人は皮膚から癒される

著者 :
  • 草思社
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本棚登録 : 157
感想 : 13
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794222145

作品紹介・あらすじ

つねに外界と接し、脳より先に快不快を判断し、わたしたちの行動や心理に強い影響を与えている皮膚。本書では、直接「触れ合う」効能はもとより、ただ「寄り添う」だけで相手を勇気づけたり、元気づけたりするという「皮膚がもつ「癒しの力」の正体に迫る。
さらに、認知症に効果があるといわれるユマニチュードや、セラピューティックケア、タクティールケアなど介護やホスピスの現場で注目されている「触れるケア」の効能についても言及。実際に自分でもできる皮膚から元気になる方法も提案する。

感想・レビュー・書評

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  • 〇しかしそうではなく、まずは子どもに一歩近づいて、子どものそばにいるだけで十分だ。(p157)
    ☆最近、セクハラとか、虐待とか、いろいろ言われているけど、皮膚からの情報は表情などの顔の情報と同じ位伝わりやすいものなのだそうだ。本当か!だから、嫌々触られていると、それが相手にも伝わるってこと。あー、なんとなくわかるかも・・。
    だから、まず、近づく。それが大丈夫になったら、話しかけたり、目をあわせたりする。そして、触れてみる。
    ものには順序がある。触れる遊びも有効。

    〇筆記療法では、普段抑制されているネガティブな出来事について、1日に20分間、4日間連続で書いてもらう(p173)
    ☆そうすると、抑制しているのをはきだすので、抑制のためのエネルギーを使わなくてよくなる。
    また、繰り返し嫌なことを思い出すので、思い出すことが苦痛でなくなる。なるほど・・そういう考え方もあるのか。
    そうすると、その記憶を考えるのが容易になるので、じっくり評価することもできる、らしい。
    あとは、例えば自分の辛い出来事を友人が同じようにあったとして、なんて言ってあげるか(思いやり、優しさ、心配)などを書く「思いやり筆記」も、自分の心身を癒すことができるらしい。いいね。癒されたい。

  • ぱらっとめくって「摂食障害と胎児期のうぶ毛の関係」…という章に興味がわいて借りてみた。
    皮膚は情報処理をしていて触れられると開いて人間関係の礎を築く。逆に触れられないと皮膚は閉ざされ、自分を閉じ他者との適切な境界を築くことが困難になる。

    皮膚と心、体は深いところでつながっているのかもしれない。読んでいるととても心に突き刺さる個所があって、もっと早く、できれば育児している時に読みたかった…と思った。生まれてからの皮膚への刺激(ベビーマッサージや抱っこ、おんぶ、スキンシップ)が重要で、育てにくい子ほど「スキンシップケア」が必要不可欠だと感じた。

    個人主義と間人主義の85ページあたりは興味深かった。自己も他者も膨張する、よいことも悪いことも共振する。愛着不安定型の人の場合…孤独→セルフケア→コスト高い→継続困難→疲労→挫折→病…というパターンに陥りやすいらしい。なるほど…よくわかった。

    ただ時々言い回しがおかしな部分や、結論付けるのが早すぎるところがあった。最初はインパクトあるような気がしたんだけど…求めているものと少し違ったので残念。

    過去の親子関係から自由になるために。「健全な甘え」と「甘やかし」、「屈折した甘え」→こじれて他者を信頼できなくなったり、自己愛に転じたりする。他、ミラーニューロン、オキシトシン、自閉症、ユマニチュード、介護、緩和ケアなど幅広く(浅く)書かれていたので、もう少し深く読んでみたいと思った。

  • タイトルだけに惹かれて読みたいと思った本だったのに、こんなに素晴らしい内容だとは思いもしなかったので嬉しい!誤算でした。

    単なるスキンシップにより癒しを感じるだけではなく、人との境界を拓くことで得られることが生きて行く上でこんなにもあることに驚かされました。

    私は、マッサージを継続して受けているのですが、施術者もオキシトシンが施術後に上がる効果があるのは、本当に意外でした。
    施術の技術だけではなく、「凝りをほぐしてあげよう」「痛みを楽にしてあげよう」という心によって、施術者もホルモンが増加してプラスになると書かれています。

