リーディング・ワークショップ-「読む」ことが好きになる教え方・学び方 (シリーズ《ワークショップで学ぶ》)

制作 : 吉田新一郎・小坂敦子 
  • 新評論
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784794808417

感想・レビュー・書評

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  • 高読書教育に興味がありこの本を手に取りました。
    私が見ているのは高校生なので、全てを真似することは出来ないものの、参加になる点がいくつもありました。

    とくに、ただ読むだけの時間ではありつつも、そこにいかに導き手である教師が介入していくのか、という点。
    好きな本でも読み方が浅かったり、読み違いをしたり、ということがあります。
    興味深いのは、同じ本を数人で共有し、話し合いをするガイド読みという時間です。
    これは普段の国語の時間で行っている精読にほかならないと思います。しかし、この本ではなぜ読み飛ばしてしまうのか、どう読むべきかをレクチャーしたり、生徒に話し合わせる時間を作っています。また、話し合いの中で相手の意見を掘り下げることも生徒達に教えています。
    普段グループワークだけでは、生徒の読むこむ力、話し合う力を伸ばすのは、生徒の元々持っている力が低いと、上手くいかない、という限界を感じていましたが、個別に話を聞いてみるとしっかり考えていることもあったので、小グループに一つの本を読ませてこちらが介入するのはありだと思いました。

    どの実践も興味深く、読書で様々なことを子供たちが得ようとしている様子が語られていました。
    けれども、これを実践するには教師の力量が試されます。

  • 読むことの意味、ワークショップ

    第一章 子どもたちと一緒に、楽しく読み書きを学べる場をつくる

    P20 ほかの人の言葉から学ぶ

    P21子どもたちは、自分が思ったことの断片を短い言葉で発するだけで、考えていることの全体像が分かるようには話してくれません。学校でも家庭でも同じですが、それは、掘り下げて聞いてくれる人が誰もいないからです。
    ~~~
    子どもたちが、ほかの子どものが話すことに耳を傾けたり、ほかの人が言った言葉に影響をうけたりするということは、読むことを教えていく際の根幹にかかわっているものと言えます。というのは、今日のアメリカ社会の問題として、単に子どもたちが言葉を知らないということではなく、他の人の言葉に対して、自分の心の中や生活の中において創造的に反応できないということがあるからです。言葉や話、そして様々な考えが子どもたちの心に響くことがなく、子どもたちの生活に影響を与える状態では、本に書かれたことについてよく考えたり、そこからより良く生きていくための術を生みだすことはできません。
    ~~~
    子どもたちに読むことを教えるためには、今の子どもたちの文化とは逆行するような、言葉が大切にされるという文化をつくっていくという作業に取り組む必要があるのです。
    ~~~
    そして、教師は、子どもたちの話すことを一生懸命聞きましょう。子どもたちの言葉が、教師に影響を与えているということを示すのです。そうすることで、読むことの核とも言える、言葉の中に秘められたメッセージを聞くというお手本を子どもたちに示すことになるのです。ジョシュが「お父さんがこの本を読んでくれるんだよ」、ミオンが「しおりにはアイスクリームの棒を使えばいいよ」といったとき、コリンズ先生はその言葉の表面だけを聞いたのではなく、その言葉が伝える価値を理解したのです。ジョシュの言葉から、一緒に読むこと、そして読むことでつくられる人物関係や対話の大切さを聞いたのです。そして、ミオンの言葉からは、まだ読み終わっていないので、その本の続きに戻ろうとすることの大切さを聞いたのです。このような観察や、子どもたちの言葉に耳を傾けることによって、子どもたちの中からわき出てくる気持ちを生かして読むことを教えていくあ。ことができるのです。

