書きあぐねている人のための小説入門

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 425
レビュー : 61
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794212542

作品紹介・あらすじ

小説を書くために本当に必要なことは?実作者が教える、必ず書けるようになる小説作法。

感想・レビュー・書評

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  • 本を読むと、文章の成り立ちに興味がわくため、こういった文章論も、おもしろく読んでいます。
    ガチガチの作文法などは、肩が凝ってしまうのですが、著者自身が、巷にあふれる作文レクチャー本をよしとしないため、ここにもハウツーが書かれているわけではなく、強い持論で読者を縛り上げることもなく、さらりと文の書き方について述べられた、読みやすい内容となっていました。

    物語を書いていくと、必ず不幸のニュアンスが加わってくるとする著者の意見は、新鮮でした。
    そういうものでしょうか?
    その不幸色を一切排除した物語を作ったら、平明単調なものになったとのこと。
    自分も文章を書いてみると、その真偽がわかるのかもしれませんが、今は心に留めておくだけになりました。

    フロイトは、心理学者として認識されているけれど、実は哲学者だということに驚きました。
    井上ひさし『ひょっこりひょうたん島』は、「火山噴火時にみんな死んでいた」という裏設定があったということもびっくりです。
    ゴリ押しの文章ではありませんが、豊富な知識量に裏打ちされた話は、興味深く読めました。

    新人賞受賞のための文章法は、まるで受験のための、点を取るための勉強法のようですが、もっと広い意味での人生の勉強のようなものを、作文法に置き換えて説いているような本で、自分にも読者にも誠実であろうとするスタンスが見えてくる、安心できる一冊でした。

  • 非常に興味深い、というか勇気をくれる本。
    そうかーそれでいいんだなっていう気になった。

    大切にしているものをこうやって表すのはいいなあって思う。

  • 小説を書く合間に、何度も開いて読む。平易な言葉づかいで、つかみどころの無い話が展開される。まるでこの本自体が小説であるかのような感覚。

  • 小説のことを考え続ける。
    小説にしかできないこと。

  • 最も根本的な部分を繰り返し説いている。
    この作者は信頼できると思った。

  • 筆者の方の独特な考え方を理解するのに少し時間がかかるけど、文章のあちこちで「ああ、わかる、なんとなくだけど言いたいこと、すごくわかります」という気持ちになりました。
    ジャズがお好きなだけあって、自分の中のリズムや流れ、動きに素直な方なんだな、と。
    最初から最後までとても楽しく、興味深く読みました。
    もう一度読み返したいです。

  • 小説とは何か、どういうものが小説かを論じる内容で、小説を書かない自分には体感が乏しいため難しい所がある。ただ読者としては実は筆者のいう小説とは違うものが好きという確認にはなった。ミステリー好きは小説好きとはいえないようだ。

  • 小説、とは何か?について根本から考えさせてくれる本。指南書というより、足場を再構築させてくれる本です。

  • 流れがとても秀逸。
    もともと語りをベースにしているというだけあって、話は前後するしまとまりが無いし曖昧な描写も多い。それでも、不自然じゃない。文体としての一貫性は無いけれど、全体を通して軸がある。読み進めるにつれて、著者の人間性と、更には作品にまで興味を及ばせるのも特徴的。
    小説とは何たるかという小説論のニュアンスが強く、細部に関しては共感点も多かろうし、批難もいくらでもできる。全てを真に受ける必要は無いのだろうが、書きながら迷っている人には一つの指針になるのかもしれない。そのくらい著者の中での小説論が一貫していて、ほころびが無い。
    そして小説家を目指す人間が読むのであれば、表題が「書きあぐねている人」に向けている意図を一度検討してから手に取ってほしい。読者に徹したい人や、自称評論家にもおすすめ。

  • この本は、ある程度小説を書いた事のある人向けの本ではないかな……。

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プロフィール

1956年、山梨県生まれ。鎌倉で育つ。早稲田大学政経学部卒業。90年、『プレーンソング』でデビュー。93年、『草の上の朝食』で野間文芸新人賞、95年、『この人の閾』で芥川賞、97年、『季節の記憶』で平林たい子文学賞、谷崎潤一郎賞、2013年、『未明の闘争』で野間文芸賞を受賞。『猫に時間の流れる』『残響』『生きる歓び』『カンバセイション・ピース』『カフカ式練習帳』『朝露通信』『小説の自由』『考える練習』『遠い触覚』『書きあぐねている人のための小説入門』『試行錯誤に漂う』など著作多数。

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