日はまた昇る 日本のこれからの15年

  • 草思社
3.03
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本棚登録 : 148
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (160ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214737

作品紹介・あらすじ

ゆっくり着実に歩むカメ(日本)が、足の速いウサギ(中国)に勝つ!『日はまた沈む』の著者がついに日本復活を宣言。東アジア情勢、靖国問題をも論じる待望の書。

感想・レビュー・書評

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  • 1

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    ── エモット/吉田 利子・訳《日はまた昇る ~ 日本のこれからの15年 20060131 草思社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4794214731
     
    ── エモット/鈴木 主税・訳《日はまた沈む ~ ジャパン・パワーの限界 19900301 草思社》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4794203721
     
     Emmott, Bill 19560806 England /ジャーナリスト
     
    …… 前著は日本の不良債権問題などを指摘し、日本経済の停滞を予言
    したが、今回は日本経済の本来持っている「優れた教育、進んだ技術、
    企業内の協調性の高さ」によって復調を始めたとしている。
     
     かつて、日本は驚異的経済成長を示し、一時は“Japan as No.1”と
    まで言われ、欧米先進国から高く評価された。その日本が1990年前後に
    バブル崩壊してから、長きにわたる低迷の時期を過ごすことになった。
     世界からの評価が急落、また国内においても自信喪失感が蔓延した。
    「失われた10年(あるいは15年)」と言われ、日本は衰退し二流国にな
    るとも言われるほどであった。
     
     ビル・エモットは「日はまた沈む」をこの停滞の時期を迎える直前に
    出版したため、大いに評価された。その論拠として、金あまりの企業に
    よって根拠に乏しい投資が過剰に行われていること、金融機関の不良債
    権の増大やモラルハザードなどをあげていた。日本人としては耳が痛い
    ことが書かれていたが説得力のある本だった。
     
     その著者が「日はまた昇る」というわけだから、日本人としては期待
    して読んだ人が多いと思われる。しかし、本書の中身は「昇る」と言う
    ほどのことは書かれておらず、耳に心地よいことが書かれていると思っ
    た読者は少々期待が外れたのではないだろうか。
     
     「また昇る」の論拠としては不良債権の圧縮が進んだこと、企業業績
    が回復したこと、雇用の増加などをあげている。それが力強く歩みはじ
    めたわけではなく、兆候が見られるようになったというような表現で、
    非常に慎重に書かれているという印象が強い。日本の変化は劇的改革で
    はなく、非常にゆっくりとしたものだったし、これからもそうだろうと、
    極めて慎重な記述である。
     
     前著は経済書としての色合いが強かったが、本著は政治面の記述が多
    くを占めている。小泉前総理による解散総選挙の圧勝と改革について記
    述しているが、その改革が継承されるか懸念を示している。
     
     また、靖国問題、北朝鮮、中国との摩擦など政治面の不透明さを論じ
    ることに多くのページを割いている。このように日本を取り巻く様々な
    事象に触れており、かなりの日本通と思われるが、通信費が依然として
    割高と述べるなど、少々事実誤認の部分もあるようだ。しかし、欧米人
    が日本をどのように見ているかがよく分かる書であることは確かである。
    https://www.planet-van.co.jp/shiru/chairman_library/35
     
    (20220106)
     

  • 地元のブックオフで購入する。その当時の熱気が伝わってくる本です。また、日本の政治、経済について、よく調べられています。著者は、「日はまた沈む―ジャパン・パワーの限界」等の著書で著名な元エコノミスト編集長です。テーマは、小泉後の日本経済です。第1に、派閥の機能を大きく変えた点です。旧来、派閥の主な機能は、資金分配機能、役職分配機能でした。小泉首相により、それらの機能は奪われました。第2に、幹事長に権限を集中したことです。旧来、資金分配機能は、幹事長ではなく、派閥が持っていました。その機能を幹事長に集中させました。政治家は、派閥ではなく、党に忠誠を尽くすことになります。最後に、小泉首相が、世論の支持を背景にすれば、このようなことができることを示した点です。後継首相は、このようなことをやる義務はありません。ただし、後継首相、国民ともに、上記のようなことを出来ることを体験したことが重要なのです。

  • 2

  • 新書で2冊ほどこの方の本を読みました。

    評価はどちらも低かった気がします・・・

    そして、この方の本を手に取ったの理由がこの本を書いたと言う実績です。

    著者は日本のバブル崩壊と2006~7年ごろの復活を予想したことで評価されています。

    ちなみに2006年に「これから10年新黄金時代の日本」と言う本を出しています・・・

    内容自体は過去の振り替えとなってしまいましたが、この本にも2005年頃の中国の反日デモのことが書かれており、最近の尖閣諸島の問題と重ね合わせると、とても興味深く読むことができました。

    当時との決定的な違いは日本にとっての中国の位置づけです。
    5年でここまで変わったことに改めて驚きを覚えました。


    本の内容自体は字が大きく、薄いこともあり、期待していたほどの本ではありませんでした。
    もうこの人の本はいいかな・・・

  • 中国経済研究の輪読書。

  • 20070530
    ビル・エモットおじさんの日本本の続き。

    失われた10年で構造改革が進んでおり、準備万端だぜ!って話。
    正直どうでもいいw

    靖国問題も、外人の割には冷静な論だった気がするが、これも正直どうでもいいw

    以上

  • 0302

  • 図開架 332.107:E54
    館長おすすめコーナー

  • 2006年7月に読んだ。
    ヘミングウェイの同名の作品とは何の関係もない。

    もともと「日はまた沈む」という著書にて日本の不況を言い当てた作者の二匹目のどじょうっぽい本だが、現在の景気上向きの傾向をみているとあながち否定はできない。

    しかしデフレ状態でのこの景気上昇についてもっと分析してほしかった気がする。

    外国人による日本の視点が斬新であるが、ちょっとそれは違うだろうという部分もあった。

    靖国問題にも正面から踏み込んでいる。

    15年後まで見据えているとのくだりがあるが、アメリカの政策ひとつでまたいつ沈むかわからないことを付け加えたい。

    そう、あのプラザ合意からはじまった一連の日本の混乱のように。

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著者プロフィール

ジャーナリスト
1956年イギリス生まれ。80年に英「エコノミスト」誌ブリュッセル支局に参加。ロンドンでの同誌経済担当記者を経て1983年に来日、東京支局長としてアジアを担当。86年に 金融担当部長として帰国、その後ビジネス部門編集長となり、1993-2006年、同誌編集長を務める。1990年、日本のバブル崩壊を予測した『日はまた沈む』がベストセラーに。2006年には日本の経済復活を宣言した『日はまた昇る』が再び話題となる。

「2019年 『日本の未来は女性が決める!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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