文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)

制作 : Jared Diamond  楡井 浩一 
  • 草思社
4.06
  • (60)
  • (55)
  • (37)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 941
レビュー : 60
  • Amazon.co.jp ・本 (547ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219404

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 相変わらずの分量。
    個人的には興味がある地域の話はとても面白いですが、興味が無いと一転して読むのが辛いですね。
    無理に全部読むよりも好きな所から摘み食いして読むのが良いのではないかと思います。
    これだけ熱量を持って書き上げる著者には感服します。

  • ジャレド・ダイアモンド博士第二弾。

    先の「銃・病原菌・鉄」が示唆に富み、知的好奇心をくすぐる内容であったため、長編発表論文の第二弾の本著をすぐさま読んでみました。

    本著は文明が崩壊していくメカニズムに焦点を絞り、様々な時代・場所・環境で様々なプロセスを経てゆく滅亡を多角的に詳述しています。

    最盛期には滅びなど誰しも気づかないですが、勃興さの由にこそ衰退の理由が潜みます。

    また明白に衰退しつつあるにもかかわらず、人は文化的要因に束縛されてしまい滅亡を止められない。
    イースター島でモアイを部族ごとで競ったから森林伐採に歯止めが係らなかったにもかかわらず作り続けた。
    グリーンランドに植民したノルウェー人は頑なに漁食を拒み、イヌイットを蔑視したためその優れたカヤックや漁法を模倣せず、キリスト文化を保持したまま滅びたと喝破されています。

    「ギリギリの段階になれば人はなんでもする」は間違いで、そういったときでも正常性バイアスがかかって、抜本的解決から逃げるんだということが本著でよく理解できました。

    翻って、現在の人類のもつ危険性、とりわけ環境破壊には警句になるべこれらの先立つ文明崩壊が今もって抜本的に解決できていることを慨嘆されています。

    マルサスの人口論では「「幾何級数的に増加する人口と算術級数的に増加する食糧の差により人口過剰、すなわち貧困が発生する。これは必然であり、社会制度の改良では回避され得ない」とされています。現実に第三世界で起こっており、次世代には全世界規模で起こる現実です。

    本著に挙げられて幾つもの事例、グリーンランド・イースター島などのように、人類は崩壊を前にしても止められないのか、それとも良心を結集して止めることができるのか。

    本著を読むと希望よりも、人類の歴史に学ばない愚かさに暗澹とした気持ちになります。

  • 神田氏のおすすめ

  • 上巻では過去の社会について述べられていたが、下巻では現代社会の事例を紹介している。
    中国、オーストラリア、ドミニカ、ルワンダなど。
    人口抑制に失敗したルワンダの現状は悲惨だ。
    中国は多くの問題を抱えているが、人口抑制に成功した点だけは評価されている。

  • 上下巻あわせて、読むのたいへんだった。

    『銃・病原菌・鉄』に続き、示唆の富んだ、非常に面白く、かつためになる内容。

    特に、世界規模で進む環境破壊に対し、微弱な影響力しか持たない一般消費者である我々にできることを示したという点は、大きいと思う。

    あと必要なのは、実践するにあたり、自分の勇気だけになってしまった。

  • 過去の文明崩壊の原因として環境破壊がいかに多かったか、というところから、現代社会における環境問題に個人個人がもっと関心を持つように、という結論。

  • 〈概要〉

    ・存続への二本の道筋
     森林資源の損なわれた江戸時代の日本
     徳川幕府の解決策
     なぜ日本社会は崩壊しなかったのか?
     成功を収めた社会の例

    ・社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?
     正しい意思決定へのロードマップ
     環境問題の予期
     環境問題の感知
     合理的かつ非道徳的な行動
     環境被害に結びつく価値観
     非合理的行動が生み出す失敗
     失敗に終わる解決策
     希望の兆し 失敗の原因を理解すること
     

  • 「銃・病原菌・鉄」に続いて読了。

    前作の大きなテーマは「現在の世界はなぜ現在の姿をしているのか?歴史の勝者と敗者は必然的に生まれたものなのか?」だったのに対して、
    今作ではそうし人類の歴史上のさまざまな社会のうち「社会(文明)の崩壊」をトピックとして取り上げている。

    かつて栄えた社会はなぜ崩壊してしまったのか?
    崩壊した社会に共通する要因はあるのか?
    そしてそれは現在の我々の社会に共通するものなのか?

