文庫 人間の性はなぜ奇妙に進化したのか (草思社文庫)

制作 : Jared Diamond  長谷川 寿一 
  • 草思社
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レビュー : 66
  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794219787

感想・レビュー・書評

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  • 面白い観点だと思うし、興味深い点も幾つかあったが、まだまだ未解決の部分も多いのだと分かった。(著者自身がそのようにコメントしているが)

  • 原著のタイトルは非常にエキセントリックである。人種・性別などの倫理的な差別問題を超えながら、私たち人間そのものへの理解を行うことに私自身非常に興味がある。内容は生物学的な記述が多く、初学者にとっては少し読みにくいサイエンスエッセイであった。

    私たちは、私たちが関わっていること=人間というものに一番関心があるのだと改めて感じた。

  • やや理屈がこじつけ。に感じる。

  • 大変読みやすい啓蒙書。「ダーウィンが来た」などの動物番組を見ていて、さまざまな動物が繁殖のためにそれぞれ独自の行動を取っていて、おかしな進化をするものだなあと思っているが、実は人間こそ最も奇妙なのではないかと気づかされる。(まあ、ぼくは以前からこの手の本をたくさん読んでいるので、その辺に気づいてはいたんだけど、改めて。)
    また、「男が力仕事をして女を守り、女は男に守られて子を産み、育てる」というのもどうやら怪しいことが分かってくる。この辺も面白い。
    ニューギニアの狩人たちは、大きな獲物を狙って何日も野山を駆け回るが、苦労して倒した獲物は男たちだけで食べてしまい、家族には与えないという。以前に見たNHKのドキュメンタリーで、太平洋でウミガメ漁をしている男たちも全く同じだった。何日も苦労してウミガメを追って手漕ぎのカヌーで海を旅して、やっと捕まえたと思ったら男たちだけで食べてしまう。実際に家族を養っているのは、女たちが採集する植物性の食べ物だ。
    人間の男の行動をよく見ると、いかにも大事な仕事をしているようでいて、実は男たちだけの楽しみのための行動であったり、浮気の機会を増やすための行動であったりするようだ。どうも先進国の都市生活でも、似たようなことは行われている気がする。

  • 『銃・病原菌・鉄』や『文明崩壊』よりスケールは小さいが、人間の性について疑問に思わないようなことをあれこれ深く追求しており、興味深い。ただ、『銃・病原菌・鉄』ほど知的好奇心をかきたてられるというものではない。
    なお、最近、総合研究大学院大学が、本書でも触れられている女性に閉経期が存在する進化的理由について研究結果を発表している。http://www.soken.ac.jp/news_all/3252.html
    テーマは、なぜ男は授乳しないのか、なぜ受精が可能な時期が外見でわからないのか、なぜ発情期がなくいつでもセックスしているのか、なぜ死ぬより前に閉経を迎えるのか、なぜ人のペニスは大きいのか等。
    真面目な本なので、エロを期待してる方には残念な本です。

  • あまり目新しい事実の提示がなかった。なぜ奇妙に進化したのか、への推論も、今ひとつ歯切れが悪い。まだまだ分からない事が多いという結論か。

  • 性の進化を読み解く。
    なぜセックスは気持ちいいのか!
    なぞいですねぇ。

  • 「セックスはなぜ楽しいか」改題。改題して正解。
    他個体との生存競争だけでなく、生殖行動もオスとメスの利害対立であるととらえ、ヒトの特異な性について分析する。
    特異な点とは「結婚」「共同飼育」「集団生活」「クローズな性交」「排卵を隠す」「閉経」。
    おもしろい。

    一応章ごとにも、
    1、人間の奇妙な性生活
    2、男と女の利害対立
    3、なぜ男は授乳しないのか?
    4、セックスはなぜ楽しいのか?
    5、男はなんの役に立つのか?
    6、少なく産めば、たくさん育つ
    7、セックスアピールの真実

    もちろん中立の立場で書いているけど、記述はあくまで男性側から。女性が同じ内容の本書いたらどんな感じになるのだろう。
    そして「利己的な遺伝子」にも似た読後感。

    生物学者ってきっと現代のジェンダー問題に対して主張したい事はたくさんあるのだろうけど、何か言った瞬間に非難の集中攻撃にされされそうで、口をつぐんでいるのだろうな、と勝手に想像する。
    もはや人間は純粋な「生物」から離れすぎている気がする。

  • この本の初版では、タイトルは直訳で「セックスはなぜ楽しいか」だったそうですから、確かにそのタイトルでは中身を誤解され、手に取ることをはばかる人が多そうです。またはその逆で、HOWTOものと思って期待して読む方もあるかもしれません。
    著者はかのジャレド・ダイアモンド氏ですから、そんなわけはある筈もなく、今回の内容も彼が疑問に思った人間の生殖の仕組みや性行動・男女の役割などに焦点をあてて、色々な研究や仮説を取り上げてきっちり検証するという学術的な中身になっています。彼の疑問は、人間固有の性行動として往々にして繁殖のためではなく、楽しむためにセックスするのはなぜなのか、女性がいつ排卵しているのかわからなくしたのはなぜか、女性が50歳前後で閉経するようになったのはなぜか等、大抵の人があたり前に思っていることを解き明かしていきます。そのために、他の動物の例を取り上げて人間の方こそ奇妙だと、人間中心の考え方が視野を狭くさせていることを指摘しています。
    この中で、女性の出産、授乳、子育てなど重要な役割に対して男性の役割の低さが取り上げられているのも興味ある部分でした。「男はなんの役に立つか」というタイトルの章は、著者自身男性として微妙な気持ちだろうと思いました(彼は双子のお父さんでした)
    その他、文字をもたない社会での老人の役割の重要性が述べてありましたが、現代の高齢社会での老人の役割にも通用するところがあるのではと興味深く読みました。

  • この方面の本はいろいろ読んでいるので、目からウロコ的なものはあまりなかったけどね。で、政府が少子化対策のために婚活に予算をつけるこの国は、もう全然違う方向に進化しちゃってるってことでいいのかね?

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著者プロフィール

ジャレド・ダイアモンド
1937年生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校。専門は進化生物学、生理学、生物地理学。1961年にケンブリッジ大学でPh.D.取得。著書に『銃・病原菌・鉄:一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』でピュリッツァー賞。『文明崩壊:滅亡と存続の命運をわけるもの』(以上、草思社)など著書多数。

「2018年 『歴史は実験できるのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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