“現代の全体”をとらえる一番大きくて簡単な枠組―体は自覚なき肯定主義の時代に突入した
- 新評論 (2005年2月1日発売)


- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784794806529
感想・レビュー・書評
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須原教授の本。ぼくが勝手に恩師とおもってる人。亡くなられて5年くらいになるはず。教室でとにかく質問したのは懐かしい思い出。そんな補正が入っているので、どうなることかとおもったが、なかなか図太い内容であった。
まずおもったのは、内容の濃淡が激しく、ギュウギュウなところとスッカスカのところがあったので、すらすら読めたり詰まったり、リズムがつかめなかった。
哲学や思想には縁がないとはおもっていたけれど、考え方の極端な例や純粋な例には名前がつくこともあるらしいことを理解した。
料理でいうと、ただの野菜や肉の炒め物であっても、回鍋肉と名付けられたり八宝菜という名前になったりするのとおなじで、特定のよくある形にはまったものに「ナントカ主義」とかいった名前がつくのだということ。
世の中を憂うコメントがテレビやラジオなどのマスコミだけでなく近所の主婦やサラリーマン、学生や子どもにいたるまで、みんながなんとなくネガティブだったり、愚痴だけを抽出して他人と話したりするのを、
考えなおしてみたら?
と提案してる本というふうに理解。
そうすると「哲学は思想を体系的に学問の体裁をとったもの」なので一般知識におとしこむことは無意味だということも、
うしろめたいことをもみ消すために別のことに打ち込んで乾いた笑いをもらすことはしなくてもいいという結論も、
よーくわかった。ぼくのことばにするとそういうことになる。
「どうせ」とか「あの人はいいなぁ」とか「もっと若ければ」とかいう無意味な思考から解放されて、「けっこういい時代」の「いろんなことを自分で決められる世代」による「世の中ってなかなかいいな」と思い直すための入門書。かな。
ただし、著者はもともと分析哲学のひとなので、クドかったり、複雑だったりするので、いっかいニーチェとかをマンガなんかで読んでからでもいいのかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
哲学の本であり、難しいだろうとは思いつつも、まえがきに“この本は1時間か1時間半くらいで、読み取ることができるだろう。”って書いてあったので、頑張って読んでみたが、理解するにはけっこう時間を要した。
まず、現代は民主主義や資本主義などの自由無き肯定主義が叫ばれるようになり、実質的な死亡状態となっている。
しかし、思想自体が死んだわけではないという事である。
健康や幸福や安全に関心のある虚無主義(ニヒリズム)が衰弱した人間の典型とあることに少々動揺してしまった。
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