アドルフ・ヒトラーの一族: 独裁者の隠された血筋

  • 草思社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (309ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794214829

作品紹介・あらすじ

ヒトラーが終生隠し続けた闇-そのスキャンダラスな出自と家庭環境を、多数の未公開資料や当事者の証言をもとに明らかにしたはじめての書。

感想・レビュー・書評

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  • 家族とは縁薄い人だったというか、あまり人付き合いの上手な人ではなかったみたいですね。姪はともかく、兄弟姉妹にはあまり関心がなかったように思いました。廻りが気を使って優遇しようとするのを最小限に押えたような節もあるし。

    普通の家族というか、とりたてて才がある人たちではなかったみたいですね。独裁者が出なかったら本にもならなかったような家族でした。

    ただ、最後の書いてあったシベリア送りになったりした遠縁の方たちは不運だったなあと。

    同時期に『ヒトラー~最後の12日間~』という映画をみている。実際に読んだり、映画を観たりしたのは、もっと早かったのだと思う。

  • 東条英機は日本人で子孫も生存しているから日本ではいろいろ追及できないけれど、対してヒトラーは外国人だし子供もいないからドイツは深く追及できる、みたいな話しを昔どこかで読んだことがあって、それは一理あるんだろうけれど、直系の子孫はいなくても、これほど親族がいたとは思わなかった。しかもそのままヒトラーという姓でいる人たちもいるとは・・・(原著が出てもう10年経ってるから、また少し変わってるかもしれないけど)!ヒトラー自身よりも、そういう人たちがあの時代をどう生きて、また今もどうしているのかにも興味がある。

  • ヒトラーの父アロイスが、ヒトラーという姓をつくった。新しい家系をスタートさせた。
    ヒトラーの異母姉のアンゲラはユダヤ人食堂で働いていた。
    妹のパウラは相当の妹という立場を失い、無名の人間として生活せざるをえなかった。偽の誕生日のパスポートも発行された。

  • 2012/12/8

  • ヒトラーの一族について、出自や生い立ち、その後の人生、ヒトラーとのかかわりについて触れた本。

    ただ、これを記すことで、この著者が何を伝えようとしたのか、よくわからなかったが、ルポルタージュなので、バイアスをかけないようにしたのかもしれない、。

    父親の乱れた女性関係や、年下の近親者が好きな性癖が、ヒトラーにも遺伝した?かといってそれがあの独裁者を作り出し、国を間違った方向へ導いたという理由にはならないわけだし。

    丹念な取材の跡は伺える。

    ヒトラーの一族というだけで、いまもなお、苦しむ親族がいるが心情を察して余りある。

  • ヒトラーの近親者、親戚の自伝のようなものを並べることで、ヒトラーの人物像を浮かび上がらせるという仕掛けになっている。
    彼の父親が2人の妻を持ったため、彼の家系も複雑なものになっている。世紀の独裁者の周りの人々はヒトラーと同じ血統を持つ者として、一般人とは違う運命をたどることになる。それぞれのストーリーも面白いし、前記のとおり、ヒトラー中心の視点から読んでも面白い。

  • 表紙の写真を見てみよう。まんまるい目でこちらを見つめ返す、生後いくばくもない赤ん坊。これぞ本書の本質である。
    放浪癖があり、確固たる生活を築けなかった祖父。強権的な暴力男で、父娘ほども歳の離れた、ことによると異母妹と結婚した父。金品を与えて甘やかすことしか知らなかった母。重婚罪を犯した兄。かたくなにいがみ合う姉と妹。叔父との痴情のもつれで死んだ姪。「有名な叔父」の存在を知って最初に思いついたのが、ゆすりたかりだった甥。かれら血族の裡には無数の「アドルフ・ヒトラーのかけら」が見出され、血は争えないというか蛙の子は蛙というか、つまり「彼」はこの地上に降って湧いたモンスターではないことが知れるのである。
    代名詞のような反ユダヤ主義でさえも、断じて彼のオリジナルではない。古来ヨーロッパ社会にはびこる宿痾が、第一次大戦に敗れたあとの不安社会で叢雲のごとく盛り上がったのに、当時の幾多の浅慮な若者と同じくかぶれたのにすぎないのだ。
    唯一彼が彼のものとして持っていたのは煽動の才能くらいだが、それすら彼が自分のものとしていた形跡は窺えない。たとえば、ごく幼少のみぎりから「小さなカリスマ」として君臨していたとか、凄腕の詐欺師になるとか、女を次々侍らせるとか。中等教育以降は落第をくり返し、友人も少なく、ニートとホームレスの中間のような生活をしていた彼は、あらゆる意味で「ひとかどのやつ」ではなかった。

    要するに彼はただの人間、それもつまらぬ部類のそれだった。
    そんな人間が、あそこまでの所業をしでかした。なればこそ、死後数十年を経てなお、アドルフ・ヒトラーには研究価値があるのである。

    2011/7/15読了

  • ヒトラーの一族が複雑すぎて一気に読み切らないと途中でわからなくなります。
    勉強になったかというと、そうでもないような…。
    ただ、背表紙の一族の系図は面白いです。

  • ヒトラーの一族について徹底的に調査して書かれたはじめての本。独裁者が終生隠しつづけたその出自を数々の未公開資料や証言などをもとに生々しく再構成する。

  • アドルフ・ヒトラーは自分の出生の秘密を生涯隠し通した。
    自分の過去にまつわる痕跡を徹底的に削除したのである。
    そのスキャンダラスな出自と家庭環境を、多数の未公開資料や当事者
    の証言をもとに明らかにする

  • ヒトラーの祖父、父母、その兄弟たち…ものすごく多くの血縁者を丹念に追って調査した本。その錯綜した血縁関係にはビックリ。女グセが非常に悪く、強圧的・暴力的な父アロイスから始まってかなりな奇人変人ぞろい。だいたいにおいて怠け者で享楽的なくせに目立ちたがりで一攫千金的な夢を見る輩が多い。ヒトラーが有名になりそしてついには総統として国家の最高位につくや、そのおこぼれにあずかろうとする者もいる。甥にいたっては叔父アドルフの感心を買おうとして果たせず腹いせにアメリカに行って反ナチ活動をしたり米軍に入って第2次大戦を闘ったりしている。

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