プロの残業術。 一流のビジネスマンは、時間外にいったい何をしているのか?

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 489
感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794217240

作品紹介・あらすじ

これまで無数のトップビジネスマンと接してきた著者が、一流のプロフェッショナルの「残業時間の使い方」について、持てるノウハウをすべて公開。なんとなく残業をしてしまっているあなたの仕事観を根底から変える、まったく新しい働き方。

感想・レビュー・書評

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  •  ゆとり教育はものの見事に消え去った。詰め込んでいた学習内容を削った代わりに生まれた成果は何も無かった。今じゃゆとり教育の影も形もないけれど、ゆとり企業はいまだに残っている。定時に仕事を終えて、プライペートな時間を楽しむ。そんなクオリティ・オブ・ライフの充実を推奨する社会になった。その背後に経済の停滞があるってことはサルでもわかる。

     今となっては、ゆとり企業は人件費を削るための都合の良い理由となってしまっている気がする。リストラで人を削って、なお過剰労働を禁止するとどうなるか。会社が強制する過剰労働を禁止するためのノー残業運動だったけれど、結果的には過剰労働の実態は変わらず、会社が責任逃れをしたような形になった。個人が自発的に残業をしているということになるから残業申請もしないし残業代は出ない。

     仕事を定時に終えて、プライベートを充実させようというキャンペーンと、会社に隠してまで残業に励む人がいるという現実。その間にあるズレに違和感を持っていた。だってなんだかんだでみんなハードワークしてるじゃんてところで。その矛盾にこの本はぐさりと突き刺さった。やっぱり、仕事しまくりの方がいいんだ、そう思えた。
    ただ、そこはワーカホリックとはちょっと違って、闇雲に仕事をするんじゃなくて残業の時間は自分のための仕事に時間を使うということ。その時間の使い方は仕事じゃなくても、興味のあることに取り組むのだっていい気がする。要は時間を使い切るということじゃないだろうか勝手に判断すると。ただ、残業時間に仕事に関することをやった方が能力は上がるし、評価もあがるから良いじゃんていう感じだろう。そうなると一日は仕事一色になり、結局、過去に逆戻りしている気がするけれど、ちゃんとそこは織り込み済み。残業時間は自分のための仕事をして、会社に絡め捕られるようなことのないようにとのこと。

     会社のための仕事と自分のための仕事と分けて考えてみると、なるほどあのひとは会社のための仕事に忙殺されている。なるほど、あの人は自分の仕事をおろそかにしていないと、より詳しく周りを見ることができる。自分の仕事の時間を比べてみると、ハードワーカーも平凡リーマンもそう違いは無いんじゃないだろうか。
     もう一つ、よく考えると当たり前のことなんだけど今まで聞いたことがなかったことが書いてあった。
    『「考える時間」を効率化することはできない』
    確かにそう。だから言い換えると、考える時間を作るためにその他のルーティーンワークや雑務を超効率化してやっつける
    ということ。残業時間に生まれた「考える時間」これはゾクゾクするほど楽しい仕事になるに違いない。
    あと、人が職場で苦しむのは時間ではなくストレスであるということ。
    アー、これも確かにそう。
                      

  • 内容紹介
    本書の著者は、世界を舞台に第一線で活躍する現役のコンサルタントであり、これまで経営者だけでも最低3000人以上に面接してきたというキャリアの持ち主。
    そんな著者の持てるノウハウが凝縮された1冊とあっては読まない手はないだろう。

    著者によると、基本的に、人間の潜在能力は人によりそれほど変わるわけではない。
    しかし、本などで「効率化」のTIPSなどを身につけた人がそれによって、上に行っているわけでもないという(曰く、すでに入社3年目以上の自覚的に働いているビジネスマンにとっては、「効率化」のプロセスは終わっており、あまり意味がない)。

    では何が能力やキャリアに差をつけているかというと、それが「残業時間の使い方」だという。
    定時までと定時後では、職場の空気が変わるだけでなく、個人の脳の働き方も変わるため、その時間帯に何をするかはじつは極めて重要な問題であり、ただなんとなく残業をしてしまっている人と、定時以降の時間の使い方に効果的な習慣を持っている人とでは、結果的に著しい差がつくことになる。

    具体的には、定時を過ぎたら、同じ仕事をだらだらと続けるのではなく、意識を切り替えて「違う仕事」をすることがポイントになってくるという。
    たとえば受付からヒューレット・パッカードCEOになったフィオリーナやインド出身の女性でありながらペプシのCEOまで上りつめたヌーイなどはどのような工夫をしてきたかなど、超一流のプロフェッショナルの働き方も紹介されている。

    「残業しない技術」などのビジネス書は世に溢れているが、これまで残業時間の動き方に着目した本は、どういうわけか一切なかった。
    なかなか仕事に前向きになりにくい時勢の昨今だが、本書が示す働き方は自分を守る力を引き寄せるものであり、現状の閉塞感に対する有力な答えと言えるだろう。
    「これからの働き方」を模索しているビジネスマンにとって「バイブル」となり得る1冊だ。



