死体につく虫が犯人を告げる

制作 : Madison Lee Goff  垂水 雄二 
  • 草思社
3.75
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本棚登録 : 53
レビュー : 16
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794211507

作品紹介・あらすじ

虫たちは決して殺人事件を見逃さない。驚くべき早さで死体を発見し、卵を産みつける。真の第一発見者である昆虫から手がかりを得るために、死体につく虫を丹念に集める昆虫学者がいる。彼らは現場から採集された標本を分析し、捜査官をも驚愕させる確度で死亡時刻を推定する。時には死後数年たった白骨死体であっても、昆虫の証拠から犯行の時期を推定できるのである。普通の昆虫学者だった著者が殺人現場へと乗り込み、「法医昆虫学」の第一人者となるまでに経験した数々の捜査を例に、このまったく新しい捜査法を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 虫からの殺人事件へのアプローチの変遷を淡々と書いている一冊。刑事ドラマでは中々触れてくれないアプローチ方法なのでとても興味深い上、勉強になる。ただし虫が嫌いな人は要注意。腐乱死体の描写もあるので要注意。 この法医昆虫捜査をテーマにしたミステリー小説があったらとても面白いと思う。そんなドラマがあったら是非とも見たい。

  • 実物想像してうえってなりながら読んだ。

  • どういう本かというと、『死体は語る』とか『FBI心理捜査官』系の本。
    著者は法医昆虫学者。
    最近の漫画なんかで法医昆虫学者が出てきたら、ほとんどこれが種本。

    死体にたかってる虫を捕まえて、そこから死亡推定時間を探る仕事。
    つまり、ウジは柔らかい死肉が好きだけど、カツオブシムシは乾燥しないと寄ってこない。
    この二種が同時にやってくることはないわけで、その虫の成長具合と死体に来るまでの時間なんかを計算して推定するのだ。
    腐乱死体そのものの死亡時間を推測するのはかなり難しいので、虫という時間に確かなものを使い、
    時には捜査官を唖然とさせるほど正確な時間を割り出したりもする。

    感想としては、かなり面白く読めた。
    けど、なんか全体的に固いんだよね。
    腐乱期の観察開始と院生の欠席の増加は比例していると思われる、とジョークだと思うんだけど、なんか笑えない。
    それから、事件の理由や顛末についてはほとんど触れられなくて、時間を推測しておしまい。
    この辺は『死体は語る』の方がドラマチックに書かれていると思う。
    本の3分の2くらいが、ひたすら腐敗実験。埋めたのやら、浸かったのやら、吊されたのやら、焼かれたのやら。ちなみに、23キロの豚を使用。
    後半は裁判で証言するときの話や遺体を検屍するときの感情などで、やっとドラマっぽくなる。

    俺は、食事しながら、ミイラでも拷問でも食人でも切り裂きジャックでも読めるけど、これだけはダメだったわ。
    ひたすらウジ虫の観察について書かれているものを、おむすび食べながらは読めませんでした。

  • どんな命も、命が消えたそのときから自然界の生物の食事になってしまうんだなぁ。笑。
    堅くて気持ち悪い内容ながらも筆者のセンスで読ませてくれる本。
    死後の時間が経つごとに、食事にやってくる虫たちは違うらしい。
    他の人もレビューで書いていたけれど、これはミステリーにするとほんとに面白そう(^^)。

  • 『どんな調査においても、私にとって――あるいは他のどんな法医科学者にとっても――起こりうる最悪の事態は、誰かの代弁者になることである。私はいかなる法執行機関のメンバーでもなく、私の役目は、たった一つのタイプの証拠について客観的な分析を提供することである。私はその務めを果たすことに全力を尽くすだけで、ほかの領域の捜査はもっとふさわしい資格をもった人々に委ねている。なんとしても私は、自分の専門領域を越えて、「悪い奴をつかまえる」という精神に染まる誘惑に抵抗しなければならない。』(P168)

    内容自体も大変興味深く面白いのだが、非常に感銘を受けたのが上記文章である。

    先日「主観的感想が多すぎる」と書いた『そして殺人者は野に放たれる』について、良いこと書いてるしすごく時間をかけて丁寧に取材・引用しているのに何で共感できないのだろう…と思っていたところにこの文章が来たので非常に納得できたというか。

    調査→データ解析→考察、に私情が挟むとやりきれないです。『死体につく虫~』の筆者もそこのとこの折り合いは未だ完全にはできていない、と正直に吐露しているところも含めて名著だと思いました。

  • 虫は嫌いだけど内容が面白くって積極的に読む時間をつくるほどに楽しい本。
    犯罪、死体、蛆虫が頻繁に出てくるので重くなりがちなところだけれど随所にあるアメリカンジョークがいい味出してる。
    データ収集のためにブタの死体をさまざまなところに放置するのだけど、そのたびに自治体や学会の許可を取ることに苦戦したくだりも味があって好き。
    例えば、海岸にブタを置きたいのに運航の障害になるかもと懸念された筆者の「ブタの鼻に点滅する赤または緑色のライトをつけたらどうかと言いたくなった。」など。

  • なんかこの、淡々と書いてる具合がリアル。

  • 法医昆虫学者の著者が関わってきた事件のことや、法医昆虫学における昆虫の役割などが書かれた本でした。
    法医昆虫学はあまりメジャーなものではなく、私も名前を聞いたことがありませんでしたが本を読むと面白い分野だなという感じがします。
    あの気持ち悪いウジが死体の分解、ひいては殺人事件における犯行の時期の特定にどんな役にたっているのか。
    実際に起きた事件を元にした、著者の真摯な分析。それと間にさりげなく挟まれるブラックともいえるユーモアも良かったです。
    とても面白い本でした。

    今は「法医昆虫学者の事件簿」というタイトルで文庫化されているようです。

  • [ 内容 ]
    虫たちは決して殺人事件を見逃さない。
    驚くべき早さで死体を発見し、卵を産みつける。
    真の第一発見者である昆虫から手がかりを得るために、死体につく虫を丹念に集める昆虫学者がいる。
    彼らは現場から採集された標本を分析し、捜査官をも驚愕させる確度で死亡時刻を推定する。
    時には死後数年たった白骨死体であっても、昆虫の証拠から犯行の時期を推定できるのである。
    普通の昆虫学者だった著者が殺人現場へと乗り込み、「法医昆虫学」の第一人者となるまでに経験した数々の捜査を例に、このまったく新しい捜査法を紹介する。

    [ 目次 ]
    一九八四年、ホノルル
    昆虫学者、死体と出会う
    虫の証拠を読み解く方法
    腐乱死体を研究する
    ハエはすばやく事件を嗅ぎつける
    乾いた死体を好む虫たち
    死体が覆い隠された場合
    ハチ、アリのたぐい
    海上の死体、吊り下げられた死体
    殺虫剤と麻薬の影響
    つらすぎる仕事
    証言台の昆虫学者
    法医昆虫学を認めさせる
    新しい挑戦

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 蛆(ウジ)って凄いね! もし、ハエやその子どもであるウジがいなかったら、世界はとっくの昔に死体で埋まっていただろう。

    漫画の「オサムシ博士」だったっけ? を思い出しながら読んだ。

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