中国「絶望」家族: 「一人っ子政策」は中国をどう変えたか

  • 草思社
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  • Amazon.co.jp ・本 (367ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794222978

感想・レビュー・書評

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  • 中国の一人っ子政策によるゆがみを淡々と記す。すごい社会的実験をやってしまった。今更 同世代の人口は増やせない。2013年に単独二子政策に変更したものの、二人産む夫婦は10分の1.出産を抑制することが社会的地位の向上につながるという考え方が蔓延してしまった。
    感想:
    将来の中国は高齢化による人口爆弾を抱えているに等しい。国民の目を外に向ける政策を政府がとったとしても驚かない。この国・この政府であれば、次の手として、優生學による出産調整(選別)がおこなわれても不思議ではない。優秀な金持ちは子孫を残せ、貧乏人は子供を産むな。競走馬が速い馬のみ子孫を残せるように、知的レベルの高い国民のみが生きながらえる、恐ろしいが、それもありな気もしてくる。
    内容抜粋:
    四川地震で唯一の子を失った親。ロケット科学者が提案した政策、一人っ子政策の違反者を取り締まる指導員、小皇帝は悲観的で安全志向、婚活マーケットは女性優位だが学歴が高すぎる剰女を早く結婚させるキャンペーン、高齢化で親世代は脱神秘化、中国養子は実は人身売買だった、アメリカの代理母に産んでもらう中国人

  • マレーシア育ちの中国系米人ジャーナリストが中国の一人っ子政策の成り立ち、その闇を報じたルポ。
    断片的には知っていたが、子作り、家族の在り方にまで国家が介入し、そこに腐敗・不正が混じり合うことで、おぞましいまでの実態が克明に報じられ、改めて戦慄した。
    残念な点が2点。日本では中国の欠点を勝ち誇ったように報じる傾向があるが、邦題もそうなのではないか。
    一人っ子政策が人口構成に与える影響など、文章でつづられているのだが、数字やグラフ化してみるともっと理解が進んだ気がする。

著者プロフィール

マレーシア生まれの中国系ジャーナリスト。ロス在住。ピューリッツァー賞(国際報道部門、チームで受賞)、アムネスティ・メディア人権賞など受賞歴多数。「ウォール・ストリート・ジャーナル」紙の特派員として長年、中国各地を取材。

「2017年 『中国「絶望」家族』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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