データの見えざる手: ウエアラブルセンサが明かす人間・組織・社会の法則
- 草思社 (2014年7月17日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794220684
感想・レビュー・書評
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良い意味でこの本は、私の中の「時間管理神話」を崩してくれました。
その神話とは、一日は自分の意思と思い、
そして能力でコントロールできるということです。
しかし、これは著者の行った実験で完全否定されました。
自分達は、自由意志で自分をコントロールすることは、できず、
「法則」に従うということです。
その法則とはU分布に代表される人間行動の「ある規則性」です。
詳しくは本書を読むことをおススメします。
あまりに、衝撃的な結果なので、
最初は、自分の今までの人生を否定されたかのような気分になりました。
この本は読めば、なぜ、自分で考えたTO―DOに、
乖離が生じるのかよくわかります。
それは、人間の活動量は、予め決まっていて、
その活量量の配分も決まっているからです。
その意味で、TO―DOリストの作成と実行は、
害悪すらもたらすかもしれません。
データー活用が叫ばれていますが、
これは、今までの常識をひっくり返す魔力を秘めています。
この本を読んで私はTO―DO並びに、自分の仕事の仕方、
やりたいこと、キャリア作成、そして、人生における時間の在り方さえも、
再考する機会に恵まれました。
①1日の時間配分を活量量の法則に従って再考する
②そして、以前より、何を、なぜ行うかを、より考えるようにする
③活動を限定する
以前は、TO―DOの中で、その時の状況をみて、
優先順位をつけてアクションを行うことが、
最も合理的だと思っていました。
しかし、うまくいきませんでした。やはり自分の能力が低いからなのかと、
自己嫌悪に陥つていました。今は、それは能力が低いという、
定量できないことを考えるのはナンセンスで、
「自分を知らない」だけとわかりました。
そして、時間配分と行動の選定とその理由と、
そして明確化を行えば対処可能だと、
わかりました。
非常に衝撃を受けた本です。
全てを信頼するのは、個人の判断ですが、
定量分析を行っているだけに、その信用力は、
普通のビジネス本の百倍に相当します。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20180212読了
人工知能・ビッグデータといった技術と人とのこれからの在り方について書かれた本。
ウェアラブルセンサを用いて行動データを収集し、人間の幸福度や組織の活性度合いといった指標の向上について定量的に検証している。
人間の行動と物理学のアナロジーについての考察は興味深かった。
・人間が出来て人工知能が出来ないこと
・人工知能を使って成果を出す3原則
・増幅化する人類 3.0
・データの見えざる手による経済活動の向上と人類の幸福の一致
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ウェアラブルデバイスを身につけることで、人の思わぬ習性が分かると同時に、どうやると自分(および周りの人)を上手く動かすことが出来るのか、が書いてある本。Apple Watch等にこの本に書いてあるノウハウに即したアプリがあれば、ずいぶん自分の行動が変わるのになぁ、と思ったりした。ともあれ、2.3年以内に、自分を気持ちよく動かしてくれるウェアラブルデバイスが発売されるんだろうなぁ、と思う。これからの時代を生きるためには必読の本だなぁ、と思ったりした。
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データの見えざる手、タイトルが絶妙です。
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2冊おいてあります。
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ちまたでよく耳にするビッグデータとは?という疑問から。
ウェアラブルセンサーによって集約されたデータから、人の行動をデータとして読み解く。
特に専門的知識がなくとも読める内容で、俄然興味が惹かれたのは職場環境の「活気」についての項。現代ではムダで悪しき習慣とされる家族的ともいえる団結が、生産性に結びついていたという。サンプルが少ないので一概には言えないだろうが、示唆に富み表面的な合理化を推し進めるのも考えものかもしれない。なんとなく、自身も身に覚えがあることだった。無根拠であっては精神論と思われることも、こうした裏付けがあればまた新しいものとして受け入れられるかもしれない。間違いなく今後必要になってくる分野であるので、他の書籍も読んでみたい。 -
非常に優れた本である。
現在は大量のデータをAIによって解析して演繹的に法則を見いだす時代が来ているが、人間の行動や社会に関するデータを取るのが難しかった。そのデータを取れるようにしたのが筆者の考案したウェアラブルセンサーである。これにより企業業績や人間の幸福等に飛躍的にコンピューターが役立てる時代が来る。
人間の脳の処理能力には限界があり、コンピュータは大量のデータを処理するスピードははるかに上を行っているので、これからは大量の情報を分析する演劇的な事はコンピューターが行うようになる。これまでの科学は人間が限られた情報から仮説を作り検証するということであり、コンピュータはその検証に使われてきた。今後は仮説作りもコンピューターが1のようになるどういうこと。
コンピュータのできないことは、問題(目的)の設定、定性的な目標の解こと、及び結果の責任をとること。