あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書

制作 : Arne Lindquist  Jan Wester  川上 邦夫 
  • 新評論
3.48
  • (14)
  • (19)
  • (42)
  • (4)
  • (2)
本棚登録 : 386
レビュー : 28
  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794802910

作品紹介・あらすじ

本書は、13歳から年齢とともに増大する法律的権利と義務、消費者としての基礎知識、コミューンの行政と住民の役割、社会保障制度とその内容が、豊富で生き生きとしたエピソードを通して平明に解説されています。またそれだけでなく、いじめ、恋愛、セックス、結婚と離婚という人間関係についても取り上げています。そして、暴力と犯罪、アルコールと麻薬、男女間の不平等、社会的弱者や経済的・社会的に恵まれない家庭の存在など、いわば社会の負の面も隠すことなく紹介しています。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • たまたまTwitterで見かけて買ってみたけどすごく面白かった。スウェーデンの中学生が使う社会の教科書なので当たり前だけどわかりやすいし、かといって子ども向けというほど簡単でもない、失業者、生活保護、犯罪などに関する現実的な話もたくさん出てきて、まさに「自分たちの社会」のこと、その中で起きていることについて自分ごととして捉えられるような記述の仕方が印象的だった。あとは、項目ごとについている課題も、日本の大学生でもちゃんと議論できるか?というレベルのものもある。脱税、殺人、公害、強姦、放火…のうち、罪が重い順に並べなさい、とか。こうやって自分の頭で考えたり、人と意見を交わしたりする訓練をずっと受けてるんだなぁと。スウェーデンの場合は社会を自分ごとと捉えてもらつことで、高額な税負担への不満を解消したいという狙いもあるのだろうけど。それにしても、自分自身の社会への理解についても、良い学びになる本だった。

  • スウェーデン人は、社会参加に熱心なんだな、ということが伺えました。道徳の教材なんかにいいかも。

  • 一昔前の、スウェーデンの普通の中学教科書(日本で言えば「政治経済」や「倫理」的内容)の翻訳です。シンプルながらも、要所要所で読み手をエンパワーメントするような作りになっていて、普通に読み物としても面白いです。

    皇太子さまが誕生日で朗読されて有名になったドロシー・ロー・ノルトの詩『子ども』が収録されているところもビバです。

  • 皇太子様で話題になった本。
    「可愛がられ抱きしめられた子どもは世界中の愛情を感じ取ることを覚える」ちょっと考えれば当たり前のことなのに、現代の大人が忘れかけてた子どもに対する本当の愛情を思い出させてくれます。

  • しっかりした基礎教育がなされている。
    特に法律について一番最初に触れられているのが素晴らしい。

  • 社会
    教育

  • 高橋源一郎氏のコラムで紹介されていたもの。

    日本では、1997年に本書の初版第一刷が発行された。
    原書は訳者が1994年の秋に初めて手にした(訳者まえがきより)とのことだ。
    だから今から20年以上昔の教科書ということになる。
    それがどれだけ古いものやら、あまり期待していなかったが、衝撃だった。
    古いといっても日本は未だこの教科書に追いついているとは言えないように思えたからだ。
    何も私は教科書会社や教員をなじっているわけではない。
    第五章を見てみよう。
    「私たちの社会保障」という題がついている。
    「子供が養子」、結婚すること、あるいはしないこと、結婚はしないが一緒に住む「サムブー」。
    20年前にすでに一般的な出来事として書かれている事柄を、今の日本はきちんと教えられているだろうか。
    20年前と今はどれだけ日本は変わったのだろう?

    子どもの権利条約に批准しているはずの日本は、どれだけ子供と母親(あえて母親と限定した)に手を差し伸べているのだろうか?
    自己責任という口当たりの良い言葉で、セーフティーネットを作ることや、さらにそこからも漏れる人を見殺しにしてはいまいか?
    155頁の「子ども」という詩は心に訴えかける。

    スウエーデンにおいて、本書を使った授業の一つは、本書を数ある資料の一つとしてしか使わなかったという。
    それでいい。
    教科書は、特に社会科は暗記することよりも、考えることの方がずっと大事だからだ。
    社会科が目指すところは、「あなた自身の社会」だと私は考えている。
    私と、あなたがつながることで、社会はどうなっていくのか。
    あなたはどう生きていくのか、それが社会科の問いであり、理念であり、願いだ。
    二国ともに共通しているはずの教育者の思いを、読み取ってほしい。

  • スウェーデンの中学生相当にむけた社会科の教科書の一部を邦訳したものだが、この国の仕組みはとてもよくできている反面、弊害/問題ももちろんたくさんある。そのことを、まったくありのままに課題として提示し、考え討論させるというもの。コミューンという行政単位に非常に大きな権限を与えているからこそできることだなと思った。(土地利用計画の独占権をもち土地を収用する権利まで持っているとは!)
    ひとは最低一つのフォレーニング(団体)に所属することになっていることは理にかなっている。個人主義だからこそ人間は一人では生きられないという本質が早くから見抜かれた制度設計だ。

  • 成毛眞氏の『勉強上手』で紹介されていた。
    娘に将来読んでもらいたいと思い購入。

  • 東2法経図・6F開架 372.38A/L63a//K

全28件中 1 - 10件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ヴィクトール・E...
スティーヴン・D...
國分 功一郎
ヘミングウェイ
有効な右矢印 無効な右矢印

あなた自身の社会―スウェーデンの中学教科書を本棚に登録しているひと

ツイートする