつ危険性、とりわけ環境破壊には警句になるべこれらの先立つ文明崩壊が今もって抜本的に解決できていることを慨嘆されています。

    マルサスの人口論では「「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する食糧の差により人口過剰、すなわち貧困が発生する。これは必然であり、社会制度の改良では回避され得ない」とされています。現実に第三世界で起こっており、次世代には全世界規模で起こる現実です。

    本著に挙げられて幾つもの事例、グリーンランド・イースター島などのように、人類は崩壊を前にしても止められないのか、それとも良心を結集して止めることができるのか。

    本著を読むと希望よりも、人類の歴史に学ばない愚かさに暗澹とした気持ちになります。

  • 2013.10.06 M氏よりレンタル)

  • 難しかったので、流し読み。

  • P.209まで。

  • 2013/04/06 【古】300円

  • とても読みやすかった
    ヨーロッパ人がアメリカ、アフリカ、オーストラリアを征圧できたのはなぜか
    中国がある時点で発展を止めてしまったのはなぜか
    ていねいな説明で分かりやすく書かれている

  • 話題の中心はヨーロッパ以外の場所。オーストラリアとニューギニアの違いになるほど、となった。あとアフリカも知られていない事実が明らかに。

  • 下巻も終了でハイライト。
    なぜ新大陸を席捲したのは中国ではなくヨーロッパだったのか。中国は同じ面積のヨーロッパと比べると歴史上統一されている期間が長い。明代にはアフリカ遠征までしていたが、その後が続かず清代に領土は最大となったがガラパゴス化し技術の発展したヨーロッパと力関係では差が開いた様だ。

  • 挫けた

  • 人類の文明的な進歩は、栽培・飼育可能動植物の有無、大陸の形状、気候などといった環境の違いによって差が生まれた。
    単純なことだけど、考古学、言語学といった見地から情報が整理されていて、やや繰り返しが多いものの、そのせいか理解が深まって満足した。
    文字を始めとして優れた発明が生まれるのも環境、人口、受け入れる文化の違いなどによる。
    選ばれた民族・生まれながらにして優秀な民族はいないということ。
    オーストロネシア人の広がり方など想像するだけで楽しかった。

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著者プロフィール

1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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