数で考えるアタマになる!―数字オンチの治しかた

  • 草思社
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794216229

感想・レビュー・書評

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  •  致命的な点として翻訳がひどい。例えば数字の表記に限っても「漢数字とアラビア数字が混在」している、数字の3桁区切りの記号に読点が用いられている、などなど。扱っているトピック上、組み合わせ数などで桁数の多い数値がよく出てくるのに縦書きな上に3桁区切りが読点の為にその数字が一体いくつなのかがさっぱり分からない。(例えば123億2350万2358は、縦書きで12、323、502、358と書かれている。)

     そこを乗り越えて一通り読んでみたが、本書の「数字オンチの人たちを減らしたい」という目的は達成できないだろうと思う。まず、例題の解答に対しての解説が不親切過ぎる。本書では「数字オンチはこういう所を見誤る」という例をとても多く説明しているのだが、その殆どが解説不足。一部に至っては問題提起だけして、解答がなかったりすらする。

     勿論、それは自分の頭で考えなさいって事だとは思う。ただ、私自身が数字オンチの部類に属するので分かるのだが、最低限の情報だけ渡され問題をいちいち解く事をしないから数字オンチになるのだ。だから、数字オンチの人に数字オンチを改善させる為の本であればワンステップずつ説明する丁寧さか、斬新な分かりやすさが必要になる。しかし、本書ではそのどちらもない。

     次に、本書の文章を読んでいると端々から数字オンチを否定どころか小バカにしている印象を受ける。それもその筈、後書きを読んでみれば、本書を書く動機は数字オンチへの否定かららしい。しかし、本を書く以上それを見せてどうするの?と思う。読んでもらいたいのはその数字オンチの人達でしょ?その人達を小バカにした文章書いたら読んでもらえるものも読んでもらえないし、伝わるものも伝わらないでしょ。(この手の「なんたらリテラシーが足りない」っていう本を大学教授が書くと大抵この手の罠にはまっている気がする。)

     仮に本書がベストセラーになっても、数字オンチは減らないだろう。本書は数字オンチに確率を学べと言っているが、個人的には著者はマーケティングセンス(というより読み手の分析)を訳者は数学書の書式を学んだほうが良いと思う。ブックカバーの著者紹介を見ると、著者が大学教授、翻訳者がサイエンスライターと紹介されているのが皮肉にしか聞こえない。

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