巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?:縮みゆく国々が仕掛ける制度イノベーション

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  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794220608

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  • その昔、学校で学んだEUは10か国に満たない連合だったが、いまや28か国にもなった。今もまだ独立運動が盛んな欧州において、一方で一つにまとまろうという動きがEUである。
    本書を読むと、EUがいかに強い権力を持ち、各国の政治・政策に影響を与えているかがわかる。ローマ帝国滅亡後、イスラム教勢力が欧州に勢力を伸ばし、その後の共産圏の盛衰によって、国境線が何度も引き直された結果、民族や宗教が複雑に組み合わされてしまった。これをまとめる役目としてのEUを実験国家と称しているが、EUが決める政策がイノベーションを引き起こすという意味で壮大な実験だと思う。
    現在の欧州を理解するための一つの切り口であり、とても興味深い。お勧めです。

著者プロフィール

国末憲人(くにすえ・のりと)
朝日新聞ヨーロッパ総局長。1963年岡山県生まれ。1985年大阪大学卒。1987年パリ第2大学新聞研究所を中退し、朝日新聞社に入社。パリ支局員、パリ支局長、論説委員、GLOBE編集長などを経て現職。著書に『ポピュリズムに蝕まれるフランス』『イラク戦争の深淵』『巨大「実験国家」EUは生き残れるのか?』(以上、草思社)、『自爆テロリストの正体』『サルコジ』『ミシュラン 三つ星と世界戦略』(以上、新潮社)、『ユネスコ「無形文化遺産」』(平凡社)、『ポピュリズム化する世界』(プレジデント社)、『ポピュリズムと欧州動乱』(講談社)などがある。

「2019年 『テロリストの誕生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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