最悪の事故が起こるまで人は何をしていたのか (草思社文庫)

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (514ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794222930

作品紹介・あらすじ

現代における最も危険な場所の一つが巨大システムの制御室である。原子力発電所、ジャンボ機、爆薬工場、化学プラント、核ミサイル基地……技術発展に伴い、システムはより大きく高エネルギーになり、人員はより少なくて済むよう設計されたが、事故が起これば被害は甚大になる。巨大システムが暴走を始めたとき、制御室で人びとは何をするのか、何ができるのか。最悪の事故を起こすシステムと、その手前で押さえ込むシステムとの違いは何か。50余りの事例を紹介しつつ、巨大事故のメカニズムと人的・組織的原因に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • うーん、学術的な分析というのとは違うんだけども面白いんじゃないかな。スリーマイル島みたいな有名な事故からスタジアムの屋根の崩落等も扱ってる。

  • 509-C
    文庫(小説・エッセイ以外)

  • 事例はやや古いが読み応えがあった。どの事例も、自分でもやりそうなミスや見逃し、ちょっとした誤魔化しから端を発しているのを見ると恐ろしいし、こうして平穏な日常を送れているのは多くの人の誠実な努力の上に成り立つ奇跡のようなものだ、との思いも新たにする。

  • 命令が一方通行で流れてくる組織だと工場や発電所、航空機、列車、建築現場等危険を伴う現場では事故につながることがあると数々の実例でわかる。
    今まで生きてきて見て見ぬふり振りをしたことが人命に関わる事故になることはなかったが、見たら声を出して誰かに相談していこうと考えました。

  • たくさんの失敗事例が具体的に紹介されている。
    ちょっとした設計ミス、人為ミス、人間関係、予算不足などの小さな芽が積み重なって掛け算となって、いよいよ引き金が引かれる様子が紹介されている。
    かなりのボリショイなので一気に読もうとするとキツいが、一つ一つのエピソードがどれも興味深い。

  • 世の中にはまだまだ知らない事故がたくさんあることを知った。
    →ポパール化学工事事故など

    危険に身をさらすと邪心がなくなる(認識ずれあり?)といった内容があり、なるほどと思った。

    アクセルの踏み間違え事故についての章もあった。
    →オートマチック車暴走事故

    事故を防いだ例もあれば、防げたはずなのに防げなかった例もある。

    事故はひとつのミスで起こるのではなく、事故が起こるまでにはたくさんのミスが重なっていることがほとんどである。

    時間的余裕を持たせたプロジェクト進行が大事。
    →飛行船R101墜落事故、ケイシー・ジョーンズの機関車事故など

    完全に余談だが、きかんしゃトーマスが何度か頭に浮かんだ。
    ストーリーごとに、このストーリーの事故は何が原因なのか、この本に照らし合わせて読むのもありかもしれない。

  • 50もの事例を紹介しながら巨大事故の原因を考えた書籍。人的ミス、組織システムのミスが具体的にどうやって発生したのかを掘り下げている。いかなる問題もここまで掘り下げて、次の発生を防止したいものである。

  • 面白かった。色々な事故があるし、どれもぞっとする。悲劇だ。一方で問題に対処して事故を未然に防ぐ人もいる。準備は大切だ。システムが複雑になるからこそ、冗長性と余裕があって、少しでも考える時間を確保する事が必要というのは腹に落ちた。自分だったらどういう行動が出来るのだろう?2000年以降の事故についても論評を聞きたいと思った。

  • 2018年11月19日読了。

    506ページ

    実は6月に購入し、半分以上読んで積読になっていた本。
    文庫ながら1400円もして、500ページを超える大作。

    危機管理に興味がある方は読んでみてはどうでしょうか?
    帯によると「宮部みゆきさんも推薦」だそうです。

  • 我々が生きているのは、本能や伝統からかけ離れた、巨大な建造物・マシン・プラント・エネルギーで作られた、絶え間なく動いている世界だ。事故は、長期にわたるミスと不幸なできごとの累積、人間の典型的ミスで起きることを理解し、原因の連鎖を断ち切ろう。

    指摘されると確かに、周りには、ちょっと狂うとヤバいことだらけ。トラブルがないということの幸せ。

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