文庫 女盗賊プーラン 下 (草思社文庫 プ 1-2)

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794218438

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  • 前巻の続編。
    プーランが盗賊になってから投降し釈放されるまで。

    束の間の平和がたまに訪れるのだが、そのまえよりもひどい絶望とドン底が訪れる。丸裸にされゼロになったところからまた這い上がるその執念はプーランにしかないだろう。

    インドの男たちはみな権力と腐敗にまみれていてすぐに裏切る。刑務所に入ったあとのプーランを見世物にして10ルピーの入場料をとって一般市民に見物させるという世界の常識ではありえないことがまかり通る。
    そしてまた釈放後、盗賊団のリーダーとして多くの虐殺や盗難行為に関わったプーランが国会議員になれるというのも破天荒だ。多少盛られているとはいえこれがほんとうの話だとういのがインドの懐の深さだろうか。

  • 彼女の半生は、周りが許すべきことではないし、他者が弾劾すべきものでもない...。日本においてもインドと近しいことが行われていることは否定できない。こうしたことが行われない世の中にするためには何が必要か考え、語り合い、行動するしかない。

  • 実話。この本を読めばインドのカースト制が如何に悲惨かがよく分かる。虐げられ、搾取され、警察に相談しても、今度は警察に陵辱される。救いの無い世界から、盗賊団に入り、裏切りと殺し合いの日々。社会システムが未成熟なまま、上層部に都合よく法体制が固められてしまったら?そんな恐怖を味わわせてくれる。インドは、今もこんな状態だろうか。レイプや殺人事件のニュースは絶えないが
    …。

  • 下巻は盗賊(ダコイット)たちに攫われるあたりから。
    上巻は生まれ故郷である村社会周辺での生活が主だったが、下巻は世界が広がる。
    ヴィクラムという伴侶に出逢えたのは奇跡的な幸運に見えるが、どうも思ったより彼らの様な義賊的集団も多かった様な印象を受けた。明らかすぎる抑圧は、反社会集団を生みやすいのだろう。

    降伏してからの刑務所での話題は少なかったが、そこでの矯正が穏やかなものであったことを祈る(そこまでは正しく書ける状況でなかった可能性はあると考えている)。
    入所前後を考えると効果の程は絶大だった様で、やはり社会に適合するためには社会的な扱いが必要なのだということは実感した。それが彼女にとってどうだったのかは、今となっては分からないが。

  • 暗殺されたインド国会議員プーラン・デヴィの自伝。下位カーストに生まれ、幼少で嫁がされ、嫁ぎ先で虐待。その後、冤罪での投獄、村八分、盗賊による誘拐と盗賊の首領との結婚、内紛、復讐、政府への投降と目まぐるしい。しかしインド下位カーストの女性の地位は悲惨ですね。人権など一切なし。盗賊の横行など江戸時代か?というような状況ですが、インディラ・ガンジーが首相だった時代なのでほんの30年ほど前の話です。

  • 壮絶なる半生。こんな自伝は初めて読んだ。「人が犯罪と呼ぶもの、それは私にとって正義だった」

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