世界文明における技術の千年史―「生存の技術」との対話に向けて

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  • Amazon.co.jp ・本 (372ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794805225

作品紹介・あらすじ

再生・循環の思想に根ざす非西洋世界の営みから「生存の技術」の重要性を解き明かす比較文明論的視座。

感想・レビュー・書評

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  • この本を読むと改めて、中国や中東地域が産業革命より前の時代で技術で先行していた事がよく分かる内容だった。
    鉄の生産量や石炭の使用、紙、火薬の発明など現在においても基本的かつ重要な技術を中国が先行していた事に驚き、それゆえにヨーロッパに追い抜かれたのかを改めて疑問に思う。
    また、技術の移転が我々が考えているよりも遙かに難しいという事も知る事ができた。日本は明治維新で欧州の技術を速やかに吸収したと考えられるのが普通かもしれないが、それすらも鎖国中の国内産業の発展が前提にある事を忘れてはならないと思う。
    そして、これからも日本が技術支援をする事は数多く発生すると思うが、支援先の状況や環境をよく理解した上で行う必要があると切に感じた。

  • 技術は進んだ地域からそれ以外の地域に波及するものといったイメージは間違いで相互に交流することで発展するものだということを技術の歴史を振り返って確認する本。

    テーマや解釈はとても興味深いものなのだが、字数の多くは歴史資料から判明していることの羅列でしかなく、前もってある程度の知識があることが前提。その上で一般的に思われていることと違う説明がなされているので楽しく読める本ではなかった。
    技術は一方通行のものではないという話はとてもおもしろいのだが、その証拠の羅列が多い割になぜそうなったのかの考察は少なくて正直しんどいって感想。

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著者プロフィール

アーノルド・パーシー/1937年に雲南省で、イギリス人の両親のもとに生まれる。1956年からノッティンガム大学で物理学を専攻、1959年に修士号を取得。その後5年間、物理学の分野で研究所に勤める一方、科学技術史について個人的なトレーニングを受け、マンチェスター大学の科学技術政策研究所で正規の講座を担当した。1976年まで国際NGO「オックスファム」の事務所で編集と文書保存の仕事に就き、以後現在まで、科学技術史の著作活動のほか、オックスフォードやリーズのオープンユニバーシティの技術史コースのチューターとして活躍している。

「2001年 『世界文明における技術の千年史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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