栃木リンチ殺人事件―警察はなぜ動かなかったのか

著者 :
  • 草思社
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レビュー : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794210524

感想・レビュー・書評

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  • 栃木リンチ殺人事件。
    狂った未成年の自分勝手な犯罪行動を警察が見逃し続け、二か月もの間何の罪もない青年の命が弄ばれた挙句、絞殺遺体をコンクリートで埋めた事件。
    http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%83%E6%9C%A8%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%83%81%E6%AE%BA%E4%BA%BA%E4%BA%8B%E4%BB%B6

    主犯格の少年の出身小学校を豊郷南(とよごうみなみ)とルビを振って説明しているが、正確には(とよさとみなみ)である。このくらいの誤植は仕方のないことなのだろうが、実際に起こった事件を取り扱うという観点から見れば、間違いはあってはいけないと思った。

    ”加害者と被害者が勤務していた日産自動車がイメージダウンを恐れ、警察の動きを鈍らせていた”というのが本書がいう事件の核心ということだろう。
    実際に起こった出来事と著者の推測の部分が分けることなく書かれていたので、すべてが真実のように思えてきたが実際はどうなのだろうか。先に述べた読み方の間違いもあることから、すべてを鵜呑みにするのは危険だと感じた。しかし、2か月間誰も須藤さんを助けられなかったという事実の前には深い怒りを感じずにはいられない。

    須藤さんを暴行し、弄んだ未成年四人は間違いなく悪だ。この本に書かれた通りの癒着があったとすれば、日産自動車も石橋警察署も悪。それに比べて足利銀行の対応があまりにも良くて涙が出そうになった。足利銀行のような対応をもし、警察や日産自動車がしていれば須藤さんは助かったのではないだろうか。須藤さんのご両親が哀れでならない。

    須藤さんが暴行される場面は読んでいてつらかった。彼の2か月間の苦しみを思うと、本当にやるせない。
    熱湯や火による暴行、無理やり精子を飲ませる行為、親族や友人から金を集めさせる行為、むごすぎるリンチ。
    絶対に許せない事件。警察、企業の責任も重大だ。
    被害者を助けられない警察の存在意義とは?

  • 1999年に栃木で起きたリンチ殺人事件について元警察官の著者が検証する。
    被害者が行方不明になってから,家族は頻繁に警察に相談するがまともにとりあってもらえない。結局,犯人グループの一人が栃木県警ではなく警視庁に自首することで事件が発覚するが,それまでの栃木県警の不作為に対して疑問を持った著者がある推理をする。

    実際のところどうなのかわからないが,怖ろしい話ではある。

  • 善良な市民にとって、警察は安心安全を与えてくれる存在であるはずなのに、相手にされないってこんなに恐ろしいことはない。
    何の力もない一般市民が頼れるのは警察しかないのに…。
    被害者を助け出せるチャンスが幾度もありながら、助けることができなかったのは本当にやるせない。

    こういう事件を知るたびにどうしてこんなことが同じ人間に出来るのかといつも思う。理解できないわ。

    そして、被害者が巻き込まれるきっかけはいつも本当に些細なことで、気を抜いていたら自分だって巻き込まれる可能性があるわけで、自分の身は自分で守るということを肝に命じました。

  • 中国四川省で、警察幹部の息子の犯罪をめぐって暴動が起きたけど、
    日本もさほど変わらない。
    むしろ暴動が起きないくらい飼いならされてしまっていることが問題かも。

    警察は、事件を隠蔽したいときには、
    最初に報道関係者にわざと被害者を怒らせるようなリークをして、
    被害者家族をマスコミ不信にさせてしまう。

    江戸時代の悪代官と豪商のような構造が現代にもあるという事実。

    まったく捜査しようとしなかった警察のナゾを解き明かす。

  • 犯罪被害者だけが苦しむ構造の縮図。
    息苦しくなるような読書体験に読み進めるのが辛かった。
    黒木氏が取材しなければ抹殺されていたであろう事件。
    明るみに出たからといって、恐らくは、何も変わらないのだろうと思うと、やりきれない。

  • あっという間に読みきりました。
    こんな本を書く黒木さんは、やっぱり自殺はしないと思うんだがな。

    大企業はどこも似たりよったりなのかもしれないけれど、
    この会社のイメージは個人的にそうとう悪くなりました。はい。

  •  
    ── 黒木 昭雄《栃木リンチ殺人事件 ~ 警察はなぜ動かなかったのか 20010423 草思社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4794210523
     
     黒木 昭雄 元巡査部長 19571219 東京20101102 52 /車中自殺?“捜査するジャーナリスト”
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%A1%A1%B9%F5%CC%DA+%BE%BC%CD%BA
     
    http://booklog.jp/search?keyword=%E9%BB%92%E6%9C%A8%E6%98%AD%E9%9B%84&service_id=1&index=Books
     
    (20110403)(20160524)
     

  • こんな酷い、幼稚な人間っているのね。

    でも、筆者の私情も入っちゃって何が主体なのか途中からわかんなくなっちゃった。

    ・・・犯人に、被害者と同じことしてやりたいね。

  • 図書館で目に付いたので手に取り一気に読んだ。

    テーマは警察や某大手自動車会社という日本の組織体制が事件の複線を引いたということを露にするといったことだが、
    読んでいるうちに犯人グループの心理状態に吐き気がしてくる。
    なぜ、人がこんなにも人を甚振ることができるのか。
    なぜ、エスカレートしていくのか。
    なぜ、なぜ、なぜ。

    そんな思いばかりが心を支配していました。

  • 絶句するほどの凄惨なリンチ・殺害の全容を描き、被害者両親の訴えを警察が無視しつづけた理由に迫る。それは単なる怠慢ではなく、事件は意図的に放置されていたと指摘し、事件の陰に隠された真実を暴く。

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