- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794218179
作品紹介・あらすじ
遊牧民の少女ワリス・ディリーは、夜の砂漠へ逃げ出した。老人と結婚するなんて嫌。自分の人生を生きるため、砂漠の中をひた走る。やがて運命に導かれるようにロンドンへ。写真家の目に止まり、スーパーモデルへの階段を駆け上がる。だが華やかな成功の裏で、ある秘密が彼女を苦しめていた-。衝撃的な女子割礼の事実を公表し、世界的なベストセラーとなった話題作。映画『デザート・フラワー』の原作。
感想・レビュー・書評
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ふと入った古本屋で、ただ綺麗なのに安いから購入した。でも、内容が凄かった。随分前に読んだのだけど、彼女の人生に色々と考えさせられた。自分の日常に疑問を持つことがなかったけれど、生まれた国が違うと常識がこうも違うことに愕然とした。そして、そこから飛び出す勇気があった彼女に衝撃だった。女性蔑視は無くならなければいけない!と強く感じた。
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この本を読もうと思ったのは少し前にスーダンでFGMが法律改正で禁止された。という記事をたまたま読み気になったのでそれについて書かれた本ってあるかな?と探した中でこの本を知り買った
あまりにも野蛮だし、男の都合の良いように作られた風習で怒りの感情を抑えきれなかった。
このような風習はなるべく早く世界中から無くなればいいと思うが、それが普通(正義)と疑い無く信じてる人達との対話も併せて行われる事を願ってやまない -
当たり前だと思うことが
けっして当たり前じゃない。
生まれた環境によって
こんなにも違うということ。
パワーバランス、
女性だからというだけで
不平等に虐げられることを
受け入れなければならない世界がある。
希望をもとめて
あきらめないで
前に進み続けること。
チャンスを前に尻込みしない、遠慮しない、
無茶だと思うほどの勢いで突き進む。
人生を切り拓くということ。
衝撃的なストーリーだった。
180109 -
砂漠の真ん中に家族と暮らす少女ワリスが家を抜け出し紆余曲折を経てスーパーモデルにまで登りつめる話。
冒頭の砂漠のシーンを見て「世界の果ての通学路」を思い出してしまった。
あの映画を見た時は、砂漠に住む兄弟が朝水を汲みに行き、洗濯をし、学校までの果てしない道のりを・・・走る!
走って通学するなんて、なんて元気な兄弟なんだろうと思っていたけど、砂漠の女ディリーを読んだらそういう事ではなかったのか、と衝撃を受けた。
わずかな燃料だけで、恐ろしく逞しく、生きるための活動をしている砂漠の人々の、都会の人々とは比べ物にならないその研ぎ澄まされた強さに圧倒された。
そんな人たちがいるとは思わなかった。
TVでも映画でも砂漠で暮らす人達は何度も見たことがあったけれど、切り取られたワンシーン、と思って見ていたので、文章で読み、毎日の暮らしを順を追って自分で追体験するのとは全然違う!
久しぶりに、本て素敵だ!!と思った。
砂漠に住む人たちの日常生活や、風俗や、物の考え方がすごく良くわかる。
それにしてもワリス、強気すぎてハラハラした。
でも、私は一番強く力もある!と自信を持って言えるのが羨ましいなと思った。強くて、カッコいい。
みんなに読んでほしいと思うくらい良かった。 -
女子割礼。FGM(女性器切除)を受けたワリスの物語。
この主人公のワリスも、スワドとは異なるが、たくましい。
彼女の場合は……家族の元に居た頃は、スワドよりも人らしく暮らしていたように思う。
ソマリアで遊牧民に生まれ、自然の中で暮らし、女性であるが故に女子割礼をしなければ結婚も出来ない(もちろん結婚もしない女性は論外)そんな慣習の中で育ち、ごく自然に女子割礼を行う。
ここでは書かないけれど、女子割礼は本当に恐ろしい。
しかし、ワリスは何を受けても損なわれていないと思った。ロンドンに出てモデルとして脚光を浴び、結婚をする。そんな彼女のしたたかさ、ずるさ、たくましさは、人として育てられたからなのか。写真の笑顔はとても美しい。
いやほんとにもう、基本的な強さのある人はすごい。 -
キレイな表紙に惹かれ、タイトルも面白そうだったので読んでみた。女子割礼の伝統について初めて知って驚いた。また、この伝統が過去のものでなく、現在でも毎年200万人もこの犠牲になっているという事実にも驚いた。しかもそれは広くアフリカ28カ国で行われており、現在ではヨーロッパやアメリカに移住したアフリカ人が移住先でもこの伝統を守っているため、むしろ広まる傾向にあるらしい。なぜ、命を奪うような恐ろしい伝統が始まり、広がって、そしてそれが現在まで続いているのか?娘に割礼を受けさせようとする親は「宗教上の権利」つまり、イスラム教の教えを盾にするが、コーランにはこのような教えはないとのこと。「世界は狭い」と言われているけど、すごく遠い世界に思えた。
ワリス・ディリーは強く美しかった。 -
ソマリアの遊牧民の少女が老人と結婚させられそうになり最愛の母親を残して家出し、砂漠をあてもなく必死にさまよい、ひとかたならぬ苦労の末にモデルとして自立しアメリカで生活を始めるまでを描いたワリス・ディリーの自伝。現在は国連の特別大使として、FMG(女性器切除/女子割礼)の廃絶に力を尽くしているワリスは本当に綺麗な女性です。世界的ベストセラーで映画化もされている本。面白かったという表現が適切かどうかわかりませんが、集中してあっという間に読了。すごいのひとこと。
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女性器切除(FGM)。それが行われている場面では顔を歪めずにはいられなかった。またこのおぞましい経験をついに語り出したワリスの勇気には尊敬の意を示したい。アフリカにいるまだ小さな子供たちに、このFGMのが本当は何をすることなのか、知られていないのが不思議で、恐ろしく感じる。子供たちは大人の儀式を楽しみに待ち望んでいる。またワリスのシンデレラストーリーに関しては、チャンスを逃さない態度がすごい。きっとこれが人生を成功させる鍵なのだろう。時間を気にしないアフリカの暮らし。想像するとどこか伸び伸びとした気持ちになれる。
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