    いやー
    もっと熱く生きたいというか生きなければならないなぁ・・・
    なんて考えたりします。。。
    日々成長!
    改善!
    大事です。
    楽しもう♪

  • 「自分のためにやる残業は楽しくて苦痛ではない」というところなどは、納得感があり自分も実際にしていたことを言っているところもあるけど、「ノー残業の風潮はいかがなものか」など、ちょっと極端に議論を振っていると感じたところもある。
    僕はノー残業時代も、アホみたいに私的残業してた時期も両方経験してるけど、結局「私的残業=自分が好きでかつ自分にプラスになることに時間を使うこと」と考えれば、本書は的を得たことを言ってると思う。

  • ハンディは残業で埋めるしかない。
    ゆとり起業社会の押し売りの犠牲者になるのは自分。
    キーワードは、楽しんでする「自分のための残業」=「私的残業」上司や目標とする人の業務ファイルを読むこと。施錠されていないもの、アクセス権の制限のない資料は、すべてスキルを身につけ、偉くなっていくための財産。
    自分だけの「作戦本部」を持て。公共の場所で、人の目がきにならないところを書斎にする。
    同行訪問をしてくれたときに上司と喫茶店に行き、そこでコーヒーを飲みながらフィードバックをもらう。
    残業の効率を保つための5つのルール
    1.徹夜は避ける
    2.できるかぎりよく寝る。
    3.無理を重ねない。
    4.帰りに飲みに寄らない。
    5.長引くようならまんじゅうをほおばる。
    私的残業とは、自分の成長のためにする残業。

  • ノー残業ブームな昨今ですが、「残業する人は仕事を効率的に終わらせられないダメな人」という考え方に異議を唱える本。
    定時後は自分のための残業を行うということと、何をすればいいかを紹介しています。

    ゆとり教育の失敗を、今度はゆとり企業でやられたら、「学習や仕事のできない人」になって損をするのは自分自身。
    ゆとり教育のときは子供を塾に通わせる親が多かったけれど、ゆとり企業で自分を守れるのは自分だけ。
    …というのに納得です。

    今の新入社員に読んでもらいたい一冊ですね。

  • 面白い

  • たまにはビジネス書、、、

    効果的な時間の使い方を学びたいと思い、「長野慶太」の著書『プロの残業術。 一流のビジネスマンは、時間外にいったい何をしているのか?』を読みました。

    ビジネス書を読むのは、10月に読んだ「桑原晃弥」の著書『スティーブ・ジョブズ 神の遺言』以来ですね。

    -----story-------------
    本書の著者は、世界を舞台に第一線で活躍する現役のコンサルタントであり、これまで経営者だけでも最低3000人以上に面接してきたというキャリアの持ち主。
    そんな著者の持てるノウハウが凝縮された1冊とあっては読まない手はないだろう。

    著者によると、基本的に、人間の潜在能力は人によりそれほど変わるわけではない。
    しかし、本などで「効率化」のTIPSなどを身につけた人がそれによって、上に行っているわけでもないという(曰く、すでに入社3年目以上の自覚的に働いているビジネスマンにとっては、「効率化」のプロセスは終わっており、あまり意味がない)。

    では何が能力やキャリアに差をつけているかというと、それが「残業時間の使い方」だという。
    定時までと定時後では、職場の空気が変わるだけでなく、個人の脳の働き方も変わるため、その時間帯に何をするかはじつは極めて重要な問題であり、ただなんとなく残業をしてしまっている人と、定時以降の時間の使い方に効果的な習慣を持っている人とでは、結果的に著しい差がつくことになる。

    具体的には、定時を過ぎたら、同じ仕事をだらだらと続けるのではなく、意識を切り替えて「違う仕事」をすることがポイントになってくるという。
    たとえば受付からヒューレット・パッカードCEOになった「フィオリーナ」やインド出身の女性でありながらペプシのCEOまで上りつめた「ヌーイ」などはどのような工夫をしてきたかなど、超一流のプロフェッショナルの働き方も紹介されている。

    「残業しない技術」などのビジネス書は世に溢れているが、これまで残業時間の動き方に着目した本は、どういうわけか一切なかった。
    なかなか仕事に前向きになりにくい時勢の昨今だが、本書が示す働き方は自分を守る力を引き寄せるものであり、現状の閉塞感に対する有力な答えと言えるだろう。
    「これからの働き方」を模索しているビジネスマンにとって「バイブル」となり得る1冊だ。
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    最近は、時間内で効率的に仕事を仕上げ、残業ゼロを実現することが美徳とされる風潮がありますが、本書は、残業の大切さを説いている珍しい著書… そのテーマに興味が湧いたので読んでみました。

    本書は以下の5章で構成されています。

     ■はじめに──その仕事のやり方で、あなたは本当に幸せになれるか?