    さまざまな分野の最新の科学的データや調査結果を分析しながら非常に緻密に論を進めていくのは前作と同様です。
    ものすっごい楽しい。知的好奇心刺激されっぱなし。

    ただ前作に比べると若干冗長にすぎる部分があるようにも感じるが(実際前作よりけっこう長い)、まぁそれでも飽きずに1,000ページ超を一気に読めます。

    社会の危機に適切に対処する方法、可能性としてトップダウン方式やボトムアップ方式が挙げられていたが、現実の社会に照らしてみたときのこれらが成功しうる道筋はどんなもんだろう。

    著者本人はどちらかというとボトムアップ方式に期待を込めているようにも感じるが、どちらを目指すにしても課題はあまりに大きい。
    ボトムアップ方式に期待を込めているのは著者本人の願いが強いのかなとも感じます。この本を読んだ一人ひとりが自分にもできることをと考えて行動するための足がかりするための勇気づけの結論という意味で。(という少しひねくれた見方。。)

    で、じゃあ現実問題としてのこの地球社会の行く末を案じる上で一番の課題となるのは「社会を見通すことができるか否か」ではないか。

    ボトムアップ方式の成功例「ニューギニア高地」、トップダウン方式の成功例「徳川幕府時代の日本」などは、どちらも社会の意思決定に影響を及ぼす人間が社会全体(やその将来)を見通し、課題を認識することができるかという部分が大きい。
    もちろんこれ以外の要素もいっぱいあるけども。

    それをこの現在の社会に照らしてみるとどうなるんだろう。
    正直どちらの方式にしてもあんまりうまくいく気はしないんだけども、まぁでも少なくとも現在先進国のうちで「課題先進国」と言われるほどに社会課題盛りだくさんな日本で生活をしているんだから、せめてそうした課題のいくつかに意識を向けつつ過ごしていきたいよねと思います。

  • 社会が崩壊する要因として、1.環境被害、2.気候変動、3.近隣の敵対集団、4.近隣の友好集団の支援の減少、5.環境問題への社会の対応という5つが働くとして、過去から現在に至る豊富な例証を挙げ、環境保護主義と非環境保護主義の間の中庸の立場から、社会を持続可能なものにするため、そうした多くの事例に学ぶべきだとする。
    イースター島、ピトケアン島とヘンダーソン島、アナサジ族、マヤ文明、ヴァイキング、ノルウェー領グリーンランド、ルワンダ、ドミニカ共和国とハイチ、中国、オーストラリア、アンコールワット等、著者の幅広い知識が惜しみなく披露され、時間はかかったが興味深く読んだ。

  • 下巻は巨大な人口を持つ中国、先進国のオーストラリア、さらにほぼ同じ環境にありながら差がついているドミニカ共和国とハイチについてページを割いて検証する。そして後世から見れば当然に思える危機の予測、認識、手段でなぜ防げないことが多々あるのかを考える。さらに現代において株主の利益のために公益を顧みない大企業をどうすれば環境に配慮させられるかを実例を上げて提示。民衆の力の使い方で企業を動かし、環境破壊を防ぎ、文明崩壊の危機にある現代文明を子孫に残すことができると主張する。

全60件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)地理学教授
1937年ボストン生まれ。ハーバード大学で生物学、ケンブリッジ大学で生理学を修めるが、やがてその研究領域は進化生物学、鳥類学、人類生態学へと発展していく。カリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部生理学教授を経て、同校地理学教授。アメリカ科学アカデミー、アメリカ芸術科学アカデミー、アメリカ哲学協会会員。アメリカ国家科学賞、タイラー賞、コスモス賞、ピュリツァー賞、マッカーサー・フェロー、ブループラネット賞など受賞多数。

「2019年 『危機と人類(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

文明崩壊 下: 滅亡と存続の命運を分けるもの (草思社文庫)のその他の作品

文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下) 単行本 文明崩壊 滅亡と存続の命運を分けるもの (下) ジャレド・ダイアモンド
文明崩壊 下巻 Kindle版 文明崩壊 下巻 ジャレド・ダイアモンド

ジャレド・ダイアモンドの作品

ツイートする