- Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794221858
作品紹介・あらすじ
1957年、ソ連の人工衛星スプートニクが、アメリカの上空を横切った。夜空を見上げ、その輝きに魅せられた落ちこぼれ高校生四人組は考えた―このままこの炭鉱町の平凡な高校生のままでいいのか?そうだ、ぼくらもロケットをつくってみよう!度重なる打ち上げ失敗にも、父の反対や町の人々からの嘲笑にもめげず、四人はロケットづくりに没頭する。そして奇人だが頭のいい同級生の協力も得て、いつしか彼らはロケットボーイズと呼ばれて町の人気者に。けれど、根っからの炭鉱の男である父だけは、認めてくれない…。のちにNASAのエンジニアになった著者が、ロケットづくりを通して成長を遂げていった青春時代をつづる、感動の自伝。 映画『遠い空の向こうに』原作。
感想・レビュー・書評
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最高におもしろい!
清々しい読後感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アメリカの炭鉱町に暮らす高校生四人は、ソ連の人工衛星スプートニクを夜空に見てその輝きに魅せられる。
度重なる失敗にもめげず、まわりの嘲笑や父の反対にあいながらもロケット作りに没頭する四人。
NASAのエンジニアになった著書が綴った青春時代。映画「遠い空の向こうに」の原作
上下巻ありましたが夢中で一気に読んでしまいました。元気になれる一冊です。
大好きな本がまた増えました♪
夢を実現させる人って本当にすごい! -
昔読んだ本
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人の夢を笑う者がいるなら、この本をプレゼントしたい。
彼らは読まないかもしれない。
しかし、とんでもない夢を叶えた彼(ら)の物語を知らないことをいつか恥じることを信じている。
著者であるホーマー・ヒッカム・ジュニアは、NASAのエンジニア。
貧しい炭鉱の町から、ロケット開発技術者になる
典型的なサクセスストーリー。
実際の話であるから、物語の結末はわかっている。
しかし、その背景にあった家族、仲間の存在については、
勇気づけられるもの。
自分には、こんな無謀ともいえる夢を持つ勇気を持っているだろうか。
仲間がいるだろうか。家族がいるだろうか。
夢を持った時、それは自然とついてくる。
夢を信じる思いが、周りを動かすことができる。
そう思わせてくれる作品。 -
NASAの技術者である著者の高校時代の日々を綴った自伝小説。時代は1950年代。ソ連がスプートニクを打ち上げ、アメリカはフォン・ブラウン博士がアメリカ初の人工衛星打ち上げに取り組んでいた冷戦真っただ中の時代。
ウエストバージニア州の炭鉱の町、コールウッドで高校時代を送った著者が、ロケット開発を目指し、高校の同級生達と手作りロケットを飛ばしながら次々と問題を乗り越えるさまを辿っています。
この時代だから許されたことだとは思いますが、町の空き地を自分達のロケット発射基地として、さまざまな化学物質を調達して燃料を調合し、試行錯誤を繰り返していきます。炭鉱だけしか産業のない斜陽化の町で、最初は異端児扱いされた著者を含む同級生が、炭鉱で働く様々な技能工の人の助けを得てロケット開発に邁進する日々は読んでいてワクワクしてきます。登場する同級生や教師などのキャラクターも愛嬌があって、下巻が楽しみな1冊です。 -
スプートニクが打ち上げられた1957年。ウエストバージニア(ジョン・デンバーですね)の炭鉱町の高校生達が自作ロケットの打ち上げに奮戦する自伝物語です。
読み始める前は「未来はきっと良くなる」的な能天気なまでに楽観の物語を予想していたのですが、随分と違っていました。
栄えてはいるものの次第に斜陽の影が差し、閉塞感に覆われつつある炭鉱町を舞台に、人種差別、陰湿なイジメ、売春などの不道徳、ある意味古き「悪しき」アメリカがたくさん出てきます。そして、家庭内の不和。
しかしそんな中、四人の高校生が始めたロケット作り。何の情報も無いまま思い付きで始めたロケット作りは、1冊の参考書を得ることで微分方程式まで半ば自得しながら本格化していきます。最初は奇人扱いされたものの、次第に町の希望として大人たちの支持を受け、様々な協力を得るようになり、最後には全米科学フェアで金賞を取るに至ります。
何せ日本がペンシルロケットを飛ばしていた数年後に、全長2mの自作ロケットを巡航中のジャンボジェットが撃ち落とせそうな9500mまで打ち上げてしまい、それが徒歩圏内に落ちてくるのですから。
暗い世の中で、それを吹き飛ばす一念の見事さが描かれた力強い物語でした