    P24子どもたちが読むことを好きになるためには、仲間と一緒に楽しめる活動にする必要があるのです。


    第二章 世界を変える言葉ー言葉のある教室

    P27 作文を読み上げる行事のエピソードをうけて~後日、クラスの子どもたちは、言葉というものが人にいかに大きな影響を与えるのかについて話し合いました。

    ~~言葉が何かを変える経験をする

    独立宣言や憲法の条文のような言葉は、まちがいなく社会を変えます。

    P30
    ある月、ファリーナ校長はトニ・モリソンの『子どもたちに自由を』を選び、そのとき手紙を添付しました。
    「こどもたちそれぞれの、異なった長所を伸ばしていくことに特に注意を払ってほしい」
    P31
    「達成されるべき基準が声高に言われる時代だからこそ、規格化された枠の中に押し込められないように、できるだけのことはすべてしましょう。私たちは、子どもたちそれぞれの自分らしさを大切にしているでしょうか?たしかに、基準を決めて高い期待をもつことは重要なことです。しかし、その基準のために、すべての子どもたちが同じように行動し、同じように考え、同じことを楽しむようにしていませんか?つまり、同じ枠の中に押し込んでしまっていませんか?このようなことが起こらないためには、意識的な努力が必要なのです」

    このように、本のおかげで第六章が高にはみんなが理解できる共通の言葉が生まれているのです。何かを話すとき、本の登場人物がまるで学校内にいるかのように話の中にでてくるのです」

    P34 同じ本を繰り返し読むことで「読むことを学んだ」という子どもたちの話をよく耳にするからです。
    読みはじめの子どもたちだけでなく、私たちすべての教師が同じ本を繰り返し読むべきではないかと思うこともあります。あたかも宝物であるかのごとく本に接することで、そしてその本により深く没頭することで、より多くのものが得られるからです。

    一人ひとりが自分にあった本を読む

    P36
    この幼い読み手に対してなされている不適切な指導が、いかにこの子どもをタメにしているのかと思って私は憤りを感じました。
    『こぐまのくまくん』を読むレベルであるにもかかわらず、小学校三年生にふさわしいと教師が考えている本を読ませようとしていまうs。その結果、子どもから本を読むという機会をすべて奪い取ってしまっているのです。
    難しい本を手に持ったからと言って、よめるようになるわけではありません。ある子どもが本を開いたとしても難しすぎれば石の塊を手にしているのと同じなのです。しかも、読むことが苦手な子どもたちほど、読めない本を手にしていることが多いです。
    ~~~このような学習活動は、一見すると「読むこと」の学習のように見えますが、実際はそうではないのです。

    P39多くの教室では、表紙の内側に子どもたちが書いた短い書評を添付しています。

    P40本を読むのには2人が必要byアラン・パヴスAlan C Purves

    第三章 読み聞かせと考え聞かせ


    https://www.youtube.com/watch?v=cgN2WUMW6zM

    chrysanthemum by kevin henkes
    the jester has lost his jingle by david saltzman

  • 小学校低学年の娘がいますので、家で読み聞かせや読書をする際のヒントになれば、と思って読んだのですが主に学校、クラス単位での“図書の時間”のための本といった感じでした。家での読書に使えないわけではないのですが、ここまで家でやってしまうと子供が窮屈に感じるだろうなと思い、ごく大枠のみ使わせていただいて、特に真似しようとは思いませんでした。

    娘の学校には図書の時間、というものがありますが、その時間を有効に使う為にぜひ先生方に読んでほしい、身に着けていただいたら親としてありがたいと思うようなスキルでした。

  • 読み聞かせだけでなく、付箋をはってよむなど、読み方のいろいろ紹介がある。

    本を読むのがたのしくなるきっかけのつかみ方のパターンが分かるかもしれない。

    日本語の参考文献として、文学以外に次の3つがあった。
    読む力を育てる
    思考と言語
    読み聞かせーこのすばらしい世界

  • リーディング・ワークショップの教室の様子が生き生きと描かれている。どのように本を囲んでコミュニティを作り、言葉を大切にしようというメッセージを発していくか。ミニレッスンやカンファランスの内容も具体的に示されていて参考になる。
    ライティング・ワークショップを知らない人には授業の枠組みが多少わかりにくいかもしれないが、読み物としても十分楽しめる本。
    教室の状況などが全く異なる日本の中高でそのまま導入するのは難しいかもしれないが、考え方だけでも取り入れられれば、いろいろなことが変わるだろう。

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