    これまでは、物理的にほぐれたり血行が良くなったりすることの効果を体感していたけれど、実は、それだけではなかったのですね。

    共振出来るということは、単にマッサージだけではなくて、親子、夫婦、恋人、友達など様々なシーンで得られるメリットがあるのではないかと思います。

    また、感謝の気持ちを伝えることや人に喜ばれることを意識して行くことは、仏教的な教えとリンクしていているけれど、具体的にどういった作用が現れるのかが、理解しやすかったです。

    やはり、人との関わりは、「話す」「見る」「触れる」など欠かせないものだと改めて知らされました。
    身近な人とのふれあいをもっと大切にしたいと思わせてくれました。

    上手くこの本の内容を伝えられる文才がないので、興味があれば、ぜひ、多くの方に読んでもらいたいと思います。

  • 心を開いて相手に寄り添うだけで、大きなパワーを与えることができ、自分自身の皮膚も反応してそれ以上のパワーをもらうことができる。
    うつ病など感情障害の人は、汗をかかない傾向がある。体温制御ができず体温が高くなる。
    自閉症にはマッサージをすると効果がある。
    人の脳は、親しい他者をあたかも自分の一部であるように感じる。
    愛することは、お互い見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向を見つめること。困難な時は相手に寄り添い共に立ち向かおうとする心の表れ。
    他者や社会とつながることが病を治す重要なポイント。
    笑うこと、心を開くこと、人に語ること、感謝すること、親切にすること、許すことが元気な自分を取り戻す。

  • 皮膚を2視点から考察
    ①外界からの刺激センサー:C繊維/セロトニン神経系賦活
    ②外界との交流の場としての境界:肌/関係性
    :間人/集団/個人主義:
    :ペリパーソナルスペース:流体としての接触
    :「見つめ合い」と「共同注視」

    ベースとしての「感受性(経験)」「信頼関係」が前提

  • 久々に面白い本を読んだ。
    まず、人の境界のあやふやさという視点。人の境界と大地の境界と大空の境界は1本の線で引けるものではなく、流体として混ざり合っているという視点はものすごく斬新。
    そして、そこから、自分というものは皮膚の内面だけにとどまらず、自分の境界はあわくて伸び縮みするもので、周囲の人であったり、家屋であったり、土地であったりを含むという視点。
    人の不調は自分の1人なかで解決されるのではなく、人と人との間で解決されていくという視点。境界が自分の皮膚の内面だけに固まって閉ざしてしまうと人間は病むが、皮膚という境界を開いてくことで人は癒されるという観点。
    人からじっと触れられるというだけで、自尊感情が高まるというタッチセラピーの効果であり、その時間・空間の超越性。

  • 実際に皮膚に触れなくても、ただ誰かがそばにいるだけでも困難な状況が困難でなく見えてくる
    触れられると皮膚温は上昇する
    親密さを回避する人は糖分を大量に摂取してしまう。愛着不安定型の人はエネルギー消費を少なく、動かなくなってしまう。

    いきなり掴まず、下から支えるようにして起こす

  • 【繊維学部図書館リクエスト購入図書】
    ☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです☆
    http://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB22005665

  • 山口さんの本の中ではこれが一番オモシロイと思った。いろんな視点から、『触れる』効用について書かれていて、さまざまな学者さんがされてきた実験結果についても、「へぇ」と素直に感心。こんなにもたくさんの人が『触れる』ケアについて考えていたんだなというところでも驚く。他ある2冊(『皮膚は心を持っていた』『手の治癒力』)も読んだけれど、自分的にはこの本が一番好き。

  • 実際に触らなくても、寄り添うだけでもいい。ぬいぐるみでも効果ありということは、結局心の問題?

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著者プロフィール

1967年、静岡県に生まれる。早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程を修了。専攻は、健康心理学、身体心理学。桜美林大学リベラルアーツ学群教授。臨床発達心理士。
著書には『皮膚はいつもあなたを守ってる』『手の治癒力』(以上、草思社)、『皮膚感覚の不思議』(講談社ブルーバックス)、『子育てに効くマインドフルネス』(光文社新書)、『からだの無意識の治癒力』(さくら舎)などがある。

「2021年 『最良の身体を取り戻す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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