文庫 遺伝子の川 (草思社文庫 ド 1-1)

  • 草思社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220431

作品紹介・あらすじ

自己増殖を続ける DNA に導かれ、進化はどこへ向かうのか。遺伝子の川の流れをたどりながら、自然淘汰とダーウィン主義の真髄に徹底した論理思考で鋭くせまる。

感想・レビュー・書評

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  • 著書「利己的な遺伝子」によって衝撃を与えたドーキンス博士によるダーウィン主義の啓蒙書。利己的な遺伝子の概説版という感じ。昆虫と植物のあまりに完璧な擬態の関係性や目のしくみなど完成した状態でないと機能をはたさないのでは?と思われるものについても、その漸進的進化についてやさしく解説してくれてます。概説版といえど、その思想については何度読んでも衝撃的というか破壊的なインパクトをもっていてすごい。ダーウィン主義は「われわれが観察する世界の特徴は、実際にいかなる設計も目的もなく、善も悪もなくて、ただ見境のない非常な無関心しかない世界」という世界観になる。だから自分は何のために生まれてきたのか?と悩む人には必殺の破壊兵器でもあり、福音でもある。そもそも目的をもって生まれるという設計になっていないのだから悩まなくていいということ。そのような存在だということに耐えられない人は、自分で自由に設定すればいいのだ。これは甘くない自由だなぁ。衝撃だなぁ。

    読んだのは単行本第2版ですが訳文については誤植もところどころあるのが気になる。ブーストラップというわけのわからない用語を繰り返し使い誤植を超えているようなところもあってサイエンス・マスターズ叢書としての品質を疑う(ブートストラップですよね?)。文庫版では修正されているとは思いますが・・・

  • 論理的でかつ分かりやすい文章。ドーキンス氏、科学者なのに並みの作家よりも名文家です。1995年の著作ですが、文章がいきいきとしているので、ちっとも古びていません。さらに、日本語のこなれ方が尋常じゃありません。読みやすさは垂水雄二氏の訳文に拠るところも大きいと思います。
    J・Bテイラー「奇跡の脳」(新潮文庫)に引き続いて読んだため、なんだか自分のアイデンティティなんて無為なものだなぁ、と虚無感に襲われました。いや、決して空しいのではなく、清々しいような気分です。

  • 分からないところ、難しいところがいくつかあったが、シチメンチョウやジガバチの話はとても面白い。神の効用関数のところでは子孫を増やすというDNAが目指すもの、その価値観は人間が持つ価値観とは違う、そのことを
    思い知らされた。

  • 神の効用関数は、「一個体の長寿」ではなく、「DNAの生存」。

    DNAの生存に有利になる場合のみ、一個体の長寿が自然淘汰によって選択される。

    若い歳に発現する致死病をもつDNAは、宿主が子孫を残す前に死にがちなので、次世代へ受け継がれない。自然淘汰によって淘汰される。

    老衰は、発現が遅いというそれだけの理由で次の世代次の世代へと受け継がれ生き残っていると考えられる。

  • 勉強用に購入。『利己的な遺伝子』の簡易な説明という位置付けのようだ。

  • ドーキンス 「 遺伝子の川 」遺伝子と自然淘汰をわかりやすく説明した本。遺伝子が時代の川を流れるイメージ、ダーウィン主義者の無神論の根拠が わかりやすい

    遺伝子の性格
    *世代から世代へ自己のコピーをつくる
    *自分が宿る体や行動に影響を及ぼす
    *遺伝子が自らの生存を最大化することを目的とする

    遺伝子の流れ
    *すぐれた遺伝子は フィルターを通り 次の世代へ
    *川とは 遺伝子情報が 時間的に流れることを暗喩〜同じ川=同じ種
    *川は分岐する=一つの種が二つに分かれる=新しい種が生まれる→別の川へ→二度と合流しない

    自然淘汰
    *漸進的な進化〜最初から完璧な機能があったのではない
    *ひそかに改良することにより捕食者を騙す

    「自然の出来事には善も悪もない、残酷も親切もない〜何の目的意識もなく、あらゆる苦しみに無関心」
    *人間は何を見ても 何のためにあるのか 考える

  • ■『遺伝子の川』読了 ★3.5点
    「利己的遺伝子」の概念を作ったことで有名な「リチャード・ドーキンス」の本。
    「利己的遺伝子」を読もうかと思ったが、長すぎるので、もうチョイ薄い、こちらを選択。

    ドーキンスのような説をとる科学者を「ネオダーウィニズム」と呼ばれるらしいが、要は、生物進化は、ダーウィン依頼の、「自然淘汰」と「突然変異」の2つですべて説明できるということ。
    ダーウィン時代は、遺伝子について詳細がわからかったので、遺伝子という点から科学的に、ロジカルに進化論を説明するのが、ネオダーウィニズムらしい。

    なお、「利己的遺伝子」はよく誤解されていると著者、役者が思っている。もちろん遺伝子自体が「利己的」なのではなく、「遺伝子を存続しやすい方向に自然淘汰」が働くということを、比喩的表現で述べたにすぎないこと。

    どうでもよいけど、「寄生獣」に利己的遺伝子でてきたな~^^

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  • (欲しい!/文庫)

  • ドーキンスの本は面白いし,ためになるね。

  • 中央

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著者プロフィール

英国の進化生物学者。世界的ベストセラー『利己的な遺伝子』で知られる。ほかの著書に『盲目の時計職人』『神は妄想である』『遺伝子の川』『進化とは何か』など多数。

「2022年 『これが見納め』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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