     ■Part1 一流になるにはなぜ「プロの残業」が必要か
      ・人間の潜在能力はあまり変わらない。では、なぜ差が出るのか
      ・受付嬢はこうしてヒューレット・パッカードCEOになった
      ・効率を上げるには、いつ働くのが正しいのか
      ・理想の残業術は、タイガー・ウッズが知っている
      ・残業時間に「見える」情報とは何か
      ・早く帰れば帰るほどあなたの重荷は増していく

     ■Part2 残業時間を「自分のための時間」に変える
      ・あなたが「プロになる」ために必要なこと
      ・案件は「はい」と受け止めてから私的残業で戦略を練れ
      ・急いては事をし損ずる。「考える時間」を確保しろ
      ・人脈を広げる残業の習慣術
      ・私的残業でできる「一夜で自分を変える瞑想法」
      ・少数精鋭しか残らない環境をつくれ

     ■Part3 「一流の仕事」を生み出す、時間外の行動力
      ・最も成果につながりやすい「時間割」をつくる
      ・ハンディはあるほうがいい。ハンディの克服で力を伸ばせ
      ・書く仕事は、残業時間に輪郭をつけて日中に整えろ
      ・なぜ外資系企業の社員はアウトプットが高いのか?
      ・本当にあなたを育てる研修は「非売品」
      ・自分だけの作戦本部を持て
      ・私的残業で「悪い情報」をどんどん集めろ

     ■Part4 一段上の「イレギュラーワーク」で力をつける
      ・ワタミ社長の言う「24時間闘争」とは何か?
      ・「5時に帰るアメリカ人」はどう働いているのか
      ・イレギュラーな時間にイレギュラーな仕事をする
      ・飲み会は遅刻しろ!
      ・残業時間に得られる「成長の処方箋」を利用しろ
      ・イレギュラータイムの効率を最大限に上げる
      ・仕事が速い人は「一回し」がうまい
      ・部下の残業の「終了時間」を決めろ

     ■Part5 それでも残業がつらいというあなたへ
      ・ストレスをなくすには「病原」を正確に特定しろ
      ・その残業は、本当にあなたのためになっているか?
      ・感動はただでは手に入らない

     ■おわりに──夢は追うけど急がない


    残業ゼロとプロの残業、、、

    どちらがイイか、簡単に結論が出せることではありませんが、本書を読んで自分自身のための戦略性の高い残業であれば、個人にとっても、会社にとっても意味のある残業だと感じましたね。

    一人ひとりの価値観も違うし、働く環境も違うので、本書のアドバイスをそのまま適用するのは難しいでしょうが、仕事をするうえでのヒントになりました。

    まぁ、結局は成果を出せるかどうかがポイント… そのために、プライベートな時間も含めて、時間をどう使うかということなんでしょうねぇ。

    具体的なところでは、

     ◆時間優先でプライオリティ付けをして業務を行うと、劣位の業務はいつまでも残る。

     ◆(残業で)熟考して、(翌日には)質の高いアウトプットを出さなければ、上司には認められない。

     ◆自己暗示により、職位の高い上司の目線(瞳)で仕事を振り返る。

     ◆頭を切り替えると効率は落ちる、休みながらも戦える態勢を維持する。
      (能力差よりも、考えた時間の長さが結果に差を生む。)

    等々は、自分の仕事を推進するうえでも参考になる内容でした。

    仕事で使える内容は、明日からでも活かしていきたいですね。

  • 未感想

  • 独特の視点と、切り口で一つの意見として参考になるビジネス書。残業を勧める論調だが、それが「私的残業」と言うオリジナルな視点が、特に参考になる。サービス残業とは一線を画するところが、万人受けしないかも知れない。でも、この著者の本は別のものも読みたくなった。

  • 1.このご時世になぜこのようなことを言うのか、残業するにあたって、自分の成長に費やす以外のことを言ってるか確認したかった

    2.残業は、自分のために費やすものであって、常に業務を根本的に見直すことはいわずもがなやること。自分のやりたいことに時間を投下しない限りプロにはなれないので、それを残業で補うと言う主張をしてます。
    残業を推奨していますが、今の日本が行ってる無駄な残業を推奨してるわけてはないところがポイントです。自己成長につなげるための時間として有効的に使いなさいということで、そのためには環境を整え、最適な状況を作りなさいということです。

    3.納得できるところもあるが、できないところもあるというのが感想です。常に問題を抜本的に改善したうえで残業しろということですが、それすらも時間内に終わればいいのではないか?と思ってしまいます。そして、成長のための残業という言い方が今の時代には響きにくいのかなと思いました。

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著者プロフィール

1965年生まれ。慶應義塾大学経済学部、米国ウォーデン大学院修士(MBA)卒業。銀行勤務などを経てラスベガスで対米進出コンサルタント会社「ネバダ・ジャパン・コンファレンス」を起業。米国ネバダ州在住。著書は、『プロの残業術。』『TIME×YEN時間術』(いずれも草思社)、『部下は育てるな! 取り替えろ!!』(光文社)、『プロの交渉術。』『辞表を出して次へ行け!』(いずれも大和書房)など多数。

「2013年 『文庫 プロの残業術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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