江戸時代の罪と罰

著者 :
  • 草思社
3.60
  • (2)
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 51
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794221681

作品紹介・あらすじ

江戸初期の「残酷時代」、将軍吉宗による「減刑化」の時代、明治維新を迎え、打ち首・獄門などの過酷刑を廃止、刑も文明化してゆく。
昨秋、国立公文書館で催され大盛況だった著者企画監修の展覧会の内容を大幅増補し書籍化。尋問、拷問、処刑の実態から、牢獄の世界まで、全26章、驚愕の事実が満載!希少な図版30点を収録!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 江戸時代初期の人命の軽さを象徴する人斬り、辻斬りから始まり、残酷な刑(牛裂・釜煎など)から江戸中期、将軍吉宗による刑の緩和化、法令集の編纂など、刑罰改革の断行。また冤罪や牢獄の実態を多彩な史料から照らし出した、江戸時代中心をに、明治十数年代までを対象とした、罪と罰の「展示会」。絵図にぞっとしたり、古文書(の解説)を眺めたり。今につながる問題をも秘めた、興味深い内容でした。

  • 新聞の書評欄に紹介されていたのがきっかけで読んだ。
    先日読んだ「本の『使い方』」(出口治明著)の中で、ビジネスで大事な視点は、
    ①数字
    ②ファクト(事実)
    ③ロジック(論理)
    の3つであるとした上で、「私が江戸時代に最低の評価を下しているのは、江戸時代が栄養失調の社会だったことが数字でわかっているからです」という記述があった。
    江戸時代を「最低」と言い切っていることに衝撃を受けた。
    ここから、江戸時代について調べてみようという思いがあり、本書を読んだ。
    著者は国立公文書館に勤めた氏家幹人氏。さまざまな文献を丁寧に当たり、記述(事実)を基に書いている姿勢が素晴らしい。
    江戸時代の初期と幕末期には「辻斬り」が頻繁にあり、牢の環境が悪く、未決囚が多くなくなるような環境であった。
    私たちが思う以上に、武士は武士の論理で生きており、横暴である。
    名君と呼ばれる徳川吉宗は、刑のあり方を研究し、改革してきた。牢も劣悪な環境が改善されるようになった。しかし、それまでには多くの血が流れている。

  • 鼻削ぎの刑が怖かった。

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

氏家 幹人(うじいえ・みきと)
1954年福島県生まれ。東京教育大学文学部卒業。歴史学者(日本近世史)。江戸時代の性、老い、家族を中心テーマに、独自の切り口で研究を続けている。著書に『大名家の秘密』(草思社)、『かたき討ち』『江戸人の老い』『江戸人の性』(いずれも草思社文庫)、『増補版 江戸藩邸物語』(角川ソフィア文庫)、『武士道とエロス』(講談社現代新書)、『江戸の少年』『増補 大江戸死体考』(いずれも平凡社ライブラリー)、『不義密通』(洋泉社MC新書)、『サムライとヤクザ』(ちくま文庫)などがある。

「2021年 『文庫 江戸時代の罪と罰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

氏家幹人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×