作品紹介・あらすじ

作家たちに学ぶ、年の取り方!
「老い」を描いたエッセイ、小説、詩歌三十三篇を選りすぐって収録。

【目次】
めでたき人のかずにも入む老のくれ 芭蕉
いい人生? あさのあつこ
加齢とイケメン 角田光代
若々しい女について 向田邦子
少年老いやすし――教科書の中の時限爆弾―― 井上靖
せっかく逝くのだから少し珍しい最期を 河野多惠子
老いの寒さは唇に乗するな 山田太一
人も年寄れ 古井由吉
年も老いもっと愚かに 佐伯一麦
老人とジム 島田雅彦
老いのくりこと 抄 谷崎潤一郎
いくつになっても色気を 筒井康隆
若さとは 金子光晴
老年と人生 萩原朔太郎
酒 堀口大學
和楽のつどい 杉本秀太郎
夕陽無限好 富士川英郎
早く年取ることが出来ればと…… 吉田健一
孤蓬浮雲 松浦寿輝
明日が 谷川俊太郎
老いたるえびのうた 室生犀星
辛抱 木山捷平
葛飾 吉行淳之介
老いて、思うこと 遠藤周作
不条理と秩序 吉田秀和
存命のよろこび 河野裕子
虚空の遊び――「私の履歴書」 森澄雄
老いについて 中村稔
人生後半の壁 穂村弘
まどろむ 倉本聰
「忘れ」の不思議 鷲田清一
老年期認知症への対応と生活支援 中井久夫
病床夢幻(二) 抄 太田水穂

著者略歴・出典

感想・レビュー・書評

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  • (2023/10/31 2h)

    どういう基準で選んでいるのか分からない選著の仕方だなと思いました。
    老いの基準や作家の選出基準などに疑問が残ります。
    クオリティにもバラつきがありすぎます。

    作家のオリジナリティある生き方が見たいのに論文調のものや詩のみの掲載、引用ばかりのものなどもあり、わたしの期待していたものとはズレていて残念でした。

    前エピソードに出てきた作家を次のエピソードに並べるのは良い掲載順ですね。

    魅力的だったのは
    ・古井由吉
    ・谷崎潤一郎
    ・萩原朔太郎
    ・堀口大學

  • 故人含めた様々な作家さんの「老い」に関するエッセイ集

    20歳後半、共感できた言葉。老い、とは。

    加齢とイケメン―角田光代
    →確かに、「イケメンの基準」は移り変わる。
    世間でもてはやされる「イケメン」に違和感を覚えたなら、それは一種の「老い」なのかもしれない。

    少年老おいやすしー教科書の中の時限爆弾ー―井上靖
    →「大人になると、あの時もっと勉強していればと思うようになる。なので、今がんばりなさい」と言われ、必死に勉強した。そして、大人になって思う「あの時もっと勉強していれば…」

    人も年寄れ―古井由吉
    →[若い人にも老いの境地はある]この一言が一番共感した。20代であれ10代の頃に比べると確実に「老い」ている。明日はひたひたと近づいて、人はみな平等に老いていく。

    せっかく逝くのだから少し珍しい最期を―河野多恵子
    →せっかくだから飛行機事故で死にたいなんて、絶対に思わない。けれど、そうやって亡くなった人は、その「できごと」と共に一生誰かの胸で生き続けるような気もする。ある意味永久に若く美しいままの姿で、生き続けることが出きる。

    老いたるえびのうた―室生屑
    →生きてたたみを這うてゐるえせえび一疋。
    からだじうが悲しいのだ。
    老いとは、身体中が悲しくなることなのか?

    早く年取ることが出来ればと…―吉田健一
    →人間には成熟すること自体の他に目的がない。それは人間であるから人間になることであってそれが簡単なことでないから若いうちというのが長い間続く。
    年取った感じがしないのも年取った証拠で若いうちは自分の年ばかり気にしてる

    孤蓬浮雲―松浦寿輝
    →加齢とは、愉快も悲哀も、希望も失望も結局はそこそこのものでしかないみずからの人生の凡庸と、少しずつ慣れ親しんでゆく過程にほかならない。

    不条理と秩序ー吉田秀和
    →老いというか、生と死に関する考え。
    「人間は不条理の世界に投げこまれた存在である/サルトル」不条理は「普通の世界」のどこかにのっかりあいたあなみたいなもの。幸せに生きていたときは、それを当然のように受け入れていたけれど、それがなぜ条理なのか。事故にあったのが不条理なら、またまたその電車に乗らなかったのがなぜ条理なのか。
    答えが出ず、気づくと虚しく思う。
    人間はお互いに殺し合ったり傷つけ合ったりするだけでなく、こういう芸術をつくりだす創造的想像力を働かせることもできたのだった。
    「生きていればこそ、幸せにもなれたろうに/トルストイ」
    まさに、そう思う。

    老いについて―中村稔
    →いつ「老い」がはじまるか。意識的にせよ無意識的にせよ、わが身が周囲に対する甘えを覚えてるとき、老いたというべきだ、と私は思われる。逆にいえば、人によっては、「青春」が終わったと感じたとき、もう「老い」ははじまっているかもしれない。


    まどろむ―倉本聰
    →ボケとは「まどろみ」のこと。まどろみとは、うとうと眠る。少しの間眠る、という意味。まどろみの深さ度合が日によって大きく変化する。

    老年期認知症への対応と生活支援―中井久夫
    →早期発見が大接近
    自己史的同一性が怪しくなる=認知症
    前頭前野の萎縮
    認知症の初期症状↓
    顔は分かるが名前が出てこない
    車の車庫入れがうまく行かない
    認知症検査の方法↓
    時計を見て時間を読み取る
    12進法、60進法、アナログとデジタルの使い分け、加減乗除の計算、文字がどれだけ描いてあるか、それはなん文字か
    日付の記憶は難しく、できなくなることは人生の後半には普通のこと
    買い物は出来るだけする方がいいが、難しい。献立は単純になり、種類が少なくなり、単品になる。
    ペット療法、園芸療法、音楽療法はよい。
    新聞が読めなくなったら、読んであげてから関連した話題へと話を広げてゆく。
    「目の前病」…そこ、そこと指差しているところがわからない
    「知」はおおまかになっても「情」「意」は残る。最後まで「情」は残る。
    初期は「何回同じこと言わせるのか!」と怒鳴られることが多くなる。この慢性的な屈辱がなければ、進行あるいは予ごが違ってくるのではないか?
    友人との交友が続けばなおよい。

  • 鷲田清一さんの文章が読みたくて手にしたのでそれは満足したのだが、筆者によっては不快な文章も散見された。若い女を引き合いに出さないと物事を語れないのは愚かだと思う。

  • いろんな作家の老いへの思いが表現されていたが、理解困難なものが多かった。
    あさのあつこさんのは、よくわかって、同意できる。
    遠藤周作氏のも、分かりやすくてかつ面白い。
    凄い高齢化の日本、長く生きるのも、簡単じゃない。

  • 「生と死は一種特別な親戚関係」という言葉が印象に残りました。作家の「老い」に関する文章が集まっていて面白くはありました。途中眠気が来て、心構え出来てないなと思いました。

  • 良い話もたくさんありましたが、
    ちょっと集めすぎなんじゃないかな?

  • 芭蕉から始まるのがよかった

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