複雑な世界、単純な法則 ネットワーク科学の最前線

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (357ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794213853

感想・レビュー・書評

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  • 6次の隔たりという言葉がある.
    これは,案外知らないところで身近な知り合いがいるものだという経験的にはよくあることを実証したものだ.
    そのことが理論的に説明されてきたのは2000年代に入ってからだ.本書は,このようなネットワーク科学の最前線をたくさんの研究をもとに紹介したものである.

    今日的な問題となった新型インフルエンザもネットワーク科学が扱う範疇である.
    毎日,ニュースで見るインフルエンザ対策も,基本的にはこのようなネットワーク科学の知見から導かれたものである.
    単純な手洗い・うがいの効果性を保証しているのは,この本が示している内容なのだと考えると多少向き合い方も変わってくる.

    そのような意味では,ネットワークの持つ本当の意味を私たちはまだ知らないのかもしれないと気付かせてくれる良書である.
    そして大事なことは,数学的なモデルは,多様な現象にあてはめられるということだと思う.
    就職やインフルエンザが同列に扱える不思議.モデルを持つことの可能性・重要性に気付かされた.

  • ネットワーク科学、理論についての著書。事例と調査をもとに理論をわかりやすく表現している。
    まだこれからの分野なので現在語られていることは非常に極一部と思うが、それでも十分理論の一旦は理解できる。
    人とのつながりや周囲の組織など応用も可能だと思う。関連書籍を読みたいと思う。

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  • 複雑系

  • スモールワールドとは、要素間のつながり次数が比較的少ないグラフ構造である。それはいろんな構造に見られる。脳細胞、企業の重役ネットワーク、生態系、生体分子ネットワーク、WWWeb、物理ネットなど。
    ランダウによれば、相互作用する「もの」の集合では、集団としての特性は多くの場合《もの》それ自体の性質には大して依存していない。よって組織構造を調べて普遍の法則を探ることに意味が生じる。
    一つの要素が持つリンクの数とその要素数には冪状法則が成立する。つまり、リンク数が2倍になるとその要素数は4分の1になるなど。
    ハブ要素を持つか否かでスモールワールドを2つに分類できる。
    要素を通過する情報量の上限が問題になる時にシステムはハブ型から平等型にシフトする。
    ティッピング・ポイントとはあるものが流行するか、しないかを分けるポイント。
    スモールワールドでは流行しやすい。エイズの流行は60年代にアフリカの諸都市の交通が整備されてきたこと、軍隊などが原因。さらにハブ型スモールワールドではハブをなんとかしない限り流行するのは必然。

  •  人や物などのつながりに興味がある人は必読。2200円だが、5000円以上の価値がある。

     <a href="http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080505/p1" target="_blank">http://d.hatena.ne.jp/sessendo/20080505/p1</a>

  • ワッツとバラバシのそれぞれの主張の適用範囲を、公平な立場から論じてくれている点が嬉しい(^o^)

  • ネットワーク科学について分かりやすく解説した本です。

    脳細胞、インターネット、伝染病、電力網、友人・知人のネットワークなど
    構成要素はまるで違っても、そのつながり方には同一のパターンがあるらしい、
    そのパターンというのがスモール・ワールド・ネットワーク。

    たとえば、たった6本のリンクをたどれば、世界中の人とつながれる、とか。

    世の中の、いろんな複雑な現象が、
    ネットワーク科学でこんなシンプルに説明出来ちゃうなんて、ちょっと魅力的。

  • 人、ネット、交通網。
    普段、余り意識しないだけでネットワークというものは身近な所に多く存在している。
    その事をこの本で初めて気付く。そして、自分自身もその中に組み込まれている事も。

    そのネットワークの仕組みを学術的に、そしてエイズや生態系などの実例を通して紹介している。
    ネットワークから創られるスモールワールド。
    ・規則的な世界に何本かのつながりをランダム配置する事で、個々の関係はひどく近いものになる。
    ・ネットワークの中心となる「コネクター」の重要性(このコネクターとつながる事でネットワークの大部分と繋がりをもてる)
    ・すべての要素が同数のリンクをもつ平和的ネットワークとコネクターがリンクの大半を占める貴族的ネットワークの存在
    ・ある一定の数値(ティッピング・ポイント)を超えると凄まじい勢いで広がりを見せる疫病
    ・強い絆と弱い絆の存在によるネットワークの形成とバランス

    今まで全く触れる事のない知識であったのでとても新鮮だった。周辺の情報をまた違う視点で見る事ができそうだ。
    内容的に少し難しい点もあり本も厚い。何度か読み直しが必要になるかもしれない。

  • 「6次の隔たり」
    ネットワークって要は、物がいっぱい集まったらどうなるか?って話みたい。

    なんで富が集中するか(投資によって得られる利益は、投資額に比例するから。売買や課税は格差を是正する。)、なんで強い絆だけじゃなく、弱い絆も大事か(社会のショートカットをもたらすから)・・・
    とかね。

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