- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794215024
感想・レビュー・書評
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2000年12月30日に起きた、通称「世田谷一家殺害事件」をジャーナリストである著者が追ったドキュメンタリー本。
警察がついには捕まえることができなかった犯人の正体に、著者が点と点を紡いで、真相を暴き出す。
この事件はなぜ起きたのか。どういった動機で、なぜ無残な事件になってしまったのか。
一つ一つ点を紡いでいく中で、大きな絵が現れてくる。
警察の裏事情や外国人犯罪グループなど、様々な描写が描かれております。
安全神話日本。改めてその現場を見つめ直す必要があるのではないでしょうか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2000年12月30日の夜半から翌日未明にかけて、東京世田谷区で起きた殺人事件を取材している。
被害者となったのは両親とまだ幼い娘と息子の四名だった。
多くの遺留品が残されていたにもかかわらず、いまだに未解決事件となっている。
どれほど凶悪であっても、目を背けたくなるほど悲惨であっても、時が経てば当事者以外の人たちの記憶は薄れていく。
どこかに自分とは関係のない、遠い世界の出来事のような気がしているからだろう。
けれど、遺族にとっては何十年経とうとも忘れることなど絶対にない事件であることは間違いない。
この物語は一応ノンフィクションとして出版されている。
だが完全なノンフィクションか?と問われると、そうではない・・・と言うしかない内容である。
丹念な取材により積み上げられた事実によって導き出される結論。
それらを表したものがノンフィクションというものならば、その定義からは少しズレているからだ。
証言者の氏名や立場を明らかにしないのは、取材をする者としての配慮だとも思える。
だが、それらの証言の信憑性にはまったく言及せずに鵜呑みにしている。
警察すらも把握していない・・・もしくは把握していても信憑性に問題があって事件解決には結びつかない証言。
それらのみで事件の真相を掴んだというのは早計すぎるような気がする。
安全だと思われている日本だが、昨今は凶悪犯罪も頻発している。
通り魔事件だけでなく、何の接点がなくても襲われる場合だってある。
日常に潜んでいる危険をけっして忘れてはならない。
そんなことを読みながらあらためて感じた。 -
私はこういったドキュメンタリーが好みなのかもしれません。こう言っては不謹慎かも知れませんが、こういった惨劇の裏側を知るのは、地獄の一角を除くに近いのかなぁと思います。凶悪事件の裏側を知れば何か理解できるでしょうか? '2210/2 '2311/19
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3.2 世田谷一家殺害事件の謎解きルポルタージュ。真実ぽく書いてはいるが、実際の犯人はわからないままである。謎の殺人への恐怖感だけが残る。
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話がだらだらとしてて何の話?ってのが続いて読む気が失せ放置してたけど、久しぶりに手に取り少し我慢して170ページくらいまで読んでみたらそこからはどんどん読み進めていけた。
こちらは世田谷一家の話だと思って本を開いたのだから、世田谷の話を先に書いてからその他の事件に遡る方が面白く読めたはず!
そこまで、そんな詳しくわかっていながらも、誰一人逮捕できていないってちょっと・・・ご親族の気持ちを考えると・・・
で、その3人の写真を見たいです。 -
★もう少し抑え目でも★今更ながら、別の本で触れられていたので読んだ。アマチュアの外国人犯罪ネットワークというのはそれなりに説得力がある。出版当時、警視庁が反論したというが、犯人が捕まっていない段階ではどちらが正しいのかは分からない。
内容の成否はともかく、清水潔との違いは「警察の内部情報を得ているんだぞ」という匂いがプンプンとすることだろう。自分の取材に厚みがあり、縦割りの警察批判をしているとはいえ、形容詞も多すぎる。被害者の親族が出版直後に反論したというのも、清水と違って自らの功を焦っている感じがしてしまう。 -
恐ろしい事件で思わず書を手に取った。
早く犯人が捕まって欲しい。 -
読んでるうちにフィクションかと思うほどの残虐さ。
外国人留学生による犯罪グループ。
すごい。金塊を家に置いてる家をありとあらゆる情報網から探し出して、皆殺しにしてから金品を奪う。
しかも、情のカケラもなく皆殺し。全く後悔の念などはなくカネの重さのみしか考えてないような行動。
本当にいるんだ。
アンダーグラウンドに生息する犯罪グループ。ヤクザとか精神異常者とかの殺人じゃ全くなく、とにかくカネ。そして、警察の実態。
本当なの!?本当!?と、思うほどに一家惨殺事件から始まる様々な事件との繋がりが見えてきて、日本人の平和ボケとはいうけど、2002年からひろがるこうした犯罪は本当にあるんだと、改てビックリしてます。