- Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794220042
作品紹介・あらすじ
書店に勤めながら読書することで小説家として大成したヘッセの読書論。古典文学の推奨リスト付き読書案内から何のために本を読むのかを考察するエッセイまで。
感想・レビュー・書評
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"世界文学文庫、世界文学リスト、この2編に出会えたのは私にとって良かったこと。
残された人生で、何冊読むことができるのだろう?"詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
398円購入2018年11月4日
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「世界文学リスト」を見ただけでもその読書量に驚かされる。しかも「数万冊の本を読み、そのうちの多くを2,3度、そのうちの数冊は何度も読みました」とある。再読を滅多にしない者には耳が痛い。ヘッセは母国語であるドイツ語で書かれたものに幸せを感じたようだ。母国語(私にとっては日本語)で書かれたものをもっと大事にしたいし知り尽くしたい。母国のものは表面上の言語だけではなく、文章の襞の奥までわかる楽しさがある。ヘッセは翻訳ものを否定していない。ヘッセの詩や文は翻訳であっても好きだ。
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読書会を主宰していて思うことは、
いかに本を自分の血肉にしているかが重要だということ。
「徹底的に知っているものだけを、本当に自分のものにしたといえる」
深く読み込んでいる著書のシェアの中には、その本への愛と知恵の連想が多く感じられる。
読書は、成長するためにするのではなく
読書それ自体が楽しく、またその楽しむ過程において自然と身につく教養が人生を照らす光となる。
だから、楽しい読書をすればよいと思う。
楽しい読書を追求していけば、自然と高度な読書に辿り着く。
ヘルマン・ヘッセは、
多読よりも丁寧に読み込んでいくことこそが重要と説いていて、
それでも自身は数万冊の本を読んでいる。
改めて一冊一冊を噛み締めながら、
多読していこうと思った次第だ。 -
ヘッセにとって、生きることと読むことは同じだったのではないか。
全身(全心)で読むように生き、生きるように読んだのだと思う。
『ヘッセの読書術』は「読む」ことについてのエッセイ、
『シッダルタ』は「生きる」ことについての小説だけれど、
一方を、もう一方の比喩として読むことができる。
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「私たちが必ず読んでおかなければならない、それを読まなければ幸福にもなれない、人間形成もできないというような本のリストなど存在しないのである!けれども各個人にとって、まさにその人自身が読んで満足と楽しみを味わうことのできる書物はかなりたくさんある。このような書物を徐々に見つけ出して、持続的なつきあいをはじめ、できることならそれらをしだいに永続的に外面的にも内面的にも自分の所有物として獲得すること、それは各人自身の個人的な任務であって、その遂行をゆるがせにすると、必ず自分の教養と楽しみの領域を著しく狭くし、したがって自分の存在価値を一段と低下させることになる。」
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「そうなのだ!最後の段階の読者はもうまったく読者ではない。彼はゲーテを問題にしない。シェイクスピアを必要としない。最後の段階の読者はもうまったく何も読まない。何のために本があるのか?彼は何といっても自分の中に全世界をもっているのだから、本などいらないのだ。この段階にとどまりつづける者は、もう何も読まないであろう。ところがいつまでもこの段階にとどまる者はひとりもいないのである。けれどもこの段階をまったく知らない者は、やはり劣悪な、未熟な読者なのである。とりもなおさずこの世のすべての文学作品とすべての哲学書が自分の中にもあること、最もすぐれた詩人でさえ、私たち誰もがまさに自分の本性の中にもっているのと同じ源泉から作品を得たということを知らないからである。
生涯のうちにただ一度だけでも、一日、一時間だけでも第三の段階に、もう何も読まないという段階にとどまってみたまえ。そうすれば君はそのあとで(もとに戻るのはとても簡単なことである!)その前よりもずっとよい読者となり、書かれたものすべてをずっとよく読み取れる者になり解釈できる者になるであろう。路上の一つの石に、ゲーテと、トルストイと同じくらい重要な意味を見いだす段階に、一度でよいから立ってみたまえ。そうすれば君は、そのあとでゲーテ、トルストイなどの文人から、それまでよりも無限に多くの価値を、ずっと多くの汁と蜜をくみ出し、それまでよりもはるかに力強く生と君自身を肯定するようになるであろう。なぜならばゲーテの作品はゲーテではなく、ドストエフスキーの作品はドストエフスキーではなく、それらは自分自身をとりまく多声で多義の世界を作品の中に表現する作家の試み、彼のおぼつかない、そして決して完遂されたことのない試みにすぎないからである。」
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「あなたに認識や覚醒をもたらしてくれた詩人は、光でもなく、たいまつをかざす者でもありません。せいぜいそこを通って光が読者にとどくことのできる一つの窓にすぎません。そして彼の役目は、英雄精神とか、高邁な意欲とか、理想的な計画などとはまったく何の関係もありません。彼の役目はあくまでも窓であること、光の邪魔をしないこと、光に対して心を閉ざさないという点にあります。詩人が、比類なく崇高な男性に、人類の恩人になりたいという燃え立つような願望をもつならば、まさに、この願望が詩人の力を奪い、光が読者に届くのを妨げるということは、とてもよくありがちなことです。詩人を導き、そして駆り立てるものは、ことさらに謙虚さを目指して努力する態度でもあってはならず、光によせるひたむきな愛であり、現実に対する開かれた心であり、真なるものを透過させる心構えでなくてはなりません。」 -
ヘルマン・ヘッセ(フォルカー・ミヒェルス編)『ヘッセの読書術』草思社、読了。本書は文豪ヘッセの読書エッセイ集。数万冊を乱読したヘッセだが、読むべきものから読め! 世界文学リストも収録。読んでいて非常に楽しい読書論の待望の文庫収録化。 http://www.bunsobunko.net/soshisha/detail/978-4-7942-2004-2.jsp
( ただ、読むべきリストはないといいながら、リストを掲載するのがヘッセらしいのではあるのだが )
うわ、やめろ -
世界文学リストがよい。
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数万冊を読みこなした著者の読書に関するエッセイ集。圧巻は「世界文学文庫」で、その知識量には圧倒された。
気に入った作品は何度も読むことを奨励している。あまり再読をしない自分には耳が痛い。
「世界文学リスト」を活用したい。 -
今日届いたが先に読んでる本があったので、後日読もうと思いつつ、最初の「書物」という詩に目を通した後、気づいたら最後まで読んでしまった…
つまり、引き込まれるように読んでしまったという事…
何がどう良かったのか…とにかく良かった!
「本」について、これだけの愛情を持った方はヘッセ以外にいないのでは?と思いました。
私にとって一つ残念に思ったのは「ヘッセの読書術」というタイトル…
ヘッセご本人なら、どんなタイトルをつけるのか、という事を想像しながら次回は読んでみる、という次に読む時の楽しみが出来た、ともいえますが…(*^^*) -
ジュンク堂書店池袋、¥735.
著者プロフィール
ヘルマン・ヘッセの作品






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