文庫 生命40億年全史 下 (草思社文庫)

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感想 : 7
  • Amazon.co.jp ・本 (317ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220202

作品紹介・あらすじ

隕石衝突、地殻変動、気候激変、絶滅と進化──生物たちの命運を分けた事件とは。謎とドラマに満ちた壮大な進化劇を巧みな語り口で一気に読ませる決定版・生命史。

感想・レビュー・書評

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  • リチャード・フォーティ「生命40億年全史(下)」読了。読み終えて大変長い充実した旅から帰ってきたような気分になった。様々な偶然の重なりから原始の生命が誕生し進化を通じて自分に至る奇跡のような事実に只々驚嘆するばかりだ。これからの1日1日がこれまでより尊いものに感じていけるだろうと思う。

  • 上巻で37億年分語ったので本書は残りの3億年分であるが、それでも2000年の15万倍。
    パンゲア超大陸、恐竜、哺乳類、人類と、語るべきことが多すぎて一冊で足りるわけもなく。
    歴史の本当に面白いさわりの部分だけ語られるので、興味は付きて止まないが、
    細部が気になってフラストレーションが溜まると言えなくもない。

    石炭紀に登場する30m以上の巨木、空を飛び始めた巨大昆虫たち。
    大陸移動説における野外研究者と理論物理学者の戦い。
    ペルム紀末に96%の海生種が絶滅した事件。
    何度も組み替えられる恐竜の復元骨格。
    KT境界のイリジウム濃度分析と衝撃変成石英。
    複雑に絡み合う人類祖先の分類
    地下深くに広がる不可視の生物圏

    詳細はそれぞれの専門書に任せるとしたら、本書で得られるのはせいぜいがトピック程度だろう。
    だが、単語を知らなければ検索できないように、トピックを知らなければ専門書を探すことも出来ない。
    であれば、分野の入り口に立つ入門書に求められるのは、
    広い領域に詳しく通じていながら、興味深い話題をわかりやすく紹介することだろう。
    その意味では、本書はこれ以上ない一冊だ。

  • バクテリアから人類が文明を築くところまで進みました。人間は特別な存在ではない、とはいえ、人間は生命を次の段階に持ち上げてしまったのは確かでしょう。すごいすごい。

  • 読みやすい文体。

  • 上巻の終わりは生命が陸上への進出を果たしたところ。

    下巻はその続きからで、地質年代で言うと古生代の後期から、
    恐竜の時代中生代を経て、第三紀、第四紀と一気に語り抜きます。

    恐竜もいれば、哺乳類もいれば最後には人類の話も出てくるし、
    トピックが派手で一気に読み進められます。
    超大陸パンゲアの成立と大陸の大移動や氷河期、と地質的な出来事も大きい。

    そうした大きくて私達にも馴染みの深いトピックを改めて丁寧に語りつつ、
    恐竜の時代を語る第9章の章第は「壮大なものと控えめなもの」ということで、
    恐竜たちのダイナミックな世界の裏で繰り広げられていた控えめな生命たちの壮大な物語や、
    ダイナミックな恐竜たちの物語を解き明かすための学者たちの小さくささいな痕跡との対峙など、
    見逃すべからざるストーリーを語ってみせるのは素晴らしい。

    地球の歴史も、生命の歴史もそこまで丁寧に学校で習った覚えはないけど、
    それでもみんな知ってることは多いんですよね。
    化石に感じるロマン、というか。

    小学生のころ夢中になって図書館で読んだような恐竜やその前後の生命の歴史。
    この裏に古生物学者たちの尋常ではない苦労がつまっていることを知ることができておもしろい。
    生命の歴史は彼らなしでは解明されていかないわけで、こうしてセットで楽しむのが一番なんじゃないかと思う。

    そして、作中でも何度も語られるけど、まだまだ解き明かされない謎は多くて、
    いまも、これからも少しずつ明らかになることが多いんだろうなというところも面白いところです。
    たとえば、「恐竜は変温動物だったのか、恒温動物だったのか」「鳥は恐竜ではないのか」という問いは作中でも扱われていて、
    恐竜に羽毛があったとするならば、という仮説が披露されていたりしたけど、
    これについてはつい先日羽毛の痕跡の残る恐竜の化石が見つかったりして、
    今後の調査がますます楽しみになっています。
    そういう歴史科学的なニュースが出るたびに気になるような人はぜひ一度手にしてみることをお薦めします。

  • 「なぜ恐竜が死滅したの?」という壮大な疑問を解き明かしていく。最初は「そんな隕石が落っこちてくるなんて云う終末論的な話は絶対にありえない。」などなど、それに交えて学会の議論の議論の応酬の実態も垣間見える。当時から諸説あったわけだ。

    その後、哺乳綱の動物の世界になると、恐竜たちが埋めていた生存空間を埋めていく。クジラや肉食獣などなど。また「なぜ哺乳類は昆虫ほど「多様」でないのだろう?」という「そういえばそうかもしれない。」問いである。空を飛び虫を食べるクジラや毒を持つ哺乳類がいてもいいはずだ。そのような不思議なバランスが働いているのだ。

    また最後は人類である。古人類史は不思議だ。アウストラロピテクスから今のクロマニヨン人までの「欠けた環」を探そうとしてきた。
    猿人から今の新人まで、さまざまな種族がいるが、もちろん微分的な歩みによって進化したわけではない。どこかで途絶え、取って代わってきた。それはいったいどういうことなんだろう?と人類学者は考えてきた。
    そこで出てくるのが「ネアンデルタール人」である。彼らの知能はわれわれとそう変わるものではない。とても近いのだが、すくなくとも「われわれ」ではない。なんだかとても不思議な気がするね、ということなのだ。

    生命の進化は結果的には「偶然」であるのかもしれないが、神はサイコロを振らない。「必然」であるのかもしれない、が、生命はこれからも「何がしか」の形で生き延びていくのであろう、ということだ。

  • 10年前に買った本、最後まで読まずにそのままになっていた本。文庫化して、気づかずに同じ作品の文庫本を買ってしまった。
    10年前の本なので、現在の科学からすると古いのではないかと懸念して読んだ。生命の歴史を通して勉強することは、楽しく、新たな学んだことも沢山ある。また、生命の歴史とともに、学究のエピソードも楽しめた。

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著者プロフィール

1946年生まれ。古生物学者。2004年に長年勤めた大英自然史博物館古無脊椎動物部門主席研究員を退任。2005年よりロンドン地質学会会長に就任。英国古生物学会会長(1994―96)、ブリストル大学科学技術公衆理解担当客員教授などを歴任。数々の学術賞を受賞。専門はオルドビス紀の三葉虫と筆石類の進化・生態・体系学。著書に『三葉虫の謎』(垂水雄二訳、早川書房)、『生命40億年全史』、『地球46億年全史』(ともに草思社)ほか。

「2013年 『文庫 生命40億年全史 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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