複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

制作 : 阪本 芳久 
  • 草思社
3.56
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本棚登録 : 596
レビュー : 64
  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794213853

作品紹介・あらすじ

つい最近、科学者たちは歴史上初めて、世界のさまざまな事象をネットワークの視点から論じる方法を手に入れた。単純とも言えるその根本を理解するだけで、自然科学はもとより、経済学、社会学などのあらゆる分野の難問に、重要なヒントが得られる。それも、たちどころに。いままさに科学に革命を起こしつつあるネットワーク科学の最前線を解説する。

感想・レビュー・書評

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  • ネットワークのスモールワールド性について分かりやすく述べられていた。全体を部分に分けず、全体の性質を知ると言う科学はこれからの課題であると思うので、ネットワーク理論は良い取っ掛かりになると思う。

  • 弱い繋がりが世界を繋ぐ、まぁ、さもありなん。という感じ。閉じた濃密な世界だけでなく、物事を解決するには外に出ていかなくては、というのは納得。人は知らないことを知らないのだから。

  • 個人的にはネットワーク科学には触れたことが無かったので非常に勉強になった。 スモールワールドの特徴として、裾が広いべき乗則の曲線を表すというのは直感的に当然のような気もするが、無秩序と思われたあらゆるジャンルの複雑系に共通点が見られるとの指摘は非常に斬新。社会・経済・神経系・生化学・生態系などで例が挙げられているが、宇宙の大規模構造やダークマターの分布などにも同様の共通点が見られるような気がし、量子のゆらぎなどに起源があるかもしれないと思うと今後の発見に期待が膨らむ。
    ティッピングポイントの考え方についても興味深い。個々の詳細は全体の結果に大した影響を及ばさないモデルを考えると、相転移や経済、歴史までも共通した何かがあるように思えてしまう。 それこそ物質と反物質の存続の運命を分けた背景や、真空の相転移にも共通しているかもしれない。
    簡単な条件を入れて観察したランダムなプログラムが思いのほか複雑なバリエーションを持つライフゲームの事例は、まさにこのスモールワールドの逆からのアプローチではないかと感じた。最初の生命の誕生も相転移のような要素が絡んでいるからこそ難問なのかもしれない

  • カオスでネットワークをつくれば、おもしろいことになるのがわかった。インターネットはリンクを貼るのにコストがないぶん、一極集中しやすいことがわかった。

    ネットワークの科学っていうよりは、ネットワークを通した社会科学っていった面がつよい気がするけど、Factなことものってて勉強になった。

  • 【要約】


    【ノート】
    ・バラバシ本の分かりやすい版らしい。ブキャナンは「歴史は『べき乗則』で動く」の著者やんか。

  • "脳のシナプスのつながり、コンピュータネットワーク、電力網、人脈など一見なんのつながりも法則もなさそうなつながりにはパターンがあるという話。
    物理学、医学、生物学、社会学、経済学など様々な分野に共通したものだという。
    世界中のだれかとつながるには、どんな人でも最大6人の紹介でつながることができるという。そんな不思議を俳優業界の中で、ケビン・ベーコンさんにつながる人数で検証している。ネットワークの不思議を理解することは、現在の生活でなんかしらの役に立つ。本書に登場した人物の著書を読み広げたい。"

  • 統計が現実世界を近似する学問であることはよく知られているが、
    本書で語られる範囲のネットワーク科学の目的とするところも同様に、
    現実にある無数の接続からパターンを見出しモデル化し、理論と実在の結合点を探し出す。

    例えばよく聞いた話、6人たどれば世界中の誰にでもたどり着けるというスモールワールド・ネットワーク。
    これを実現するためには、全ノードを互いに接続させる必要はない。

    ハブを必要とする貴族的なネットワークでも、そうでないランダムなネットワークでも、高度にクラスタ化されたネットワークでも、
    遠方へとたどり着くための少数のランダムな長距離リンクさえあれば、スモールワールド・ネットワークは実現できる。

    そしてそのようなネットワークは人の繋がり以外でも自然界に多数存在する。
    脳の細胞で、電力網で、インターネットで、食物連鎖で。
    たとえそうなろうという意図がなくとも、『偶然の科学』により、富めるものはますます富み、多くのノードを従える結節点となり、べき乗則で表現可能なフラクタルなネットワークは自然発生する。

    ではこのネットワークの限界はどこかにあるのだろうか。
    例えば現実の経済においては、富めるものは世代交代するのみで、大多数の貧しいノードはその役割を超えることはできないが、
    貴族的なネットワークモデルにおいては、ハブの接続数に臨界点さえ存在すれば、平等なネットワークへと近づけることはできる。
    例えば感染症の蔓延に対しては、拡大のハブとなる人、場所、移動経路を重点的に検疫できれば、生物災害を未然に防ぐことができる。

    単一の水分子の働きを素粒子レベルで解明したとしても川の流れを理解することはできないように、
    経営者の経験談に感銘し、どれだけその成功の秘訣を聞いたところで、経済を理解することはできない。

    完全には理解不可能な現実の複雑性の中で、わずかでも勝率をあげるため、人は近似というツールを用いて学ぶのだ。

  • 10年ほど前の本(2005年 日本で初版).350ページでそこそこ分厚い科学読み物ですが,内容は少し冗長だったので少なくとも 2/3程度には圧縮できたのではないかと感じた.読みやすいのでスルスルとは読み進められます.

    2000年前後あたりからの複雑系→複雑ネットワークあたりの数年間の発展を中心にもう少し遡って歴史を紐解いた内容.
    骨子は,規則的なネットワークに僅かなランダムを交えたワッツとストロガッツのスモールワールドモデルの話と,バラバシ・アルバートの次数優先接続によるノード追加成長モデルのスケールフリーモデルへの発展までの経緯.
    同時期の様々なネットワーク評価実験結果をうまく説明するためにこれらのモデルが生み出されていった背景とともに記述されていました.

    様々な事例で複雑ネットワーク的なアプローチや概念が必要となる幅の広さは感じられました.最近の展開や数理的な裏付けについては先日読んだ「自己組織化する複雑ネットワーク(林)」の方で補完できそう.

    筆者の予想として,BAのスケールフリーモデルで成長し始めたネットワークはやがてノードが取りうる次数上限に達してきた段階で,WSのスモールワールドモデル(ハブが弱くなる)に近づくのではないか?という予想が印象的でした.

  • ネットワーク理論の総評のような感じ。

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