少年の日の思い出 ヘッセ青春小説集

  • 草思社
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本棚登録 : 260
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794217912

作品紹介・あらすじ

日本の中学教科書に長く掲載されてきた『少年の日の思い出』新訳を中心に青春小説の傑作『美しきかな青春』など、四作品を集めたヘルマン・ヘッセの短編集。名作『車輪の下』と同時期に書かれ、同じ世界が描かれている。

感想・レビュー・書評

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  • 書店で見かけて、買わずにはいられなかった。
    何故か文庫にも全集にも入っていない「少年の日の思い出」。かなり長い期間中学校の国語の教科書に載り続けているから読んだことある人も多いはず。

    ヘッセの作品の中では1番好き。

    しかし当のドイツでは全く読まれていない作品らしい・・。

    少年~青年期の青春を描いた四作品入りです。新訳。

    巻頭には「少年の日の思い出」に出てくる蝶々と蛾のカラー写真が付いています。

  • 日本の教科書で有名な少年の日の思い出を含む4編を収録。どの作品にもヘッセの青春時代と故郷が反映されており、平和で朗らかで、清々しい気持ちを与えてくれる。
    ちなみに、有名な表題作については、高橋健二氏がヘッセを訪問した際に受け取った現地の新聞に掲載されていた作が、後に日本で広まったものであり、ドイツではまったく知られていない。

  • 国語の教科書に載せるに適した分かりやすさと複雑さを持つ作品だと思います。思春期の頃の少年が持っていそうな陰の感情を巧みに表現しており、誰しも似たような経験を照らし合わせるのではないでしょうか。この少年が、悩みながらも開けた未来へ向かってゆくことを願います。

  • どれも若い日の、なつかしい、青い、苦い思い出が綴らられている。

  • 犯した罪をどう償うのか
    犯された罪をどう罰するのか

    標本少年たちの甘酸っぱい青春文学

  • 教科書にも取り上げられたヘッセの短編小説が、表題作。
    ああ、そうか読んだかも、という感じ。
    ほかの短編も、ヘッセの自伝っぽい短編。心緩やかに読み進められるのがうれしい。

  • ここに収録されている短編の第一話「少年の日の思い出」は中学校の1年の国語の教科書に出ていたものだったのでそれが読みたくてこの本を買った。第一話での蛾の名前は「ふうさん蛾」ではなく「クジャクヤママユ」と名を変えていたが、読んだお話の印象を当時読んだものとそっくり同じだった。特に導入部分の大人になった自分が訪ねてきた友人に過去の自分の苦い体験を話し出すまでの趣がまた何とも言えない。

  • ここに収録されている短編の第一話「少年の日の思い出」は中学校の1年の国語の教科書に出ていたものだったのでそれが読みたくてこの本を買った。第一話での蛾の名前は「ふうさん蛾」ではなく「クジャクヤママユ」と名を変えていたが、読んだお話の印象を当時読んだものとそっくり同じだった。特に導入部分の大人になった自分が訪ねてきた友人に過去の自分の苦い体験を話し出すまでの趣がまた何とも言えない。

  • 以前、テレビの生放送で『歴史教科書問題』について議論している番組がありました。
    散々議論が進んだ時点で一人のコメンテーターが一言「でも、教科書なんて誰が読むんですか?」っと言った途端にその場が急に静まりかえってしまいました。

    まあこれはかなり極端な言い方だとは思いますが、私自身、学生時代を振り返ってみても、たった一つの内容しか頭の中に残ってはおりません。

    それは、ヘルマン・ヘッセの『少年の日の思い出』という短編小説で、とても強く印象に残った物語でした。

    蝶や蛾の収集に夢中になっていた主人公の少年が、友人が採取した珍しい蛾を盗んでしまうも、罪悪感から彼はその蛾を返しに行こうと考えます。しかし、彼は焦りからその蛾を握り潰してしまい、友人に誤りに行くも、その友人は怒りもせず、軽蔑的な眼で彼を冷たくあしらいます。家に帰った主人公の少年は、自分が収集してきた蝶や蛾を指で一つ一つ押しつぶして行く所で物語は終了します。

    まあストーリーはこんなところですが、思い出して頂いた方もいるのでは無いでしょうか?

    この物語は中学1年の検定教科書に搭載されており、約8割の中学生に読まれているようです。

    教科書では新潮文庫で馴染みのある高橋健二さんの訳ですが、2010年頃に岡田朝雄さんの新訳が出ております。

    因みに私は普段、訳者までこだわっては読みませんが、何故かヘッセだけは読む前から高橋さんの訳じゃなきゃって思いましたし、読んだ後もそう思いました。

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著者プロフィール

ドイツ生まれのスイスの作家。主に詩と小説によって知られる20世紀前半のドイツ文学を代表する文学者。南ドイツの風物のなかで、穏やかな人間の生き方を描いた作品が多い。また、風景や蝶々などの水彩画もよくしたため、自身の絵を添えた詩文集も刊行している。1946年に『ガラス玉演戯』などの作品が評価され、ノーベル文学賞を受賞した。

「2022年 『無伴奏男声合唱組曲 蒼穹の星』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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