銃・病原菌・鉄〈下巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎

制作 : 倉骨 彰 
  • 草思社
3.99
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本棚登録 : 2271
レビュー : 206
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210067

作品紹介・あらすじ

なぜアメリカ先住民のほうが逆に旧大陸を征服できなかったのか?各大陸の住民の運命を決めたものとは?ピュリッツァー賞、コスモス国際賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • ・何故世界はかくも不均衡な状態(ヨーロッパとアメリカを中心とした先進国と発展途上国)にあるのだろうか?スペイン人はインカ帝国・アステカ帝国を滅ぼしたが何故、逆にインカ帝国・アステカ帝国がヨーロッパを滅ぼすようなことが起こらなかったのかを突き詰めた本。
    ・最終氷河期が終わった1万3000年前の地球は、食料採集民族しか存在せず似たりよったりであったはず。どこで差が生じたのか。
    ・着眼点を民族としての優劣ではなく、環境に当て根本原因から解き明かしている力作。
    ・多様な家畜、食料の野生→東西に伸びる大陸→食料生産の開始(容易性)→人口の増加・集中→疫病への発生・免疫性の獲得→政治組織・分業・道具・武器のイノベーション→文字の発明といった流れで全体が説明されている。
    ・中国も西アジアと同様の時期に食料生産を開始しながら、世界の覇権を取れなかった原因が、統一国家であるが故に唯一の王が間違った判断をしたためイノベーションが停滞した時期があったことによる(ヨーロッパは統一されたいたことは一度もない。)といった理論が面白かった。この部分はもっと掘り下げて考えてみたい。
    ・橘玲氏も「(日本人)」で、大陸が横に長いユーラシア大陸が、食料生産が伝わるという上では有利だった(気候帯が似ているから)と記述しており、本書を参考にしていると思われる。

  • "下巻は言語から見た人類の動き、ヨーロッパ以外の各地方にいた民族はなぜ支配できなかったかを説明する。
    非常に細かい説明でなるほどと思えるものが多く、他の歴史本を読んでいてもこの本の記述が頭に浮かび歴史本の理解がスムーズになった気がする。
    最後のほうはやや駆け足感があったものの人類史を科学的に考査するようになればより未来につながる情報を得ることができるだろうと結ぶ。
    少々難しかったが歴史に対して一歩踏み込んだ知識を得られた良い本と思う。"

  • ずっと読みたかった本だが、たまたま向かいの主人が引越の際に譲ってくれたのでゆっくり手にとることに。

    本書について言えば次のような要約になるー「歴史は、異なる人々によって異なる経路をたどったが,それは、人々のおかれた環境の差異によるものであって,人々の生物学的な差異によるものではない」

    因果関係のつながりは双方向に働き,原因が結果であり結果が原因であるのが一般的である。

    なぜ世界各国の発展は不均衡になったのか。
    すごく興味深い名著。
    蔵書。引用省略

  • 征服され植民地化してしまうところと、征服する側の差。
    環境要因によってつくられていく歴史。
    歴史ってつながってるんだな・・・と当たり前のことを理路整然と再認識させてくれる本。

  •   なぜ、16世紀に南アメリカのインカ帝国を、そして中央アメリカのアステカ帝国をスペイン人が征服することができたのか、なぜ反対にインカの人たちがヨーロッパを征服することができなかったのか。なぜ、ヨーロッパの人間が 「銃・病原菌・鉄」でもってアメリカ大陸を征服することができたのか・・・・。人類の発祥はアフリカから始まったのに、なぜアフリカ人がユーラシアに覇権を持つことにならなかったのだろうか。なぜ、ヨーロッパ人とヨーロッパ人の子孫が世界の富と権力を握ることができたのだろうか・・・・・。
      現代のこの時代、当然のことと思っているこの事実はどうして導かれてきたのだろうか、というその原因を追っ掛けたこの 「銃・病原菌・鉄」、なんだか眼からウロコの感じさえする。要は、①農業に適応できる植物種と家畜化できる動物の存在、②農業・家畜の伝播を妨げる地形上の障壁の有無、③大陸や人口の大きさ、これらによって各大陸に住む人類のその後の展開が大きく変わってきたということになる。もともと農業と動物の家畜化は1万年以上前にメソポタミアから始まったものだが、それが西に進んでヨーロッパに定着。余剰食糧が人口を増大させ、競争を激化させ、次々と新しい発明・技術が生まれ、国家や政治体制が出来上がってきたという経緯を辿ったということだ。もし、アフリカに食料となる植物の原種が多くあって、シマウマやサイ、象などが家畜化できていたとしたら、アフリカ人がそれらの家畜を戦車のように使ってヨーロッパを征服していたかも知れないということになる。(ハンニバルが象を使ってローマを攻めたが、これは野生の象を飼いならしていただけということらしい。家畜化していたわけではない)
      この著者のジャレド・ダイアモンド は、ヨーロッパの人間が人種的に優れているということでは決してないとし、ただ地理的・気候的要因や生物学的な偶然によって導かれたに過ぎないと説く。場合によってはアフリカの黒人が世界を支配したかも知れないとの話は、にわかに信じられないものの、それが1万年の積み重ねの故だとしたら、納得するもしないもないということだ。我々日本人にはなんとなく白人の方が見た目もよく優秀だという意識が奥底にあるが、この話はそれをひっくり返しているわけで、ひとつ痛快な気分にもなろうというものだろう。なんとなく胸のつかえが降りるような感じもある。
      こんなことからしても、本を読むというのは、実に面白いものと云えるのだろうね。

  • ヨーロッパ人が北アメリカ大陸に上陸した際に、伝染病も一緒に持ってきて、多くのネイティブ・アメリカンを死に至らしめたという話は有名。しかも、この伝染病・病気は北アメリカだけではなく、世界中で人類史をつくっているようです。
    人類史を環境要因という視点で考える良い本です。ただ、下巻はちょっと堅いかなぁ。

  • 知的好奇心満足の一冊。
    ラインを引きながら読みたかったけど図書館の本です^_^;

    著者の視点がヨーロッパ人(の血を引くアメリカ人)なので、
    日本人としてはどうよ~と思う箇所もありましたが。

    それでもぐいぐい読めて文庫を買って手元に置いてもいいなと思います。
    そうしたら、マーカーもできるし!

  • 思索
    サイエンス

  • 5

  • 世界の人工分布が現在、なぜ今の状態になったのかを、的確に説明してくれる書。なるほどと唸らされるエピソードばかり並ぶ。世界全体を対象にそれぞれの地域毎に解説しているところがすごい。

    以下注目点
    ・発明は必要の母
    ・ヨーロッパ人が定住できなかったのは、マラリアなどの熱帯病のせい。

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著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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