文庫 ホタル帰る 特攻隊員と母トメと娘礼子 (草思社文庫)

  • 草思社
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感想 : 11
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794218025

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  • 礼子さんの口述と資料を
    石井氏がまとめていました。

    知覧の事はなんとなく聞いた事がありますが
    きちんと読んだ事がなかったので 読みました。

    やはり 涙なくしては読めません。
    もっと早く負けを決断していれば 
    広島長崎もそうですが
    若い命が失われる事がなかったのに。

    特攻が失敗して生き残った人は
    喜べず 辛い日々を送ったりと
    本当に この戦争は多くの人の心を傷つけました。

    トメさんは 最初は特攻の人たちの母代わりになり
    終戦後は 米兵のママ代わりになり 
    その後 困ってる 人たちの親代わりになって 
    自分は窮しても 食べ物を彼らに提供し続けていった。
    周りの冷たい目にも 絶えて 頑張った 素晴らしい女性だと思いました。

    知覧の事 特攻の事 など もっと周知させないと
    いけませんよね。
    今ロシアの軍事侵攻で多くの人の命が失われています。
    多くの人が 争いをやめようと 思う事が大切です。

  • 鳥濱トメさんに纏わるエピソードを読む事ができる。
    紹介されていたエピソードは、すでに知覧の特攻平和館や富屋食堂で読んだものが多かった。
    だが、もう一度読み返す事ができ、何度読んでも涙が出てしまう。
    「ホタルになって帰ってくる」と言って出兵した方、日本が戦争に負けると海外の資本主義に関する書籍を読み漁り予測していたが病気で亡くなった恋人の元へ行くために出兵した方、猫が怖いという方、飛行機の不調で2度も戻り最後の出兵では電線に引っかかり墜落してしまったという不運な方、沢山の特攻隊の方々一人一人には愛する親兄弟がいてそれぞれの人生があった。
    遺書の文章力の高さには、とても10代から20代前半の方というのを感じさせず、博識な、本来なら日本の未来を担ったであろう優秀な若者達であった事も伺える。それを考えても悔しくてならない。

    鳥濱トメさんの無償の愛があり、特攻隊の方々の事がこうして何年経っても語り継がれて行き、これからも忘れる事は無いだろう。
    生きているうちにこの本に出会えてよかった。

    また、東京には鳥濱トメさんの次女の礼子さんが開いた料理店薩摩おごじょというお店があるのも初めて知った。
    いずれ訪れてみたいと思った。

  • 戦争をしたい人間はいないだろう。日本の歴史を正当化するつもりはさらさらないが、誰かだけが悪くて起きることではないだろう。命をかけることによって少しでも戦局を良くしたい、愛する家族を守りたい。そういう思いに支えられて命を散らした青年たちがいたことをなかったことにするわけにはいかない。涙ばかりで正直読むのが辛かった。特攻隊員の無念さ、そんな形で我が子を失う母親の気持ちを想像すると身を切られる思いがする。

  • みんな誰かの大切な人だった

    最初から最後まで胸が詰まる思いでいっぱいだった。
    特攻隊員として散華した方々は、決して数字ではなく一人ひとり個性があり、才能があり、家族があり、誰かのかけがえのない大切な人だったのだ。
    トメさんたちの言葉で語られるまだあどけない‘神様’たちにとって、富屋の存在はどれほどの救いだったのだろうと思う一方、トメさん自身はちっとも満足していないことが伝わってくる。時代の変化に翻弄されながらも、きちんと相手の目線に立とうとするその姿に女性として憧れる。
    この本を薦めてくれた人は、読むと鼓舞されるといったけれど、私にはまだこの溢れる哀しみや慈しみを受け止められず、ただ忘れてはいけない事実だと心に刻む。

  • 『特攻の町・知覧―最前線基地を彩った日本人の生と死』を読んで
    こちらも読みたいと思っていたら、
    文庫化していたので早速読みました。

    ところどころ似ている箇所があり、
    少しニュアンスが違って表記されている部分もありますが
    後出のこちらの方が近いのでしょうか。

    特攻隊員たちから、
    「小母ちゃん」と慕われていた富屋のトメさん。

    「人生五十年て言うけれど、おれなんかその半分にもならない
     二十年であの世に行っちゃうんだからな、
     あとの三十年は使ってないわけだ。
     だからおれの余した三十年ぶんの寿命は小母ちゃんにあげるから、
     小母ちゃんは人より三十年よけいに生きてくれよ。きっとだよ」

    そう言って、
    出撃していった隊員がいた。
    赤トンボでバリバリお見舞いにくる隊員たちがいた。

    今作の中に登場する隊員たちは、
    私よりも年下ばかりで本当に本当に若い人たちばかり。
    なのに、本当に。

    「おれたち二人だよ。
     おれと滝本でさ、
     二匹のホタルになって小母ちゃんのところへ帰ってくるからね。
     そうだ。
     二匹のホタルが富屋の中へ入ってきたら、それはおれたちだから、
     追っ払ったりしちゃだめだよ、小母ちゃん」

    トメさんには最後の挨拶が出来ない。
    だって、本当の最後に挨拶なんて出来ないから。
    再会するための挨拶だから。

    トメさんが、隊員たちの親に手紙を書く場面。
    哀しみだけでなく、怒りで震えていたトメさんを思うと
    本当に苦しくなる。

    戦争を知らない私が言葉にしても、
    なにも言えないけど、
    当時の状況や言葉たち
    そして写真を見ていると
    本当に本当に胸が苦しくなる。

    戦後のことも描かれてますが、
    やっぱりアメリカ軍の兵士たちも
    若くして遠く離れた日本に戦争をしに来ていた。

    どちらの視点もやっぱり私は日本人としてしか見れないけど。
    でも、以前読んだ本にもあったとおり
    戦時中の兵士が、
    戦争は何も残さない、
    ただ悲しいだけだと書き残していたのを思い出す。

    それなのに、
    この本におさめられている隊員たちの
    表情や笑顔は。
    本当に爽やかで立派で。

    今の世界をどう見ていますか。
    憂えていますか。
    どの時代も人間は、迷ってばかりいます。
    特に私なんかは本当だめだめです。
    でも、
    読めて出会えて嬉しかったです。
    ごめんなさい、でも、本当にありがとう。

    そう言わずにいられない一冊。
    いつかゼッタイ知覧に行く。

  • 戦中から戦後手のひら返しに変わった特攻兵に対する世間の目…
    まだ20数年しか生きていない若者たちが国を守ろうと国のためなのだと信じて散っていった事実。
    決して忘れてはいけないことだと思う。
    特攻という作戦の是非と、このような若者の心意気は同じ議論の対象になるべきではない。
    文庫版あとがきは2010年のものだが、中国に侵略されることを、自虐史観で育てられた戦争を忌避するばかりで、問題視せず許してしまう若者たちへの懸念が書かれている。2022年の今本当に直面している問題…

  • 武田先生推薦

  • 戦後軍国主義否定の中、犬死扱いされていた特攻隊の多くの若者と食堂の女将として、関わっていた鳥濱トメさんを描いた作品は、現在の価値観では測り知れない、当時の国を想い、未来に託した若者達の生き方の壮絶さは涙なしには読めなかった。

  • 偶然、本屋で見つけた、この時期に読みたくなる本なので手に取った。数年前、お盆に知覧へ行った。この本は以前から知っていたので、この機会に読んでみる。
    中ほどから読み始めたら、淡々と特攻へ向かう記録が綴られているのが著者の使命感の様なものを感じた。

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