人は皮膚から癒される

著者 : 山口創
  • 草思社 (2016年7月21日発売)
3.77
  • (5)
  • (1)
  • (6)
  • (1)
  • (0)
  • 本棚登録 :66
  • レビュー :8
  • Amazon.co.jp ・本 (204ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794222145

作品紹介・あらすじ

つねに外界と接し、脳より先に快不快を判断し、わたしたちの行動や心理に強い影響を与えている皮膚。本書では、直接「触れ合う」効能はもとより、ただ「寄り添う」だけで相手を勇気づけたり、元気づけたりするという「皮膚がもつ「癒しの力」の正体に迫る。
さらに、認知症に効果があるといわれるユマニチュードや、セラピューティックケア、タクティールケアなど介護やホスピスの現場で注目されている「触れるケア」の効能についても言及。実際に自分でもできる皮膚から元気になる方法も提案する。

人は皮膚から癒されるの感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ぱらっとめくって摂食障害と胎児期のうぶ毛の関係…という章に興味がわいて借りてみた。
    皮膚は情報処理をしていて触れられると開いて人間関係の礎を築く。逆に触れられないと皮膚は閉ざされ、自分を閉じ他者との適切な境界を築くことが困難になる。

    皮膚と心、体は深いところでつながっているのかもしれない。読んでいるととても心に突き刺さる個所があって、もっと早く、できれば育児している時に読みたかった…と思った。生まれてからの皮膚への刺激(ベビーマッサージや抱っこ、おんぶ、スキンシップ)が重要で、育てにくい子ほど「スキンシップケア」が必要不可欠だと感じた。

    個人主義と間人主義の85ページあたりは興味深かった。自己も他者も膨張する、よいことも悪いことも共振する。愛着不安定型の人の場合…孤独→セルフケア→コスト高い→継続困難→疲労→挫折→病…というパターンに陥りやすいらしい。なるほど…よくわかった。

    ただ時々言い回しがおかしな部分や、結論付けるのが早すぎるところがあった。最初はインパクトあるような気がしたんだけど…求めているものと少し違ったので残念。

    過去の親子関係から自由になるために。「健全な甘え」と「甘やかし」、「屈折した甘え」→こじれて他者を信頼できなくなったり、自己愛に転じたりする。他、ミラーニューロン、オキシトシン、自閉症、ユマニチュード、介護、緩和ケアなど幅広く(浅く)書かれていたので、もう少し深く読んでみたいと思った。

  • 心を開いて相手に寄り添うだけで、大きなパワーを与えることができ、自分自身の皮膚も反応してそれ以上のパワーをもらうことができる。
    うつ病など感情障害の人は、汗をかかない傾向がある。体温制御ができず体温が高くなる。
    自閉症にはマッサージをすると効果がある。
    人の脳は、親しい他者をあたかも自分の一部であるように感じる。
    愛することは、お互い見つめ合うことではなく、一緒に同じ方向を見つめること。困難な時は相手に寄り添い共に立ち向かおうとする心の表れ。
    他者や社会とつながることが病を治す重要なポイント。
    笑うこと、心を開くこと、人に語ること、感謝すること、親切にすること、許すことが元気な自分を取り戻す。

  • 実際に触らなくても、寄り添うだけでもいい。ぬいぐるみでも効果ありということは、結局心の問題?

  • 皮膚を2視点から考察
    ①外界からの刺激センサー:C繊維/セロトニン神経系賦活
    ②外界との交流の場としての境界:肌/関係性
    :間人/集団/個人主義:
    :ペリパーソナルスペース:流体としての接触
    :「見つめ合い」と「共同注視」

    ベースとしての「感受性(経験)」「信頼関係」が前提

  • 久々に面白い本を読んだ。
    まず、人の境界のあやふやさという視点。人の境界と大地の境界と大空の境界は1本の線で引けるものではなく、流体として混ざり合っているという視点はものすごく斬新。
    そして、そこから、自分というものは皮膚の内面だけにとどまらず、自分の境界はあわくて伸び縮みするもので、周囲の人であったり、家屋であったり、土地であったりを含むという視点。
    人の不調は自分の1人なかで解決されるのではなく、人と人との間で解決されていくという視点。境界が自分の皮膚の内面だけに固まって閉ざしてしまうと人間は病むが、皮膚という境界を開いてくことで人は癒されるという観点。
    人からじっと触れられるというだけで、自尊感情が高まるというタッチセラピーの効果であり、その時間・空間の超越性。

  • タイトルだけに惹かれて読みたいと思った本だったのに、こんなに素晴らしい内容だとは思いもしなかったので嬉しい!誤算でした。

    単なるスキンシップにより癒しを感じるだけではなく、人との境界を拓くことで得られることが生きて行く上でこんなにもあることに驚かされました。

    私は、マッサージを継続して受けているのですが、施術者もオキシトシンが施術後に上がる効果があるのは、本当に意外でした。
    施術の技術だけではなく、「凝りをほぐしてあげよう」「痛みを楽にしてあげよう」という心によって、施術者もホルモンが増加してプラスになると書かれています。

    これまでは、物理的にほぐれたり血行が良くなったりすることの効果を体感していたけれど、実は、それだけではなかったのですね。

    共振出来るということは、単にマッサージだけではなくて、親子、夫婦、恋人、友達など様々なシーンで得られるメリットがあるのではないかと思います。

    また、感謝の気持ちを伝えることや人に喜ばれることを意識して行くことは、仏教的な教えとリンクしていているけれど、具体的にどういった作用が現れるのかが、理解しやすかったです。

    やはり、人との関わりは、「話す」「見る」「触れる」など欠かせないものだと改めて知らされました。
    身近な人とのふれあいをもっと大切にしたいと思わせてくれました。

    上手くこの本の内容を伝えられる文才がないので、興味があれば、ぜひ、多くの方に読んでもらいたいと思います。

  • この著者の本は大体読んでいるので内容的には共通しているのだが新たな実験結果や考察などもあり面白いです。

    ひとつ前に読んだ別著者の「孤独の価値」とはある意味対極的なテーマな感じもしますが癒されるという感覚としては根っこでは繋がっている気がします。

    個人主義でも集団主義でもなく間人主義のはなしや触れることで起こる相互のオキシトニンの変化については非常に興味深かった。

    おすすめです。

全8件中 1 - 8件を表示

人は皮膚から癒されるのその他の作品

人は皮膚から癒される Kindle版 人は皮膚から癒される 山口創

山口創の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
塩田 武士
佐々木 圭一
ヴィクトール・E...
三浦 しをん
傳田 光洋
小池 龍之介
デール カーネギ...
クスド フトシ
仲谷 正史
有効な右矢印 無効な右矢印
ツイートする