日本はいかにして中国との戦争に引きずり込まれたか: 支那通軍人・佐々木到一の足跡から読み解く

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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220547

作品紹介・あらすじ

中国側は一貫して日中戦争を「日本の侵略」と評してきた。だがそれはどこまで事実に即した歴史認識なのか。孫文とも親しかった支那通軍人の著作・論文、当時の新聞報道をもとに、度重なる権益侵害、在留邦人の虐殺事件を経て日本が軍隊の派遣を余議なくされ、宣戦布告なき戦いに突入していくプロセスを詳述。中国側の挑発・宣伝戦の実態をも明らかにした、きわめて今日的教訓に富む日中戦争前史!

感想・レビュー・書評

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  • 日中戦争は侵略かどうかで議論があるが、安倍さんたちはそうではなかったと言いたいのだろう。その根拠となるべき事実をあげて論じているのが本書である。本書は「支那通」軍人佐々木到一の中国とのかかわりを軸に書いているが、これを読んでいくと、中国の軍隊はどうしょうもなく、日本人居民にたびたび危害を与えていて、日本の軍隊が出動するのもやむを得ないような気になってくる。たしかに、昔中国語を習ったとき、「よい人は兵隊にならない、良い鉄は釘にならない」ということわざを習った記憶がある。中国の軍隊というのはつまるところ傭兵―給料でやとわれているわけで、どこかの街を落とした時には、しばし、略奪させるのが常識だったようだ。そういうわけで、蒋介石の北伐軍が北上したときも、あちこちで略奪強姦を繰り返していて、それが日本居民にまで及んだということであろう。日本軍は中国のあちこちで略奪強姦放火を繰り返したと言われるが、「通州事件」や「南京事件」における日本人虐殺を含め、中国軍も同じかそれよりひどかったことがわかる。人はみなそういう状況に置かれると、往々にして残酷になるのである。たしかに、日本人はへたないいわけをせず、潔くするのを尊ぶが、中国人はねっからの外交官と言われるように、宣伝がうまかった。それは抗日の中心であった国民党だけでなく共産党も変わらない。それに外国の人たちはまんまとのせられ、日本が悪者になったところもある。言い換えれば日本人は単純だったのだ。帝国主義列強の仲間に入ろうとしたが、周りは一枚も二枚も上手だったというしかない。別の言い方をすれば、外交がまずかったから、武力にうったえざるをえなかったということになろう。本書を読みながら、そんなことを考えた。

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著者プロフィール

1952年福岡県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。日本近現代史研究家。著書に『映画に見る東アジアの近代』『石原莞爾の時代』『石原莞爾と小澤開作』(芙蓉書房出版)、『朝鮮で聖者と呼ばれた日本人』『日本はいかにして中国との戦争に引きずり込まれたか』(草思社)、訳書に『中国の戦争宣伝の内幕』『暗黒大陸中国の真実』(芙蓉書房出版)、『満洲国建国の正当性を弁護する』(草思社)などがある

「2018年 『中国共産党の罠』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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