- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794219787
作品紹介・あらすじ
ヒトはなぜ隠れてセックスをし、セックスそのものを楽しむのか。私たちの性はなぜ、かくも奇妙に進化したのか。人間社会のあり方を決定づけてきた性の謎に挑む。単行本サイエンスマスターズ12『セックスはなぜ楽しいか』を改題して文庫化。
感想・レビュー・書評
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「銃.病原菌.鉄」の著者であるジャレド・ダイアモンドさんの本です。
著者の本は、様々な角度から研究されており、読んでいて楽しいです。
本書は、人間の性の進化について、すごく真面目に!(笑)書かれております。
ぜひぜひ読んでみてください詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
セックスはなぜ楽しいか。
カマキリは交尾後にオスが喰われるのは初知り。めちゃくちゃ残酷だけど、捕食されて、自分がお母さんの栄養源になるなんて、それもそれですごくカッコいいんだけれども。
授乳が女だけなのは、まず、ホルモンが男性には培われなかったこと。狩はオスの方が得意だから。
人間の寿命が長いのは、修理されているから。生理も修理。生理は、より子孫繁栄のためにある。50くらいで生理が終わるのは、孫を育てるため。
子殺しは、より子孫繁栄させたいから。授乳期間は妊娠確率が減るため。 -
訳者あとがきの改題して大学の副読本に堂々と指定できたの話にちょっと笑った。なぜ人間は隠れて性行為をするのか、なぜ男は授乳できないのか、なぜ女性の排卵が隠されるようになったのかなど性に纏わるなぜを考察している。興味深い内容だけど読むのにちょっと根気がいりました
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人間の性を生物学的な観点から考察しており、非常に興味深く読むことができた。
人間はどうして一夫一婦制になったのか?
一夫一婦制が本当に人間として生物学的にベストな選択なのか?
ほとんどの生物の雌が発情期(交尾をすれば子供ができる状態)を他の雄に示すのに、人間の雌(女性)はどうしてそれをしない(他から分からない)のか?
人間の寿命はどんどん延びているのに、なぜ女性の閉経の時期はあまり変わっていないのか?
など、他の生物と比べて考えてみると人間は非常に変わっていることが分かる。
読み物として非常に面白かったが、著者の「銃・病原菌・鉄」ような壮大な人間進化の歴史読み物に比べると本書は小粒な感じ・・・。 -
進化論的な視点から人の性について解説した一冊。
個人的にはヒトのどの時期までを進化論的に説明できるかに疑問があるため、進化論的説明を無条件に受け入れることはできない。
本書にもあるように、人は知識の伝搬を行い、繁殖戦略において合理的であるはずの殺人やレイプを行わない理性を持っているので。
それでも、進化論的な理由が現在のヒトの特徴を作り上げている一因であることは間違いないように思う。
そんな訳で、人の性を考える上で一読の価値はある本。
ただ、この本を読んだだけで、全ての謎をjust so storyな進化論的説明で完全に納得してしまうのは間違いだと思うし、思考の放棄。
さらに元の題であるセックスはなぜ楽しいか?という疑問には答えていない。 -
男性と女性の姓のせめぎあいを、進化生物学の立場から解き明かす一冊。
最近は男性の子育てへの参加が奨励されるフシがあるけれども、生物学的にはおかしいよね。
男性と女性で身体的機能も目的意識も本質的には違うんだから。
ロジカルな考え方でそれを立証していてしっくりときた。 -
なんで人間はネコのように発情期が定まってないんだろうか?
長年の疑問だった。その疑問の回答となり得る説明がこの本にはある。
ヒトの性ってこんなにユニークだったんだ。そしてそこにはこんな理由があったんだ。
男女の利益対立。男性が授乳しない理由。女性の排卵の隠蔽や閉経の謎。男性の養育参加やセックスアピールの謎。
目から鱗の連続。刺激される知的好奇心。
実に面白かった。これは後で内容をメモにまとめよう。 -
あいかわらず丁寧でわかりやすい説明。
読みやすい。 -
あまり内容が入ってこなかった。再読したい
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読了。
『銃・病原菌・鉄』は(後に科学的な間違いを幾つか指摘されつつも)知的好奇心を揺さぶり、人種に対する偏見に大きなアンチテーゼを投げかけた名著だと思うが、こちらはもうちょっと(かなり)ライト。遺伝情報を多く残すための生物学的合理化/進化を、人間以外の生物も多く取り上げて検証する。只、そこはあくまでユーモア含みの仮説が殆どで、学術書というより知的コラム?といった趣。