文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (上)

制作 : 楡井 浩一 
  • 草思社
3.93
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本棚登録 : 1115
レビュー : 84
  • Amazon.co.jp ・本 (440ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214645

作品紹介・あらすじ

盛者必衰の理は歴史が多くの事例によって証明するところである。だがなぜ隆盛を極めた社会が、そのまま存続できずに崩壊し滅亡していくのか?北米のアナサジ、中米のマヤ、東ポリネシアのイースター島、ピトケアン島、グリーンランドのノルウェー人入植地など、本書は多様な文明崩壊の実例を検証し、そこに共通するパターンを導き出していく。前著『銃・病原菌・鉄』では、各大陸における文明発展を分析して環境的因子が多様性を生み出したことを導き出したが、本書では文明繁栄による環境負荷が崩壊の契機を生み出すという問題をクローズアップしている。ピュリッツァー賞受賞者による待望の書。2005年度全米ベストセラーの全訳である。

感想・レビュー・書評

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  • 過去の事例より、著者が述べる文明衰退の原因は大きく3つ。①環境破壊②資源枯渇③人口爆発。グローバル化、科学技術の発展により影響を局所化することが困難なため、世界は一蓮托生な状況になってます、との現状分析。「文明崩壊」に共感するのは、"大変だ~"で終わらず"具体的に何ができるの?"まで落とし込んでいる所。著者の本気度と危機意識を感じる。スタンスは現状の深刻さを認識しつつ、希望を失わない「慎重な楽観主義者」だそう。「まだ希望ありそうなので息子つくりました、テヘ」とか言うとるし w

    で、現状必要なことは2つ。1つ目は長期的な思考を実践する勇気。人間の病気でも同じやけど、定期的に検査して予防に力入れたほうが結果的に安上がりなことが多い。目先の問題に対処しつつ、将来に対する想像力を持てるか、てのが必要やと思います。政治家も私たちも。

    2つ目は既存の価値観を捨て去る勇気。マーケティング理論で「イノベーションのジレンマ」いうのがあります。過去の成功体験に足を引っ張られず、変化する状況をゼロベースで分析して残すものは残す、捨てるものは捨てる、その冷静な判断が大事。


    そして、環境破壊の主役、企業にも2つ申してました。1つ目は「環境保護的な経営方針を採らせたいなら、倫理とか良心に訴えず、環境保護が企業の利益になるよう仕向ける」。信用できる団体から認証された製品を購入する、など。団体の例としては、森林管理協議会(FSC)や海洋管理協議会(MSC)。家具のイケアや日本のイオンも参加してました。持続可能な林業、漁業になっているか、というところを見てるようです。余裕があれば少々高くても認証済みの製品を買ってみる、などはどうでしょう。

    で、2つ目は「ビジネスの鎖の中で、一番敏感な輪を狙って圧力をかけろ」。例としては、狂牛病対策に5年抵抗したアメリカの食肉業界が、売り上げ減に苦しむマクドナルドの圧力により数週間で対策受け入れ。金鉱山のシアン化物汚染対策を訴える環境団体がティファニーに圧力をかけ、環境対策に力を入れているリオ・ティントと契約を結んだ事例、などが挙げられてました。そういえば「ザ・コーポレーション」いう映画(本も)ありましたね。

  • 過去に消滅もしくは崩壊した社会の具体例を挙げて、何が崩壊の要因となったのかを検証していく。イースター島、ピトケアン島、アナサジ族、マヤ、ノルウェー領グリーンランドが例として挙げられ、各々の崩壊の要因として、環境被害、気候変動、近隣の敵対集団、友好的な取引相手、環境問題への社会の対応の五つを挙げている。
    環境がいかに脆いものであるか、そして過去に滅んだ文明の統治者がいかに近視眼的であり、危機を過小評価していたかがよくわかる。
    そして、これらの過去は、将来への警鐘となっている。

  • 10.10.9 落合氏蔵書

  • 内容は衝撃的だった。環境経済学を勉強し始めたのもこの本が影響している。

  • 前半は滅亡した文明史であり、退屈。
    後半は現代史であり、興味深い。人口圧力が環境破壊、ひいては、虐殺を招く要因のひとつなど。

    ジャニス 集団思考 ケネディ大統領が学んだもの

  • 歴史
    社会

  • イースター島やマヤ文明が滅亡理由は、ロマンチックな話ではなく、人間が生きていくための必然的な環境破壊と気候変動だった。宇宙人説とか聞いたことがあるけど、ここまでしっかりした形で滅亡の過程を描いてくれている本は初めてだ。なかなか興味深い。


    以下注目点
    ・イースター島がかつては人口密度の高い豊かな土地で、モアイ像を建てられるほどの力のある社会だっとは驚き。そしてその崩壊の理由が人間が生活することにより必然的に起こる環境破壊が原因だったとはさらに驚きである。その終末は人肉食に陥るという無残な事実も認識した。
    ・古代マヤの崩壊した原因は、戦争と干ばつ。食料の供給と輸送に限界があり、小国が乱立。
    ・グリーンランドが崩壊した理由の一つは、権力が集中し、危機的状況にあっても、権力者のための行動が優先されたことにあったから

  • 【要約】


    【ノート】
    ・小川さんのオススメ

  • 面白いけど、説明がクドイ。
    イースター島のモアイって思ったより最近だったんだね。知らんかった。

  • まあまあかな

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著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞、マッカーサー・フェロー、ブループラネット賞など受賞多数。

「2019年 『危機と人類(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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